妄想うらら迷路帖 第6話 | 開発くんのブログ

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ピン芸人開発くん劇場が日払いで一人暮らしの日常も芸人活動を書き綴って行きます。

舞台は阿佐ヶ谷中心

いつもの朝

開発「うん」

もにゅ

開発「なんだ?」

何か手触りの良い感触がし目を開ける

千矢「すうすう」

開発「これは…」

儂の部屋に私の布団で寝ている銀髪の野生少女がいる状況を整理した

千矢「んん、あっ聡おはよう」

開発「どわー千矢儂の部屋で何をしておる」

千矢「ここ聡の部屋だったんだ、間違えちゃった」

開発「兎に角すぐに自分の部屋に戻れ色々バレる前に」

儂は立ち上がろうとすると

ぴん

千矢「いた」

ぐらっ

開発「どわー」

ばたん

突如何かに引っ張られ転倒した

開発「いたた、千矢怪我は」

千矢「大丈夫」

開発「良かっ」

佐久「良くない」

ぎく

開発「!!佐久殿」

佐久「これはどういう事か説明してもらおうか、聡殿」

小梅「聡が千矢を部屋に」

紺「婚約者が私じゃ」

ニナ「信じてたのに」

ノノ「千矢ちゃん聡さんと」

開発「誤解じゃー」

問答無用で殴られた

佐久「成程千矢が部屋を」

千矢「へへ」

開発「笑い事ではない、棗屋どころか街から追放される所じゃったぞ」

小梅「それで何でそうなってるのよ」

儂の服に紐の様に髪が絡まっていた

開発「千矢埒があかぬから少し切ろう」

千矢「やだ」

開発「ならば儂の服を切ろう、替えを用意すれば」

ニナ「御免聡君、実は昨日」

ぼろ

開発「なっなぜその様な」

千矢「あっそれ昨日の流れ星占いした時に聡の洗濯物に火が」

焦げて穴が空いてる服を見せた

開発「何をしておるのだ」

グリグリグリ

千矢「御免なさーい」

開発「昨日のを着る訳にもゆかぬな」

ニナ「服なら手配しておくわ」

開発「忝い、という事は服を切る訳には参らぬか」

ニナ「困ったわねえどうしましょうか?」

佐久「解けるのを待つしかないさ」

千矢「はい聡」

お漬物を箸でとって口元に

開発「そんな事しなくても食べれるわい」

千矢「聡に迷惑掛けたから」

ぱく

開発「これで良いのじゃろう」

ノノ「聡さん凄く照れてる」

ニナ「ああ私が憧れてたシチュエーションを」

佐久「ニナしっかりしろ、いかん早急に何とかしないとニナが哀れすぎる」

紺「抑千矢の髪はちょっと長過ぎるわよね」

ノノ「うーん」

開発「まあそれが原因だからな」

佐久「よし良い機会だし、私が切ってやる、千矢こっちにおいで」

佐久殿が鋏を出した

ざわっ

千矢「ぎゅるるるる」

佐久「どわー」

千矢が佐久殿に襲いかかった

開発「こら千矢よさぬか!!」

引き剥がした

開発「落ち着け」

千矢を撫でて落ち着かせた

開発「佐久殿無事でござるか」

佐久「私は大丈夫だ」

千矢「兎に角髪切るのだけは絶対やだ」

紺「でも千矢どうして?首巻きにしてくれた、し、髪を触られるのは平気なのに切るのが嫌な理由でもあるの?」

ふしゅるる

開発「威嚇をするでない」

ニナ「扱いが難しいわね、今日の千矢ちゃんは」

開発「まあ髪は女子の命とも言いますからな」

ニナ「ふふそれだと100点はあげられないわね」

開発「ほう、と申しますと?」

ニナ「髪の毛は体から切り離しても生き続けるって言われてるの、よく武将が自分の髪の毛を託したりするでしょ」

開発「確かに」

ニナ「神秘的な物で魂や生命力の象徴とされるの、その名の通り神様に通じる神聖な糸とも言われているの、古くから占いや呪術とは切り離せないうららにとって大事な物なの」

千&紺&小&ノ「へえ」

開発「流石はニナ殿感服致しました」

ノノ「まつこさんの髪が伸びるのもそういう事だったんだね」

開発「いやそれは別件じゃと」

ノノ「佐久ちゃんも昔は髪が長かったよね」

佐久「昔はね」

小梅「ちょっと意外」

紺「長い髪も似合いそうなのにどうして切ってしまったんですか?」

佐久「警ら隊に入隊した時に切ったんだ、命を掛けて迷路町を守るって決めたからな、私の髪は決意の証だ」

ニナ「でも守る筈が守られてる事もよくあるわよね、佐久隊長?」

佐久「言うな」

開発「何はともあれこの状況をどうにかせねばな」

千矢「大丈夫だよ、聡とずっとくっついてるもん!」

