いつもニコニコしている四男。
学校でも人気者。
そんな四男だけど、暴れた。
友達が遊びに来ると言っていたのに、来なかった。
来るって言っていたから、自分の用事を我慢して待っていた。
今日は来られないんじゃないかな?って言っても、
来るって言ったもん、だから来るんだよ。
そう言ってずっと待っていた。
やっぱり来なくて、
来るって言ったんだよ!
そう言って、いろんな物に当たり散らした。
家族が今日は無理だったんだよって言うと、攻撃する。
しばらくして落ち着いて、来るって言ったのにって泣き出す。
その日、色々話した。
自分がした行動を覚えているか聞くと、覚えていた。
やったことは別として、少し安心した。
なぜそうなったと思う?
お父さんがそうなったこと覚えてる?
お父さんって、あのゲームばかりしていた人?
返って来た言葉にびっくりしたけど、
そうだよ、そのお父さんと答えると、
うん。してた。
だから、怒ったときはそうするんだと思った。
そっか。
さっき、自分のしたこと覚えてるって言ったよね。
お父さんは、覚えてない。
それが君との違い。
君がもし、怒って暴れて誰かを傷つけたり、
もっと言うと殺してしまったりすると、
お母さんやお兄ちゃんたちと一緒にいることができなくなる。
それを治すために別のところで生きていくことになる。
もう会えなくなってしまう。
お母さんは、それはイヤ。
だけどね、君はしたことを覚えてる。
してる最中もよくないことだって思ってる。
だから、きっとそれをしないこともできるようになると思うんだ。
君は、みんなを楽しくすることが好き。
とても優しい気持ちがたくさんある。
今日、友達が約束を守らなかったのは悲しかったし、悔しかったね。
その気持ちはとてもよくわかるよ。
一緒に楽しいことしたかったもんね。
それに怒るのは当たり前だね。
でも、誰かを傷つけてほしくないな。
僕、約束したんだもん。
悲しかった。
だんだん、なんでだよって思って怒った。
じゃあ、今、一番しなくちゃいけないのは何だと思う?
そういうと、叩いてしまった家族に、
「叩いちゃってごめんなさい」って謝った。
そうだね、まずはごめんなさいだね。
じゃあ、これからどうしたらいいかな?
こんなのはどう?
怒ったら、僕は怒ってるんだって言ってみて、
その怒りを怒りダンスにしてみない?
お兄ちゃんたちにも協力してもらおうよ。
話を聞いていた三男が
みんなで怒りダンスしちゃえばいいんだ!
その言葉に四男が笑う。
踊れるかなぁって言いながら、それまでの緊張が解けたみたいに
いつものやわらかい四男に戻る。
長男と次男から拒絶されたと知った元旦那が
上二人は無理だけど、
下二人はまだ間に合うだろって言ってたのを思い出した。
間に合ってなかったのが、これではっきりした。
まだ物心ついてないだろうと思って目の前で暴れていたのが、
幼い心にしっかり残っていた。
本当にごめんなさい。
傷つかなくていいことで傷つけていた。
どんなに時間がかかっても、
本来の子供たちの心を取り戻すために何でもする。
必ず守る。
子供たちは、何一つ悪くないから。