妄想幸腹グラフィティ 7月 流しそうめん | 開発くんのブログ

開発くんのブログ

ピン芸人開発くん劇場が日払いで一人暮らしの日常も芸人活動を書き綴って行きます。

舞台は阿佐ヶ谷中心

七月。暑い日差し!青く煌めく海!スカッと抜けるような青空!

を画面に書きおさめる俺達受験生絶賛夏期講習中です

休み時間

きりん「折角の夏休みなのに!こんなのってないよ」

開発「仕方ないだろ。俺達は受験生なんだぞ」

椎名「おっ聡が正論とは珍しい」

開発「俺はいつも正論を言ってるつもりなんだが。話が脱線した」

リョウ「今頑張らないと来年の夏も楽しめない事になりますよ。それに去年よりもお小遣いが浮くじゃないですか!」

きりん「え?なんで?」

リョウ「日焼け止め代…」

きりん「私塗らない派だし!嬉しくないもんっ!」

開発「色気より食い気のこいつには効果はないようだな。」

椎名「二人は夏期講習が始まってからはずっと一緒なんだよね?いいじゃん十分楽しいんじゃないの?」

きりん「でも課題三昧でまだバーベキューもかき氷パーティーもしてないし!全然夏の思い出作れてないよ」

椎名「ねえ。森野さんが来てからの食費ってどうなってんの?」

開発「あの大飯食らいだと大変だろう」

リョウ「それなら大丈夫です!毎週きりんの家から段ボール箱で大量に材料が来るので…」

開発「そういえばよくお前の家に業者の人が行き来してるよな。」

リョウ「段ボールと一緒にきりんのお母さんから御手紙が届くんですよ。しかも毎回私の分まで書いて下さるんです」

椎名「嬉しそうだね」

リョウ「はい。手紙ってあんまり貰った事なくて」

きりん「え。もしかして海外にいるお母さん達からも?」

リョウ「はい。でもお仕事で忙しそうですから…。聡君はもらったりします?御手紙」

開発「俺もおんなじ様なもんだよ。」

椎名「ん?森野さんお母さんに「きぃちゃん」って呼ばれてるんだ」

きりん「勝手に関係ないとこ読まないで!!」

開発「傷口を抉ってやるなよ。」

きりん「夏特有の風物詩が良いの!こないだの七夕祭りだって行きそびれたんだよ」

開発「子供かお前は!?でもそうは言うものの夏に入ってからはイベントっぽい事はしてないな。受験生の宿命と言ってしまえば其までだけどな」

椎名「じゃあ家に来てみる?明日休みだし」

リョウ「いいんですか!?」

椎名「うちに来れば一通り夏っぽいイベントが出きると思うし…」

きりん「え?」

リョウ「夏っぽいイベントが一通り…!?」

リョウときりんの頭の上に期待の情景が浮かんで見えた気がした

椎名「過剰過剰期待」

開発「まあ良かったじゃないか。楽しんでこいよ」

リョウ「えっ聡君は来ないんですか?」

きりん「えーーなんでよー」

開発「いやーなんというか」

椎名「聡にも来てほしいんだけどね」

開発「それはどういう」

椎名「聡がいるとイジリしろが増えるし」

開発「お前は俺を玩具と認識しているんだな」

というわけで翌日椎名の家に来た

リョウ「わーすごい!立派な旧家ですね…!」

椎名「お母さんの実家をそのまま継いでるみたいなんだ」

開発「なるほど」

椎名「ん?聡はあまり驚いてないみたいだけど」

開発「いや。驚きすぎて声が出ないんだよ。」

きりん「確かに。」モグモグ

きりんがどこから出したのかトマトを丸かじりしていた

開発「ってきりん!!そのトマトどうしたんだ?」

リョウ「お外の物を勝手に取っちゃだめですよ!」

きりん「失礼な!これはさっきそこの畑にいる人に貰ったの!」

開発「畑まであるんだな。」

椎名「別に普通だと思うけど」

開発「東京の家の敷地内に畑があるやつなんて殆どいないぞ」

椎名「あっそうそう森野さん畑に入る時は気を付けて野生の動物用の罠があるから」

開発「東京都内にあるものじゃないな」

家の中に招かれた

きりん「この家人がいっぱいだねっ」

リョウ「お手伝いさんもいるらしいですよ。」

開発「お手伝いさんなんて漫画でしか見たことないぞ」

きりん「椎名のお母さんってどんな人なのかな?」

リョウ「やっぱり似てるんじゃないですかね」

開発「椎名のお母さんで連想されるのはしっとりシリアス系で性格もクールなんじゃないか」

リョウ「なんか想像出来ますね」

しばらくして

椎名「こちら母です」

椎名に似付かないボブカットの似合う明るい可愛らしい女性が現れた

開発「予想大外れ!?」

椎名母「うちの子がいつもお世話になってます」

リョウ「初めまして」

開発「こちらこそ椎名さんにはお世話になってます」

椎名母「ふーん。あなたがリョウちゃんにきりんちゃんそして聡ちゃんね」

開発「いや。俺はちゃん付けしないでもらえます」

