妄想うらら迷路帖 第1話 | 開発くんのブログ

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ピン芸人開発くん劇場が日払いで一人暮らしの日常も芸人活動を書き綴って行きます。

舞台は阿佐ヶ谷中心

ここは迷路町、占師の町、迷い人達の桃占郷

開発「変わっておらぬな(10年ぶりであるか。十番地に来るのも)」

きゃっきゃっと15を迎えたと思われる女子が行き交う

開発(今年もきたか)

運命の行方、人生の岐路、日常の迷路で人は時に道を失う、そんな人々の案内人は選択の矢を与える、時に薬、時に毒、道標となる不思議な力、それを、操る条件は十五を、過ぎた少女である事、時に女神、時に魔女、占い町の乙女達それを人は「うらら」と呼ぶ、うららを目指す少女達は夢を抱いてこの町の門を潜るのである

開発「逆に潜った者もおるがな」

自虐で皮肉った

開発(さて取敢えず酒でも煽るか。金ならばある、後の事を考えるのはその後…ん?)

ざわざとしている一角があった

開発「何の騒ぎじゃ?」

その人集りに行く

女性「動物を使って屋台泥棒したそうよ」

開発「ほうそれは興味深い」

佐久「私は迷路町警ら隊十番地隊長佐久」

開発「ほう若い」

佐久隊長とやらは屋台泥棒を追い詰めていた

開発「さて面妖な屋台泥棒の顔は!?」

屋台泥棒は何と15歳であろう銀髪ロングの少女であった

開発「なぜ重なる」

佐久「言った傍から何の真似だ」

千矢「謝ってるのに何で怒るの!?」

しゅば

少女は跳躍し店の屋根に上がり逃走した

佐久「何!?」

開発「いいバネをしている」

佐久「何だお前は」

開発「私はただの一般市民。捕物の助力しても構わぬかな?」

佐久「追いつけるのか」

開発「お任せあれ」

佐久「では」

シュバ

先程の女子同様跳躍して屋根に登る

佐久「なっ」

女将「凄い」

少女の姿はない

開発「先程の女子やるな。私の視界から消えるか、下か?」

少女の姿はなく屋根伝いに下を捜索する

開発「おっ」

ダン

着地をした

千&紺&小「きゃっ」

開発「屋台泥棒娘!いいバネであった、私が居合わせたのが運の尽き、神妙に」

紺「あっあっ」

小梅「うう」

千矢「えっ」

先程の野生娘は和服の少女と西洋風の少女を脱がそうとしていた

開発「いやっこれは」

佐久「貴様どさくさに紛れて破廉恥な」

開発「冤罪じゃあ」

数分後

佐久「申し訳ない」

開発「うう」

紺「お嫁にいけない」

佐久「しかし4人とも見ない顔だな、新参者か」

開発「私は正真正銘の住人だわ」

身分証を渡した

佐久「確かにしかし」

開発「何か問題がおありかな?」

佐久「問題ありません、聡さん(何者なんだ)」

開発「でお主らは?」

小梅「私達、今日うららの見習いになりに来たの!」

佐久「お前達三人を迷路町から追放する」

紺&小「えーっ」

開発「佐久殿それは些か」

ニナ「佐久!いつも仕事お疲れ様、貴方は?」

開発「開発聡でございます」

ニナ「聡君、ね。私はニナ、その子は今日から棗屋の主人の私が預かる事になってるの」

開発「成程」

ニナ「私の生徒達が迷惑を掛けてしまったみたいですね」

開発「いい暇潰しになりました」

佐久「ニナ、残念だが此奴らは」

ニナ「佐久、この子達を追放なんて、されたら困るわ、私の初めての生徒達なのよ、それにもしもそんな事になったら四台続いた棗屋の名に傷がついてしまうもの、唯でさえ巽屋さんに差を付けられて」

佐久「近い近いってニナ!」

ぶるっと震えた

開発(今恐ろしい名前が過った気が)

