しっかり握っていたはずだったのに。
いつのまにか握っていたのは、粉々になったガラスの欠片たちだったみたい。
ザクザクと切りつけて、痛くて緩んだ隙間からザラザラと、でもキラキラと容赦なく零れ落ちた。
おかしいな、やっと見つけた幸福だったのに。
必死に拾い集めようとしたけれど、欠片がさらに切りつけて、おまけに零れ落ちた先は底なし沼だ。もう、届かなく感じるよ。
だけど、確かにここにあったから。
ここに落ちたはずだから。
時間がかかってもいい。
また痛くてもいい。
少しでもまた手に入れたくて。
あたしは沼に足を入れた。
お願いだから、もう一度キラキラ光って見せて。
沼の中じゃあたしの努力だけでは、どっちが上で下なのかさえわからないの。