【腹を割ったら血が出るだけさ(著者:住野よる)】
2022年7月30日出版

○トータルおすすめ度 4☆☆☆☆★
○大学生のおすすめ度 4☆☆☆☆★

・約390ページ
・使用時間:6.5時間
・自分の本書のペース:10ページ/10分

①おすすめ度(全体&大学生)と
②読むのにページあたりどれくらいかかったか
 読書ペースを載せてみます(自分遅めです(*´∇`*))
 少しでも参考になりましたら。

●紹介本文
 好みだった〜*・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

 糸林茜寧は"愛されたいに支配された"女子高生、考えるより先に呼吸する様に愛される行動をしてしまう、そして死にたくなる。こんな自分を変えたい?壊したい?心の中を誰かに見つけて欲しい
 そんな茜寧は小説【少子のマーチ】を何度も何度も何度も読んでいる、その中の主人公・少女に、そしてヒーロー・あいに惹かれて
 ある日街中であいが現実に現れたかと錯覚してしまう人に出会う、ライブハウススタッフの宇川逢に、茜寧の中でストーリーが少しずつ始まる。

 ある想いに向けて、とにかく可愛く逢に接する茜寧、最高の受け手(メタ発言)逢、そしてもう1人の主人公、アイドル・後藤樹里亜。
 それぞれの想いが、ストーリーが、後半に激しく交錯する。

 茜寧ちゃんが、いろいろあるんだけど、まあ可愛い、めんどくさい可愛い
 逢さんが、めっちゃ少女漫画ヒーロー、これ女性読者さん逢さん推し急増中じゃない
 樹里亜ちゃんもタイプ別で見事に魅力的なもう1人の主人公
 他の脇キャラ達もホントに魅力的、樹里亜のアイドルグループメンバーとか
 登場人物がとにかく最強布陣の作品でした。

 劇中作小説【少子のマーチ】が重要な中、構成としてプロローグ、エピローグでのその使い方、魅せ方も好みで良かったです(*゚▽゚*)

 現代病である「空気を読む」「キャラを作る」「良い子症候群」を複雑にもう数歩すすんでみた場所にあるそれぞれの苦悩を、重いテーマで終わりでなく、魅力的な登場人物にのせてエンタメ性も高く見事なストーリーに紡ぎあげている。良作そして好み。

●好きなフレーズ
①愛されたいに命じられている

②嬉しかった。しかし過度な喜びもそれを彼女のみに伝えてしまうことも、ストーリーを邪魔する要因となりうる。「これから先はもっとかっこいいよ」とやはり格好つけた

③胸のうちに起こる情熱によって得る開放感は、形を変えれば、人を傷つけようとさえしていなければ、この世界のモラルがひっくり返れば、青春と呼ばれるものだったかもしれない。

④お前もその中の大事な1人だよ。表と裏で2人いるっつうんなら、2人ともだ。

⑤渡したいものはたくさんあった。感謝や、感激の類なら、手の平から溢れんばかりだ。しかしそのどれも彼女の輝きには見合わないように思え、気後れしてしまう。