手放し難い執着


手放し難い執着


それに執着している事に

自分では、なかなか気づかない


それは、自分の、運命とか

目標とか、ゆめだとか

そんなふうに思ってるから。


努力が足りないから

時間が足りないから

運が良くないから

叶わないだけだと思いこんでる。


努力してみようとするけど、

どうしたらいいかさえ

もうわからない。


そんな時、5年程前に

スタバで不思議なおじさんに

声を掛けられた事を思いだす


ナンパでも、

宗教の勧誘でも

なさそうなので

ちょっと話してみた。


おじさんはこんな話をしてくれた。

「ぼくは、時々

ここにお茶しに来るんだけど、

そうすると

いつも、真ん中のテーブルで

まゆをしかめながら、

必死に何か勉強している

女の人がいて…


どうも気になって

声をかけてみたんだ


『いつも真剣に勉強なさってますが

何を学んでらっしゃるんですか』


すると、女性は

『今年こそ、〇〇士の試験に

合格したいんです。

わたしは、もう何年も不合格なので

情け無いんですが

カフェでも必死になって

勉強しちゃうんです』

と答えられたそうだ。


おじさんは、

『何年も不合格なのに、

なんで続けていらっしゃるんですか』

と、さらに聞いたそうだ。


すると、女性は

それが自分の使命とか、目標とか

夢みたいなものだから

といったような事を

答えたそうだ。


おじさんは

『普通に考えて、その〇〇士の試験は

そんなに難しいものではありません。

何年もかけてやるものでは

ないと思います。

たいへん失礼ですが、

向いてないんじゃないですか?

諦めた方がいいと

思った事はないですか』

と聞いたそうだ。


女性は、そのおじさんの言葉を聞いて

怒ることもなく、

『そうかもしれません

でも長年の夢なのでもう少しだけ

頑張ってみようと思ってます。』

と答えたそうだ…


それを聞いて、おじさんは

彼女も実は、〇〇士には

向いてないかも知れないし

それを続ける事が

ちょっと辛くなってる事に

薄々気がついてるんだろうな

でも、やめ方が

わからなくなってるんだなと

思ったそうだ。


ぼくがつい声を掛けてしまったのは、

頑張ってるんだけど、

なんだかとっても

辛そうに見えて、

どうしてなのか

知りたくなったからなんだ

と言っていた。


ぼくは、そういうの

気になっちゃうんだよね。

とも言っていた。


それって、

その人がそこに執着して

客観的に見れなくなって

しまってるんじやないかってね。

余計なお世話なんだけどね…



そのおじさんは

その話のあと、

簡単な自己紹介をして、

あなたも何か知りたくなったら、

源流を汲みなさいね

みたいな事を話し、

そして

わたしのアドレスを聞くこともなく

また、会えるといいですね

とだけ言って

先に帰ってしまった。


ほんとに不思議なんだけど

実際にあったこと。


それを

その時の務め先の先輩に話してみたら

「その人は神様よ

あなたに何かを伝える為に

来たのよ」

と言われて、

さらに悶々とした。




今も思い出すその出来事。

美術学部を卒業して

はや、還暦なのに

未だ未練がましく

時々絵筆を取り出しては

絶望感を味わう

そんなマゾプレイを

年に何度かやってしまう私に

おじさんは

それってしあわせ?

って

聞きたかったのかな?


専門系の学部をでて、

何者にもなれなかったダサいやつ

と思いたくない執着で

未だ夢の途中と

時々言い訳をしたくなる

ヘタな考えかた。


今のわたしは

執着をやめられないけど、

プレイだと自覚する事ができてる


進歩してる。


おじさん、

また会いたいな。