ペルシア「はあああ」
かあん
ペルシアの気合と共に木剣が弾き飛ばされた
ウエスト男子生徒「参った」
ペルシア「有難うございました!」
スコット「お疲れ様です!タオルどうぞ」
開発(あれさっきの金髪眼鏡)
ペルシア「さんきゅ」
スコット「男顔負けの強さですね」
ペルシア「いえまだまだよ」
スコット「そんなっ!こんなに強いのに…」
ペルシア「私の目指す強さっていうのはね、世界すら変えちゃうような、そういう強さなの」
それを話す彼女からは気高さを感じた
スコット「世界…?」
ペルシア「この話をすると大抵バカにされるけどね、私は本気でそう考えてる、だから誰にも嘗められる訳にはいかないのよ」
気高さの中に切なさもあった
ペルシア「なのに犬塚いつも手を抜いてきてバカにしてるわ」
開発(様子が…)
ペルシア「絶対許さない!!」
ビリ!!
ペルシアは受け取ったタオルを引き裂いた
スコット「僕のタオル」
開発「(気高さと切なさはどこへ)ていうか犬塚やばいってここウエスト側の敷地だよ!!僕達不法侵入だから」(小声)
僕達は外から体育館を覗いていた
ゴンゴン
犬塚は壁に頭を打ち付ける
開発「ちょっバレるから物音は」(小声)
犬塚「やっぱり敵同士じゃ…」
開発「犬塚…」
少し同情した
ウエスト公国男子生徒「ちゃんと歩け」
開発「不味い」
僕は犬塚の手を引き物陰に隠れる
ペルシア「どうしたの?」
ウエスト公国男子生徒「黒犬のガキ共がね、白猫の寮に落書きしてやがったんで、ちょっと痛い目に遭わせてやろうと」
ウエスト公国の男子生徒達が3人の初等部の子達を連行してきた
犬塚「!!」
開発「確かにそれはあの子達が悪いね」
犬塚「お前」
開発「事実は事実悪い事は悪い」
ペルシア「どうしてそんな事したの?」
黒犬初等部男子「白猫の奴に黒犬は弱いってバカにされたから!だからやり返した!文句あるか」
開発(腹癒せかくだらない)
ウエスト公国男子「何だその口の利き方は!!」
ウエスト公国男子は黒犬初等部の男の子を殴りつけた
開発「!!彼奴子供に」
犬塚「ヤロォ」
開発「犬塚!?たく」
僕も後を追う
すっ
ウエスト公国男子「!」
開発「!!」
ペルシア「その通りよ、君達は弱いわ」
黒犬初等部男子「何だと」
ペルシア「喚くだけで闘おうとしない、仲間がぶたれても助けようともしない」
ペルシアは男の子の後ろで怯えてる子達を一瞥した。
ペルシア「これのどこが強いって言うのかしら」
ウエスト公国男子「まったくだな」
黒犬初等部男子「ちくしょーなめるな」
黒犬初等部男子はペルシアに体当たりした
ペルシア「なんだ、出来るじゃない、それが
強さよ、ほら鼻血拭いて帰りなさい」
ペルシアはその男の子に優しく微笑んだ
ペルシア「次からは正面切って勝負に来るのね、お姉さんがいつでも相手してあげるから」
開発(成程)
ウエスト公国男子「何してる!それじゃ黒犬になめられるだろ」
ペルシア「黙って頂戴、こんな子供相手に狼狽えてどうするの!?白猫ならもっと気高くありなさい」
それは王の風格だった。
開発「(犬塚がペルシアを好きになる理由がわかった)はっ」
気付いた時には遅かった
犬塚「おい、何で皆俺達の方を見て」
開発「それは僕達が飛び出してきたのを忘れてた馬鹿だからだよ!!」
僕の自己嫌悪と犬塚に対しての罵倒を込めたツッコミが木霊した
ペルシア「何をしに来た犬塚!!そしてえっと」
開発「転校生の開発聡(不味い言い訳を)」
犬塚「待て!喧嘩しに来た訳じゃねえ!!」
ペルシア「じゃあ何の用よ!?」
