6時15分目がさめる

寝る前に聞こえていたテントにあたる雨の音がしていない

それだけでうれしくなる


マチュピチュへの道  ~インカトレイルを歩く~-31


体力も回復して 食欲も出て 

2日ぶりに食事をした ぜんぶ食べた

昨日、4,200mの峠を越えたときには

ペルーおばちゃんからもらった アメですら体が受け付けず

3分後には甘い唾液とともに道端に吐き出した

量ることはできなかったけど

水とゲータレードと塩分だけでのトレッキングで

まちがいなく5キロ以上減量していたはず

朝食のあと 歩き始めたのが8時15分

心も快調だし 予想外に減量したせいか足取りも軽い



マチュピチュへの道  ~インカトレイルを歩く~-32

天気は相変わらずの降ったりやんだりだけど

遠くが見えないときは 近くの花を接写した

しかしあらためて ハイキングシューズは優れてること感じた

雨を歩いても水は入らず 通気性があって蒸れない

ハイテク靴下とあわせて 歩くときの衝撃も少ないし

濡れた岩のうえも滑らず 軽い 


昨晩、外でシューズ脱いでテントに入り

シュラフにはいって横になり

目を閉じてからそのことに気がついて

あわててテント内にとりこんだ(よかった濡れなくて)

いくらハイテクでも 人為ミス対応ではない(あたりまえ)

シューズは今回のトレッキングでの 用具ナンバー1




マチュピチュへの道  ~インカトレイルを歩く~-33


インカ道を登ったり下ったりの 1時間後に

その昔の監視所についた 3,778m

500年前のインカの青年は どんなことを考えながら

ここで見張りをしていたのだろう

石の壁に手を触れて 


その見張りの青年の心に同化してみる


そこからさらに5分ほど登り ルンクラカイの遺跡に着く


マチュピチュへの道  ~インカトレイルを歩く~-34

インカ道の関所だったがそうだが

インカを侵略したスペイン人は見つからず

1925年まで自然のままに埋もれていたそうだ

また降り始めた雨のなか 石段を一歩ずつ登る


マチュピチュへの道  ~インカトレイルを歩く~-35

10時ちょうどに本日の最高点 標高3,900mのルンクラカイ峠を越えた

そこから1時間でサヤクマルカの遺跡にたどりつく

雨に濡れた遺跡の静けさに言葉と時間を忘れる


マチュピチュへの道  ~インカトレイルを歩く~-36



霧の中を歩く 

墨絵のような美しさ


マチュピチュへの道  ~インカトレイルを歩く~-37

遠景がだめならと

雨に濡れる花の写真を撮っているうちに 皆に遅れて

気がつけば自分ひとりになっていた


マチュピチュへの道  ~インカトレイルを歩く~-38

すると突然 霧が晴れる

深い谷間をはさんで反対側の

山の斜面に緑の木々がはっきりと見え

さらにその奥には遠く雪山が覗いている

こんなところを歩いているのか

すべての音は森に吸い込まれて あたりはまったくの静寂

目をとじて 山に向かうと 

体も心も溶けてアンデスと一体になっていく

しっかりと自然に抱かれていることを感じて 

涙があふれでた

心が受けた感動の この瞬間のために  

これまでのすべてがあったのだと理解した



マチュピチュへの道  ~インカトレイルを歩く~-40

雨と霧につつまれたキャンプサイトに着いたのは午後2時少し前

心地よい疲れと 

そして本当に感動した後の 満足感に深い眠りだった

5時少しまえに テントの外が騒がしくなる

起き出でてみると なんと霧が晴れている



マチュピチュへの道  ~インカトレイルを歩く~-39

日が沈むまでの ほんの30分

霧はかかったり 晴れたりを繰り返した

そして日没時に

はるか彼方までが見晴らせたとき 

雪煙をあげたその山は

夕日をあびて神々しく光っていた


マチュピチュへの道  ~インカトレイルを歩く~-41