昨夜は冷え込んだ
寒さに目が覚めてセーターもジャケットも着て
シュラフに入りなおしてもまだ寒い
そこでYさんに借りた非常用アルミコーティングシートを
ひろげて掛けてみる
これがなんと暖かい
放射熱が戻ってくることがこんなに暖かいのかと感心する
これで寝られる
と思っていると 隣のテントのほうから声が聞こえてくる
最初はジェシカさんの寝言かと思ったが
なにか苦しそうだ
悪い夢でもみてるのか
それとも本当にトラブルなのか
こちらも寝るどころではなく 長い間迷ってから
声をかけてみた
返事はなかったし そのあと声も聞こえなくなったので
そのまま寝た
朝5時に朝食で 5時半に出発を予定したのに
目が覚めたのは5時を過ぎていた
まだ真っ暗なテントのなかで
あわてて着替えて荷物をまとめた
雨がしっかりとテントにあたって音をたててる
5時25分にジェシカさんが来て
出発時刻を6時半にするといってきた
たしかにこの雨で 夜明け前に出発は危険すぎる
おいしく朝食をいただいて
歩き始めたのは結局7時半過ぎになった
雨も上がり なんと陽も差してきた
ジェシカさんは 昨夜は本当に辛かったそうだ
腹痛で 薬を飲んで なんとか回復したようだ
ほぼ毎週 インカ道を歩いている彼女ですら
予測しなかった雨と寒気だったみたいだ
そういえば同じ道を歩く人々に
簡単な雨具しか身に着けていない人が多かった
体も心も絶好調
天気も回復傾向で午後からは青空も覗いた
一歩一歩 踏みしめながら歩く
プユパタマルカの遺跡には 誰もいない
音もない
インカトンネルを抜けて
アンデスの山々を見下ろしながら 道を下れば
標高が下がるとともに あたりはジャングルに
数々の花の写真を撮り
差し込む日の光に感謝して歩く
簡単な昼食の後 すこし寄り道して訪れた
ウィニャイワイナの遺跡は
切り立った山の斜面に立つ石組みの町
頭が青いツバメが数多く飛んでいるほかに
動くものは空の雲と
遠くに見える滝だけ
という贅沢な時間を過ごした
ウィニャワイナはこの遺跡が見つかったときに
あたり一面に咲いていたランのケチャ語の名前で
英語ではForever Young
いつまでも若く という意味だとジェシカさんに教わる
ランに埋もれた遺跡かぁ
想像を超えてる
空は晴れ渡り 花は咲き誇り
そして最後のチェックポイントを通過する
最後の峠にインティプンクの遺跡があって
その先に
マチュピチュがあった
この最終目的地が 4日間のインカ道の旅に
終止符をうった












