一番父親といる時間が多かったかもしれない。

 

まだ学校へ行ってなくて、宿題もないから

やらなくちゃいけないこともない。

 

父親が迎えに行き、二人の時間もあった。

 

ある日、私に迎えに来てほしいと言ってきた。

どうして?と聞くと、

別に、と答える。

 

ちょっと遅くなるよ、というと

それでもいいから、と。

 

その日から、仕事終わりに迎えに行くようになった。

 

どうやら、他の子たちが怒られているのを見るのが怖かったみたい。

 

自分も兄たちと遊びたいから近づくと、怒鳴られる。

何度か同じようなことがあって、別室に連れていかれて怒鳴られることもあったらしい。

 

それでも聞くと、父親を庇う。

そんなことあったかなぁ、忘れちゃったよ。

 

この子も三男と同じように、怖かったことを言えずにいた。

 

一緒にいるときには、くっついて離れない。

父親がそばにいるときには、チラッと見るけど近づかない。

同じ部屋に入ってくると、ビクッとして口数が減る。

父親が携帯ゲームをしているときには、存在していないかのように行動する。

 

自分を守るために、こんな小さな子がしていたこと。

 

私の前では、すごく遊んでいたし、面倒みていると思っていた。

だから、遊んでくれる父親と怖い父親と、

どっちも父親だけど、よくわからなくなっていたと思う。

 

この子が学校へ行くようになる前に、なんて思っていた自分がバカだと思った。

一秒でも早く離さなくちゃいけなかった。

 

父親が家にいて、私がすべてをやるようになってから、

きっと四男の目には父親が写っていなかったと思う。

 

同じ部屋にいても、父親に近づくことも、そっちに顔を向けることすらなくなった。

 

父親に話しかけられれば答えるけれど、表情は硬くて、顔は私を向いていた。

 

嫌いという感情もなかったんじゃないかな。

父親に対して、無になったんだと思う。