犬塚「それは」
開発(犬塚時間稼いでその間に)
犬塚「ペルシアに…こっこくこく」
開発(それ言っちゃうの?まあそれならまだ)
犬塚「告訴だ!!告訴してやる!!」
開発(バカー)
火に油を注いだ
開発「先逃げるからね」
犬塚「あってめえ」
僕と犬塚は黒犬の寮に向かって逃走した
しばらくして
開発「なんとかまいたね」
犬塚「告白出来なかった」
開発「バカだね、犬塚」
犬塚「んだと」
開発「あんな状況で出来る訳無いでしょ」
犬塚「わかってる、けど今日言わなきゃ」
開発「猪なの?君は」
犬塚「そうかも知れねえな、でも俺にはこうやるしか出来ねえんだ、行ってくるわ」
開発「えっあっ」
犬塚「巻き込んで悪かったな開発」
開発(名前いつのまに)
犬塚は来た道を戻っていった
開発「馬鹿な奴」
僕は黒犬の寮に戻ろうと
開発「僕も馬鹿かも」
犬塚の後を追った
犬塚「どけ」
丸流「うわ」
土佐「ぬが」
古羊「!!」
開発「!?何事?」
丸流「てめえ転校生」
開発「!?」
土佐「犬塚と共謀して手柄を」
古羊「ただじゃおかねえ」
開発「何の話?」
土佐「丸流君白猫の奴らが」
丸流「覚えてやがれ」
3人は逃げていった
開発「何これ?」
さっ
僕の後ろをペルシアが走り去った
開発「!?」
僕は犬塚がいる方に行くと
犬塚「終わった」
開発「帰ろ、疲れたよ」
僕は犬塚を連れて黒犬の寮に戻ってきた
古羊「待ってたぜ犬塚」
丸流「自分がした事分かってるよな?表出ろ」
土佐「てめぇに…」
ごっ
アッパー
古羊「人の獲物に取ったらどうなるキャ」
バキ
肘打ち
丸流「教えて」
メリ
蹴り
丸流「やリュ」
開発「瞬殺かよ」
丸流「人が話してる最中に…卑怯な」
犬塚「うるせえよ、あんたらのせいで俺は今人生最大のピンチなんだよ!!それ以上喋ると喰うぞコラ!!」
3人組はぐうの音も出なかった
開発「抑女の子1人相手に三人掛で奇襲する方が圧倒的に卑怯でしょ」
遅れてツッコミを入れた
犬塚「開発もう無理かな…あんな顔させちゃったし」
開発「それを僕に聞かれても」
ヒュッ
開発「!!」
ぱしっ
犬塚「開発?」
飛んできたものをとった
開発「これは」
犬塚「矢文?」
開発「いつの時代だよ」
犬塚は中を開いた
犬塚「行ってくる」
僕は気になり後を尾けた
ざん
ペルシア「よく来たわね」
剣を二本持ったペルシアが噴水広場の中心にいた
ペルシア「まず一つ聞きたい、さっき貴方は私を襲ったの?それとも助けてくれたの?」
ペルシアは犬塚に問い質す
ペルシア「襲ったのだとしたらこの剣で決闘を申し込むわ」
剣を犬塚に見せた
ペルシア「でも…助けたのだとしたら…それはなぜ?貴方にとって私は敵でしょう?」
返答に困る犬塚
ペルシア「もし…助けた理由が単なる同情だとしたら、それは私にとって襲われるのと同じ位辛い」
開発(そっかだから)
ペルシア「貴方に弱いと思われる事だけは耐えられない」
ペルシアは苦しそうに震えた
開発(色々大変なんだな)
犬塚「そんな事ねえよ」
犬塚は否定した
ペルシア「嘘よ!いつも攻撃は手加減するし、私を喧嘩から遠ざけようとするじゃない!それって馬鹿にしてるからでしょ」
開発(聞いた事があるなウエスト公国は今も貴族制度が、残る国で確かペルシアは伯爵号を持つ父の一人娘だとか、けど爵位や財産を継げるのは男だけ、でもペルシアは女の子そうなったら全て失う、守る為に)
犬塚「分かった本気を見せてやる、俺と決闘しろ」
ペルシアは一本剣を渡す
犬塚「うおおお」
ペルシア「うおおお」