開発「いやいやそれはいかんだろ」

千矢「お願い聡ー」

くーん

開発「ああわかったわかった、今日だけじゃぞ」

千矢「有難う聡」

ニナ「いいのかしら」

佐久「聡さんなら大丈夫だろう」

歯磨き中

千矢「聡やって」

開発「口を開けろ」

授業中

開発「千矢ここ誤字が」

厠中

千矢「持ってあげる」

開発「よせ馬鹿者」

ばん

開発「何とかせねばならぬ、儂の精神が保たぬ」

千矢「怒られた」

夕飯の買い出し

おばさん「おやお兄さん可愛い彼女が出来たんだねえ」

開発「いやこれには」

指をさした

おばさん「なあんだ、髪が、てっきり赤い糸で結ばれた恋人って奴かと」

開発「勘弁して下され、街から追放されてしまいます」

おばさん「そんな事ないわよ、だけどお兄さんはうららじゃないから知らないだろうけど髪の毛ってのは縁ある相手を手繰り寄せる力を持ってるんだよ、髪結び縁結びってね、昔の遊女は好きな殿方の釦に髪を引っ掛けてこう言ったのさ、まだ帰らないで下さいましお大尽、貴方は私の運命の人なのよ」

開発「良き話ですなあ」

きっちり

開発「何をしている!!」

千矢「こんな感じだったのかな?」

千矢は何を血迷ったのか儂の服に〆縄の様に絡めていた

開発「大馬鹿者」

ごすん

千矢「痛いー」

開発「全くろくな事をせぬな、悪化したではないか」

千矢「だってえ、痛い」

開発「おっとすまぬ、早く歩いてしまったか?」

千矢「聡ってホント優しいよね」

開発「女子を気遣うは男として当然じゃ」

店員「桜大福出来たてでーす」

千矢「聡ー」

開発「はあ少し休憩しよう」

千矢「わーい早く早く」

開発「引っ張るな」

住人「犬に引っ張られてる飼主」

ぱくぱく

開発「美味そうに食べるのう」

ずずっ

お茶を飲む

千矢「しあわへ」

開発「口につけているぞ」

口を拭ってやる

千矢「むむ」

開発「所で千矢よ」

千矢「何?」

開発「教えてくれぬか?何故そこまで髪を切る事を拒む?」

千矢「…っ」

開発「すまぬ、儂は配慮が足らぬらしい」

儂は箸を一本とった

千矢「聡服切っちゃった」

髪は解けた

開発「良いのだ、儂は男だからの、上半身を見られた所で困りはせぬ」

新しく買った服を羽織る

開発「これで問題は解決じゃ、しかし儂がこうしてお前達に会えたのも縁というものだ、ならば友となる」

千矢「友達?」

開発「ああ、店主お勘定を」

支払い店を出た

千矢「じゃあノノと紺と小梅も」

開発「儂はそのように思ってる、ならば友の事を知りたいと思うのは道理というものだと思うがの」

千矢「嬉しい、聡」

がばっ

開発「こらよさぬか!?また絡むぞ」

帰宅

ニナ「お帰り二人共あらっ髪解けたの!?よかったわね」

開発「一時はどうなる事かと」

ニナ「丁度良い所ね、準備が出来た所なの、はい千矢ちゃん湯着に着替えて」

千矢「準備って何の?」

ニナ「千矢ちゃんの髪をお手入れするのよ、髪が絡まるのはきっと傷んでるからだもの、高級椿油を使えば切らなくても住むわよ」

開発「成程それで四人ともツヤツヤしているのでござるな」

ニナ「こっこれはその効果があるか試してみただけよ」

開発「私は自室で休んでおりますので」

自室に戻る

開発「はあー疲れた」

くっ

開発「ふう効く」

少し眠ると

こんこん

開発「入ってくれ」

ニナ「ふふん」

開発「ニナ殿」

小梅「聡見て驚くんじゃないわよ」

ノノ「でも驚いちゃうよ」

紺「お休み中御免なさい」

開発「引き伸ばさなくてよいから端的に」

紺&小&ノ&ニ「じゃーん」

きらきら

開発「!!お主千矢か!?」

千矢「うん」

小梅「やったー聡驚いた」

ニナ「それはそうよ、私だって驚いたもの」

ノノ「宝石みたいだもんね」

紺「聡さんご感想は?」

開発「凄く綺麗だ!!絹の様だ、姫君かと思ったぞ」

千矢「有難う」

小梅「ふん」

開発「どうしたのだ?」

小梅「別に」

開発「兎に角これで絡んだりはしないな」

ノノ「道具片付けてくるね」

きら

開発「待て千」

千矢「ぎゃるる」

ノノ「みゃー」

開発「草食動物が肉食動物に襲われてるみたいだ」


開発「今日は色々あった寝よ」

ふぁさ

千矢「すうすう」

開発「ここで寝るなー!!」

根本的に考えなきゃいけない事はここだった

第6話 完