妄想ブラックブレッド 第4話『蓮太郎と延珠』 | 開発くんのブログ

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ピン芸人開発くん劇場が日払いで一人暮らしの日常も芸人活動を書き綴って行きます。

舞台は阿佐ヶ谷中心

蓮太郎さんと共に延珠ちゃんが通う学校の敷地内へと急ぐ


女子生徒「何々どうしたの?」

女子生徒「3組の子いたでしょ、実はあの子…ガストレアウイルスの保菌者だったんだって」

開発「!!」

それを聞いて理解した

女子生徒「私あの子に触られた事あるかもーどうしよー」

最悪の事態が起こっていると

女子生徒「私前から嫌いだったよー、なんかちょっと生意気だし」

俺と蓮太郎さんは校舎へと急いだ

男子生徒「赤目って本当に俺達の周りにいるのかよ!」

女子生徒「瞳が赤く光るんでしょ気持ち悪い、学校に来ないでほしいよね」

俺と蓮太郎さんは言葉から逃げるように走る

男子生徒「何で民警って『彼奴等』なんて使ってんの?全部一緒に駆除しろよな」

開発(何でそんな酷い事言えるんだよ、延珠ちゃんは君達を)

男子生徒「一生外周区から出てくんなっての」

男子生徒「黙れよ化物」

延珠「妾は化物ではない」

男子生徒「じゃあ何だってんだよ!?いいか!?俺の父さんはガストレアに足を食われてからずっと酒浸りで母さんに暴力振るうようになったんだ!『お前ら』が『俺達』を殺しまくったせいで俺の家は!!」

延珠「違う、それは妾じゃない!!妾は人間だ」

男子生徒「気持ち悪いんだよ、人間のフリすんなよ」

延珠「妾は人間だ!」

男子生徒「煩え化物!」

延珠「妾は人間だっ!」

男子生徒「しつけえぞ」

延珠「妾は人間だ」

男子生徒「煩えんだよ!このっ」

男子生徒が鞄を振り上げた

ばん

延珠「えっ」

開発「ぐっ」

鞄は延珠ちゃんを庇った俺に当たった

延珠「聡」

開発「大丈夫?延珠ちゃん」

鞄の中身が散乱した

開発「拾わなきゃね」

延珠ちゃんから離れ落ちた物を拾った

延珠「だめ!?」

開発「!!これ」

ノートに人殺しと書かれていた

開発「これも」

他にも誹謗中傷が落書きされていた

開発「…」

俺は散らばる悪意に言葉を失った

開発(何だよ、延珠ちゃんは何も)