気合と共に両者が飛び出す
犬塚「好きだ!!付き合ってくれ」
開発「はあ!!」
とんでも行動におかしな声を挙げた
ペルシア「はあっ?」
ペルシアも僕と同様の顔をしていた
犬塚「これが俺の本気なんだよ!ずっと前から」
ペルシア「何を言ってるの!今大事な勝負の最中よ!?ふざけないで」
開発(ご尤も)
犬塚「ふざけてこんな事言えるか!好きだから今まで本気で戦えなかったんだ!好きだから助けたんだ!お前の事嘗めてもないし弱いとも思ってない!!ちょっとは気付けよ鈍感女!!」
開発「何これ!?」
ペルシア「気づくわけないでしょ、私達敵なのよ!?」
開発「ご尤も」
犬塚「だからずっと言えなかった…同じ国だったらって何度も思ったか、何度諦めようと思ったか…けどもう腹括った、お前と一緒に居られるなら、こんな世界変えてやる」
ペルシア「うるさーい」
ペルシアは犬塚を突き飛ばした
ドボーン
其の儘噴水の中に落ちる
犬塚「何すんだよ」
バシャバシャ
ペルシア「バカ、さっきから何を滅茶苦茶な事言ってるのよ、そんな大それた事貴方1人で出来る訳ないでしょ!?だから私も手伝ってあげるわよ」
犬塚「それって」
ペルシア「付き合ってあげるから、世界が変わる所を見せて頂戴」
犬塚「もう一回言って」
ペルシア「だから付き合ってって何度も」
だばあ
ペルシア「何泣いてるのよ!?」
開発(泣き顔汚ねえ)
犬塚「だっでおっげーもらえると思っでながっだがら、嫌われでるど思っだがら」
ペルシア「別に一度も嫌いとまでは言ってないでしょ」
犬塚「じゃあ俺の事好きなのか!?」
ペルシア「知らないわ!!」
犬塚「ええ!?」
ペルシア「言っておくけど私達の関係は絶対に秘密だからね!?」
犬塚「嘘!?」
ペルシア「それが嫌なら」
犬塚「一緒に居られるなら…それでいい!」
開発「はあ漸く話が纏まったんだね」
犬&ペ「えっ」
沈黙が流れる
犬&ペ「えー」
2人がハモる
ペルシア「貴方いつから」
開発「序盤から」
犬塚「お前来るなって」
開発「言われてない」
犬塚「あっそういえば」
開発「危うすぎるよ」
犬塚「頼む、開発この事は」
開発「言うとでも?」
ペルシア「黙っててくれるの?」
開発「正直僕はここに転校してきたばかりだからそういうルールはわからないけど言うなって言うのではあれば言わない」
ペルシア「有難う、えっと」
開発「開発聡」
ペルシア「有難う、開発」
開発「犬塚が危う過ぎるから僕も少しなら協力してあげるよ」
犬塚「本当か!?」
開発「少しだよ、それじゃあ2人共お幸せに(楽しくなりそうだ)」
しかし
開発「ふああ」
ペルシア「おはよ、開発」
開発「おはよ、ペルシア」
ペルシア「貴方黒犬なのに堂々としてるのね」
開発「僕はここに来たばっかりだし抑そういう柵とか興味ないから」
ペルシア「凄いのね」
開発「もう少し気にした方がいいのかも知れないけど」
だだだだだ
開発「!?」
犬塚「あれーペルシアじゃんー奇遇だなー」
開発「そんな不自然な奇遇はねえよ」
犬塚「開発もー(小声で言うか何でお前ペルシアと普通に)」
開発「僕はそう言う柵は」
犬塚「ペルシア折角だし一緒に校門まで登校しねえか?」
開発「だから聞けよ」
ペルシア「話し掛けないで頂戴、行きましょ開発」
蓮季「おっはよー犬塚ー、て開発!何!?ペルシアと喋ってるんだ」
開発「だから僕は柵とかは」
否定しようとすると
スコット「貴様!開発」
開発「前途多難だ」
否定するのが面倒臭くなった。
第1幕 犬塚露壬雄とジュリエットペルシア その2 完