ニナ「大丈夫よ、この子達きっと悪い子じゃないわ、生真面目も程々になさいな」

佐久「仕事に真面目で何が悪い」

ニナ「そう言わずに、今回ばかりは、目を瞑って今後何かあったら主人の私が責任持つから」

佐久「尚更駄目だ、ニナにそんな事させられる…ん?」

ニナ「腹を切るわ…棗屋が私の代で途絶えたりしたら先代に申し訳ないもの佐久、介錯は、お願いね」

佐久「わかったから」

開発「佐久殿、私からもお願い致します」

佐久「聡さん」

開発「ニナ殿の言う通りこの小娘達からは邪気が感じない。動物達が盗ってしまった物は私が立て替えます、どうか寛大なご配慮を」

私は深々と頭を下げた

佐久「わかった。んじゃ今回はニナと聡さんに免じて許そう」

数分後

開発「良いのですか?私を棗屋においてもらうなど」

ニナ「勿論よ、部屋は余ってるし、何より聡君は私の生徒達がの恩人だもの、お金も立て替えてくれたし」

開発「大した額ではありません、この町の女将達も情のある方々で助かりました、しかし私は男、迷路町に住んではいけない筈」

ニナ「佐久も驚いていたわ、申請して見たら二つ返事の特例でOKが出たって」

開発(有り難き幸せ)

ニナ「行く宛があるの?」

開発「有難いお申し出に甘えさせて頂きます」

ニナ「宜しくね。聡君」

開発「此方こそ」

 紺「許可が出たって言うけど何者なのかしら」

小梅「路頭に迷ってるのにお金持ちって」

開発「藪を突くと蛇が出る、不用意に詮索する事はせぬ事じゃ」

小梅「ひいい」

紺「なんか怖い」

開発(愛い反応じゃな)

千矢「で何者なの?聡は?」

開発「聞いていなかったのか?私の事は良い。そろそろお主達の素性を教えてくれぬか?」

ニナ「そうね。まず…巽屋の一人娘の紺ちゃんね」

びくっ

紺「何かありました?」

開発「いや、すまぬ、有名な2番占の名が出たので驚いてしまったのだ、進行を止めてすまない(あの女の一人娘とはそう言えば居たな)」

紺「そうだったんですね、改めて紺です。聡さんも宜しくお願いします」

ニナ「それから次に、雪見財閥の御令嬢の小梅ちゃん」

開発「巽屋の次は雪見財閥のお嬢か」

小梅「その名前古臭くって嫌なの、ミスプラムって呼んでくださる?」

開発「ではぷーと呼ぶのはどうだ?」

小梅「何それ!?」

ニナ「いいわね。ぷーちゃん」

千矢「ぷー!」

小梅「もっと嫌!!」

小梅で落ち着いた

ニナ「最後に貴方が…御殿山から来た千矢ちゃん?」

千矢「はいっ」

紺「御殿山ってあの人里離れた秘境の地?あんな所からどうやって」

千矢「走って来た」

小梅「どんな野生児なの!?」

開発「それであの跳躍力を生んだのか」

千矢「聡も凄かった。聡も?」

開発「私は企業秘密だ」

千矢「えーっ」

開発「私の事を探ろう等百万年早い」

扇子を広げ口元を隠し含み笑いをした

小梅「気になる」

紺「そんな山奥からうららの事も何も知らずに?貴方一体何しに来たの?」

千矢「お母さんに会いに」

全員が静まり返った

千矢「私のお母さんこの町のどこかにいるんだって、だから会ってみたくて、小さい頃からずっとずっとこの町に来る日を楽しみにしてた、どんな町なんだろう、どんな人達がいるんだろう、どんな未来が待つ待てるんだろうって」

ニナ「未来を決めるのは貴方達次第よ、どんな時も四人で力を合わせて一緒に頑張って頂戴ね」

小梅「四人?」

千矢「聡の事?」

開発「ニナ殿の後ろに隠れておるお嬢さんの事であろう、顔を見せてはくれぬのか?」

ノノ「初めまして…ノノです」

ひょこ

小梅「いつからいたの!?」

紺「それに気づいてた聡さんも凄い」

開発「気づいたのは今し方、大したものだ、ノノ殿」

ノノ「どうも」

ニナ「ちょっと人見知りなの。それじゃあ聡君は、二階の奥の部屋を使ってね」

開発「かたじけない」

私は部屋へと向かった

開発「やっと一息つける(あのお方は裏切った私さえも気遣ってくれた、他にも縁があった)」

瓢箪から盃に注ごうとするも

どかーん

びくっ

小梅「ちょっと千矢!」

紺「小梅もよ」

千矢「聡、隣だったんだね」

四人の小娘が壁を破壊した

ニナ「棗屋に傷が」

旅が騒々しく開幕した

第1話 完