蓮太郎「延珠、学校を移ろう」

開発「何言ってるんですか!?延珠ちゃんは何もしてないし悪く」

蓮太郎「お前は見えねえのか!?この現状が」

開発「!!」

何も言い返せなかった

延珠「負けたくない、皆大好きな友達なのだ」

蓮太郎「もう友達じゃない」

蓮太郎さんは延珠ちゃんを

延珠「聡もうだめなのか、妾はやり直せないのか?なら教えてくれ蓮太郎、聡、妾は『何処』に行けばいいと言うのだ」

答えられず沈黙した

ぷるる

沈黙を遮る様に携帯が鳴った

蓮太郎「何だよ!?!感染者は蜘蛛型に書き換えられたんだよな?って事は感染源ガストレアも蜘蛛型の筈だ、蜘蛛が空を飛ぶなんて、えっ凄い奴」

開発「あの蓮太郎さん凄い奴ってこれの事ですか?」

蓮太郎「ああ」

ドクターヘリが学校の上空でホバリングしていた

開発「俺もなんか乗っちゃってるんですけど」

ドクターヘリら今山の近くを飛んでいる

蓮太郎「悪いなんか」

開発「それはいいんですけど」

操縦士「プロモーターさん、あれは何でしょうか?」

下を見ると紙飛行機みたいなものがあった

操縦士「こんな所に凧?」

開発「あれって」

蓮太郎「その通りだ、操縦士さん追ってくれ」

開発「蓮太郎さんなんで蜘蛛があんなパラグライダーみたいな事」

蓮太郎「進化の跳躍だ」

開発「聞いた事があります」

蓮太郎「高度を下げながら追跡してくれ」

衝撃が走った

開発「今のは」

操縦士「後ろのドアがこじ開けられました、やったのはお連れのイニシエーターです」

開発「今飛行中ですよ、まさか」

蓮太郎「待てー延珠」

延珠ちゃんはヘリから飛び降りた

蓮太郎「高度下げろ!早く」

蓮太郎さんは座席に紐を括り付けた

開発「ちょっと何してるんですか」

するとヘリのドアを蹴りあけた

蓮太郎「聡、生きてたらまた会おうぜ」

開発「えっ」

蓮太郎「南無三、うおおお」

飛び降りた

開発「えー」

蓮太郎さんは手を離してしまった

開発「蓮太郎さん!?」

操縦士「落ちたんですか!?あの人」

開発「操縦士さん何処か着陸出来る場所へお願いします」

操縦士「えっでも」

開発「いいから」

着陸をして

操縦士「どこへ」

開発「安否を確か」

何も持っていない事に気がつく

開発「しまったー」

病院に刀と弓矢を置いてきた事に気がつく

開発「この奥にガストレアいるし丸腰で森を通るのは」

着信がなった

木更「お困りのようね、開発君」

開発「木更さん!?何で俺の番号を」

木更「知りたい?」

開発「やめておきます、で?何ですか?」

木更「ヘリの奥の長細い箱を開けて見なさい」

俺は長細い箱を開けた

開発「これ俺の刀と弓矢」

木更「よかったわ、貴方が置いてった場所が病院で」

開発「俺が乗る事計算済みだったんですね」

木更「偶然よ」

開発「まあこれがあれば少しは」

木更「お願い聡君、あの二人を」

開発「言われなくても行ってきます」

俺は向かおうとすると

開発「操縦士さんこれは?」

操縦士「それは照明銃だよ、照明弾を装填して上に撃つんだ」

開発「貰っても良いですか?」

操縦士「いいよ」

開発「有難うございます」

俺は蓮太郎さん達の元へ急いだ

開発「地面は泥濘むし山道だし雨で視界限定されるしなんで俺ここまで首突っ込んじゃったんだろ」

過去を思い出した

開発「俺がここまで平和に暮らせてる意味を知ったからだ」

べきん

何かをへし折る音がした

蜘蛛型ガストレア「ギイイイ」

開発「凄い」

蜘蛛型ガストレアを圧倒する小さな女の子の姿があった

延珠「ああああ」

心の底から声を張り上げ、蜘蛛型ガストレアを蹴り上げた。

蜘蛛型ガストレアの血肉が雨と共に降り注いだ

開発「うっ」

何度も踏みつけた

開発「延珠ちゃん」

俺はその光景を見守る事しか出来なかった

蓮太郎「延珠!!」

蓮太郎さんが止めた

蓮太郎「もういい、もういいんだ、延珠…」

延珠「やったぞ、蓮太郎…妾は東京エリアの皆をを学校の皆を守ったぞ」

延珠ちゃんは泣きじゃくりながら言い放つと蓮太郎さんは延珠ちゃんを抱きしめた

開発(延珠ちゃんのお陰で「俺達」は救われた)

助かった嬉しさよりもあんな小さい女の子に守られている無力な自分に嫌気がさした

延珠「わがらないのだ、幾ら考えてもわがらないのだ…妾の行き着く先はアレなのか…?友達も作らず…一人でいるしかないのか…?ぞじで…ぞれでもッ妾は戦わなければならないのか…!?」

蓮太郎「俺がいる、確かに今は戦うしかないかも知れねえ、どこに向かえばいいか不安に思う気持ちもわかる、でも!お前を大切に思う気持ちは誰にも負けねえっ、世界がお前を受け入れられるまでま俺はお前を導いて行きたいと思っている、お前はどうしたい?」

