◾️【彼女。百合小説アンソロジー】
2022年3月25日出版

○トータルおすすめ度 4☆☆☆☆★
○大学生のおすすめ度 3☆☆☆★★

・約420ページ
・使用時間:6時間
・自分の本書のペース:12ページ/10分

①おすすめ度(全体&大学生)と
②読むのにページあたりどれくらいかかったか
 読書ペースを載せてみます(自分遅めです(*´∇`*))
 少しでも参考になりましたら。

●紹介本文
 百合モノです、女の子×女の子
百合はほんと各作品の空気感が大事で独特で、『これはどんな雰囲気の百合かな?』とまずそこを掴むのが趣きがある。なので短編集は嬉しい宝箱です。

 作家がほんと豪華!おかげで全7作品どれも楽しめて読めました。インタビューで「他の作家陣は知っていたので、あの人はあんな感じで書くかなと予想して被らない様にヤマはって書きました。」とあった様に、いろいろな作風の作品たちが揃っています。

①【椿と悠】(織守きょうや)45P
 1作品目に相応しい、高校生、タイプの違う2人、ガールミーツガール、すれ違い、勘違い、あと髪色が違うのは"絵"として鉄板です。

②【恋澤姉妹】(青崎有吾)60P
 外国の地にいる暗殺家・恋澤姉妹を探す主人公、ロードムービーの中で死んでしまった好きな人を思い出しながら、改めて大切さに気づくストーリー

③【馬鹿者の恋】(武田綾乃)30P
 7作品の中で1番分かりやすい百合かな、ちゃんと目に見えて恋愛感情があるので、
 油断してた2人の間に転校生の3人目が現れて、、、テーマは"塩対応のチョコレート"

④【上手くなるまで待って】(円居挽)65P
 大学で文芸部だった先輩・後輩、もう10年近く前になる思い出を現代の主人公が知り合いに聞いて回って掘り返すちょっとミステリー。
 小説家の書く"小説家モノ"だけに解像度が高い、才能と嫉妬と愛憎が絡み当たった青春の中にあったものは、、、タイトル回収もみどころ。

⑤【百合である値打ちもない】(斜線堂有紀)70P
 この作品の2人は『ゲーム配信者女の子コンビ』
さすが斜線堂先生、そう言う現代最先端設定大好き
 芸能モノ、半芸能的YouTuberくらいのスタンスの人々の楽しさと苦悩、2人の間の"最初は楽しかっただけなのに"「私はあなたに必要なの?」もうぐちゃぐちゃの混ぜこぜで描いていく

⑥【九百十七円は高すぎる】(乾くるみ)30P
 7作品の中で1番のお気に入り
敦美と杏華は、憧れの結城先輩(女)をたまたま尾行、そこで聞こえてきたのが電話での会話「え、そんなに?917円?」
 なんだったんだろう?なんだったんだろう?917円?驚くほど高いの?何が917円?先輩の交際関係だと〜?そもそも917円って端数あり?
 好きな人のことは何でも知りたさが溢れた可愛い作品。

⑦【微笑の対価】(相沢沙呼)90P
 殺人が絡みます。
やっぱ百合モノは殺人くらい絡まないとね。
で、殺人自体より、そのせいで好きな人との関係がどうなるんだろうかが気がかり、くらいじゃないとね