膨大な生徒数と敷地を誇るこの名門寄宿学校には2つの国の生徒が集い、二つの寮に分かれていた
ドン
東和国専用黒犬の寮通称ブラックドギーハウス
犬塚「ウエストのクソ貴族が!」
ウエスト公国専用白猫の寮通称ホワイトキャッツハウス
ペルシア「東和の野蛮人め!」
東和国生徒とウエスト公国の生徒が睨み合っている
開発「何これ?」
因みに僕は本日東和国からダリア学園に転校してきたブラックドギーの生徒。
転校初日から訳の分からない状況に巻き込まれてます。
開発(すっげえ、嫌な予感)
頭の整理が追いついてません
犬塚「今日こそ何方が上か…」
ペルシア「はっきりさせてあげるわ」
わあああ
両者の生徒がぶつかり合い殴り合いを始めた
開発「何これほんとに何これ?」
この状況から察するにどうやら敵対関係にある事と寮同士もまた対立しているらしい
ウエスト男子生徒「ぼーっとしてんじゃねえよ」
開発「あーもう仕方ない」
がっ
ぐいっ
ウエスト男子「なっ」
相手のネクタイを掴み引き寄せた
ふっ
脚を掬い上げた
ウエスト男子「かは」
そのまま地面に叩きつける
ウエスト男子「強い奴がいるぞ」
ウエスト男子「囲め」
ウエストの男子生徒が標的を僕にした
開発「怪我しても…知らないからね」
シュル
先程の生徒のネクタイを奪い両手で端を持ち構えた
ぺちん
ウエスト男子「ぐあ」
鞭代わりにして迫ってくる奴の顔面に叩き込む
先生「コラー貴様ら!!校内は喧嘩禁止と言っているだろ」
東和生徒「やべ先生だ」
ウエスト生徒「逃げろ」
生徒達は蜘蛛の子を散らす様に逃げていく
開発「違う、僕は巻き込まれて」
スコット「犬塚!必ず貴様を叩き潰す!」
蓮季「バーカ眼中にないんだよ」
僕も逃走した
教室
東和男子「くっそ!ペルシアめ!!彼奴さえ倒せば勝ったも同然なのによー!!」
開発けど(転校初日からハードすぎ)
東和男子「頼むぜ、犬塚」
蓮季「新しく来た転校生の…」
開発「開発だよ」
東和男子「開発、お前すげえ強えな」
開発「いやそんな事ないよ(全く嬉しくない)」
蓮季「謙遜はいらないゾ」
開発「!?そうかなあ」
蓮季「ああネクタイで白猫の奴等を圧倒してたのはカッコよかったぞ」
きゅん
開発「有難う(これは嬉しいもう少し僕に女の子に対しての耐性があれば)」
蓮季「私は狛井蓮季だ、宜しくな開発」
開発「宜しくね、狛井さん」
蓮季「蓮季って呼べ」
開発「蓮季さん」
蓮季「なんか他人行儀だゾ」
開発「蓮季ちゃんじゃだめ?」
蓮季「だめだ」
開発「いや流石に初っ端は」
蓮季「嫌なのか?」
上目遣い+少し目を潤ませる
開発「蓮季」
蓮季は瞳が輝いた
開発「これでいい?」
蓮季「うん♪宜しくな、開発」
小躍りしながら笑顔になった
開発(可愛い)
蓮季「よし!!挨拶も済んだし犬塚」
東和男子「犬塚なら出て行ったぞ」
蓮季「マジか」
開発(トイレ行ってこよ)
その帰り
開発(きっと蓮季は犬塚って奴の事があーなんだ女の子苦手なのにこのモヤっと)
ガン
音と共に揺れた
開発「何事!?」
車が突っ込んだ様なけたたましい音がした
犬塚「くそおお」
開発(噂をすればって…これは)
犬塚露壬雄が学校の柱を殴っていた
開発(拳で石柱に罅がどんな化け物だよ)
彼はブラックドギーのリーダーらしい
露壬雄「もう…どうすりゃいいのか…初等部の頃から啀み合ってばっかで高等部になった今でもペルシアとは進展なしだ」
開発(ペルシアって確かさっきのて事は蓮季のは)
なんかムカついた
露壬雄「こんな茶番うんざりだ!どうすりゃ振り向いてもらえる!?」
開発「告白すればいいじゃん」
露壬雄「あっ」
開発(しまった、ついムカついて)
露壬雄「お前」
犬塚はゆらりゆらりと近付いてくる
開発(不味い、くるならこい、なんかムカつくし)
覚悟を決めた
ガシッ
開発(しまった、肩掴まれた、これじゃあ)
犬塚「そうだよな、やっぱお前もそう思うか」
開発「はっ?」
訳がわからなかった
犬塚「カッコいい告り方してえし」
開発「何言ってんの?」
犬塚「こんなのどうかな「俺の為に毎朝熊汁を作ってくれないか?」とか」
開発「何言ってんだお前?何の話?ていうか抑毎朝命懸け朝御飯とか」
犬塚「そしたら「男らしいわ!!抱いて」って」
話が勝手に進んでいく
開発「聞けよ!!お前が振ってきたんだろ、多分ペルシアそんな事言わないと思うよ、お前の脳内気持ち悪いな」
犬塚「だが失敗したら学園にいられなくなるし」
開発「だから聞けって!抑告白するのってそんなに不味い事なの」
犬塚「かなり」
開発「だったら辞めた方が」
犬塚「探りを入れるか」
開発「探り?」
犬塚は歩いて行ってしまった
開発「ちょっと犬塚其方ウエスト側のちょっと」
僕は犬塚を追いかけた
第1幕犬塚露壬雄とジュリエットペルシア その1 完