蓮太郎さんは一旦引き離してを手を差し伸べた

延珠「一緒に行きたい」

蓮太郎「ならもう大丈夫だな」

延珠「…蓮太郎有難う、聡も有難う」

開発「俺何もしてないし」

延珠「でも有難う」

開発「で後はどうするんですか?」

蓮太郎「ケースを持って帰らなきゃいけない」

開発「ケース?」

延珠「それだ」

延珠ちゃんが指を指す方向を見ると

開発「なんか埋め込まれてる」

蜘蛛型ガストレアにケースの様な物が埋め込まれていた

開発「グロテスク」

蓮太郎「まあな」

開発「何が入ってるんですか?」

箱に手を伸ばそうとする

蓮太郎「開けるな」

俺は手を止めた

蓮太郎「悪い、開けるのはルール違反らしくてなんでも『七星の遺産』ってのが入っててそれを回収すると百億の報酬が」

開発「!!」

危険を察知して下がる

開発「なんですか!?その馬鹿げた数字はその額から考えて国家機密級ですよ、一般人の俺が見るのも」

蓮太郎「凄え嫌な予感はするな、さっさと回収して撤収」

開発「!!」

殺気を感じ咄嗟に後ろに下がった

蓮太郎「がはっ」

蓮太郎さんは突如木に投げられた

延珠「蓮太郎」

開発「!!」

小比奈「延珠、聡見つけた」

開発「ぐぎぎ」

必死に鞘に収まったまま受け止めた

延珠「聡」

延珠ちゃんの前に躍り出た

開発「間に合った」

刀の根元部分に合わせて受け止めた

影胤「久しぶりだね里見君、開発君」

開&蓮「蛭子影胤!!」

延珠ちゃんを傷付けた張本人が現れた

小比奈「余所見するな」

開発「仲良く行こうよ、小比奈ちゃん♪」

小比奈「ちゃん付けするな」

開発(まずいまずいまずい)

必死に踏ん張った

小比奈「ぐふ」

腹に前蹴りを放った

開発「子供に暴力振るえないし」

蓮太郎「結構えげつないぞ」

開発「今のは躾です」

延珠「お前の相手は私だ」

延珠ちゃんが小比奈ちゃんと戦闘を開始した

開発「じゃあ俺は」

矢を放った

影胤「弓矢とは古風な武器を使うんだね」

開発「矢が消し飛んだ」

影胤「開発君は見るのが初めてだね、斥力フィールド私は『イマジナリーギミック』と呼んでいる、ただこれを発生させる為に内臓の殆どをバラニウムの機械に詰め替えているがね」

開発「狡い、だったら直接」

抜刀した

蓮太郎「天童式戦闘術一の型八番!!『焔火扇』」

開発「どうだ」

斬撃をバリアが弾いた

蓮太郎「ぐああ」

開発「蓮太郎さん!!この」

何度も斬り掛るも攻撃は届かない

影胤「いい太刀筋だが無駄だよ」

開発「くそくそ」

何度も斬りつける

影胤「何度やっても同じだ」

開発「お前が延珠ちゃんを泣かした、だから今度は俺が泣かす」

影胤「私怨かくだらん」

開発「私怨上等!!お前を泣かせられればそれでいい」

影胤「では1つ」

開発(空気が変わった)

俺は急いで後退した

影胤「私の技を見せてあげよう」

開発「蓮太郎さん何か来る」

嫌な予感がして俺は必死に背後に跳びながら警告する…が

影胤「『マキシマムペイン』」

巨大なエネルギーに吹き飛ばされた

開発「がはっ」

大木にぶつかった

開発「肩外れた」

弓矢が砕け散った

蓮太郎「ぐぎぎ」

影胤「頑張るね、開発君も脱臼だけとは」

刀も折れて持ち手の所だけになった

影胤「さて次はどうするかね」

蓮太郎「聡!!延珠を連れて逃げろ」

延珠「いや」

俺は延珠ちゃんの服のフードを犬の様に口で咥えて走った

延珠「聡離せ」

小比奈「逃がさない」

開発「!!」

引鉄を引いた

小比奈「くっ」

影胤「信号弾か」

俺は無我夢中で森をかける、信号銃を投げつけて延珠ちゃんを片手で抱き抱えた

開発「御免、延珠ちゃん」

俺は延珠ちゃんを逃がす事しか出来なかった

第4話 『蓮太郎と延珠』 完