椎名母「噂通りのツッコミの速さ」

開発「そんな通り方してるの?俺!?」

椎名母「ふふ。あの子がお友達だけじゃなく男の子まで連れてくるなんて。ちなみに聡君は彼女とかはいるの」

開発「はいい!?」

椎名母「もしフリーならウチの娘なんて」

椎名「お母さん恥ずかしいからやめて」

椎名母「もう照れちゃって聡君私はいつでも歓迎よ。折角来たんだからゆっくりしていきなさいね」

開発「あっそうだったこれ駅前で買ってきたんでした」

椎名母「わああ。サブレそんなに気を使わなくて良いのに。ありがとうねさっちゃん。」

開発「さっちゃん!?」

椎名母「顔は中性的だからこっちの方が可愛いと思って」

開発「呼びやすいのでしたらそちらでも構いませんが(調子が狂う)」

椎名母「そうだ。御返しに確かねーこの間もらったお茶菓子がねぇ」

リョウ「そんな御構い無く」

椎名母「あっ御中元もあるのよね。お隣さんから貰った干芋に~」

ドサドサドサドサ

開発「あの。ちょっと」

椎名母「お煎餅もあるわ」

テーブルの上にバリエーション多くお茶菓子がずらりと並べられた

開発「店が開ける」

椎名「母さんお昼前だから」

椎名母「あらやだっ!じゃあ持ち帰ったら良いんじゃない!」

リョウ「え。そんな」

きりん「頂いていきます」

話は本題へ

椎名母「夏っぽい思い出ねえ。じゃあ庭で流しそうめんなんかしてみたら?裏に竹林があるから好きな竹取ってもらいなさいよ。あ露子ー」

露子「はい」

すると椎名に良く似た女性が何処からともなく現れた

開発「その人は椎名のお姉さん?」

椎名「違うよ。お手伝いの露子さん」

露子「露子です」

開発「逆だろどう考えても」

とツッコミをいれたあと竹林に向かった

椎名「露子さんこれお願い」

露子「わかりました。お嬢様」

表情を変えずに作業を始めて竹を切り落とした

開発「竹割るの手伝います」

露子「割り方知ってるのですか?」

開発「ええ。」

割り始めていると

リョウ「聡君は本当に器用ですね。」

開発「いやリョウ程じゃないとおもうが」

きりん「聡私もやりたい」

開発「良いけど大丈夫か?」

露子「私がフォローしましょう」

俺はきりん達とバトンタッチした

き&リ「かたいかたいー!」

切り分けた竹を運ぶ

き&リ「重い重いー!」

数分後

き&リ「暑い…」

開発「アホだろお前ら」

椎名「二人共もっと計画的に動こうよ」

椎名母「元気で可愛い子達ねぇ」

椎名「よし。じゃあこの竹を組み立てて」

椎名母「ちょっとあんた!待ちなさい。こんなに手が赤くなってる!」

先程まで穏やかだった椎名母が声を荒げた

椎名「いやこれくらい普通…」

椎名母「露子!軟膏を!」

露子「はい」

椎名母「ここなんか刺さってるじゃない!」

椎名「あの」

椎名母「露子棘抜きを持ってきて」

露子「はい」

椎名「ちょっと」

椎名母「女の子だから肌は大切にするのよ!」

椎名「だか」

椎名「だからじゃない」

リョウ「あの椎名さんが押されてますね」

開発「珍しい光景だな。さてと椎名少し休んでろ。」

椎名「私も」

開発「良いんだよ。こういうのは男の仕事だ。腫れがひくまで休め。椎名のお母さんの言う通り女の子なんだから肌は大切にしろ」

と言い捨て竹を組み立て始めた

椎名母「さっちゃん良い子じゃない」

リョウ「はい。とても優しいんですよ」

きりん「うん。とっても頼りになるしね」

椎名母「あらあら。あんたボヤボヤしてると取られちゃうわよリョウちゃん達にさっちゃん取られちゃうわよ」

椎名「別に」

開発「おーい出来た…ぞ。ん?どうした?椎名」

椎名「なんでもない」

開発「あっああなんか…ごめんなさい。」

椎名の表情はいつも通り無表情だったが感情は怒っていると捉えた

開発「リョウ俺なんか怒らせたか」

リョウ「聡君が鈍感なせいですよ」

きりん「この女ったらし」

開発「なっ!?」

椎名母「ふふさっちゃんも大変ねえ」

開発「訳がわからん」

というわけで流しそうめんを開始

椎名「麺流すよー」

開発「ちょっと待て」

俺は椎名が持ってるそうめんの入ったボールを引ったくった

椎名「聡。まさかボールごと食べるつもり豪快だなあ」

開発「ちげえよ。今日はお前が主役なんだから流す側にいたらダメだろ」

椎名を強引に取る側に向かわせた

開発「さて流…す」

リョウ「いづでもオーケイべふ!」

リョウは麺が流れるところに顔をつけていた

開発「リョウ血迷ったか!?」

リョウ「あれ?でもきりんにはこうやるんだって聞きましたけど」

椎名「森野さん…また変なことを吹き込んで…」

きりん「私は麺一本たりとも逃しはしない!!」

きりんが麺が最終的に行き着く出口で大口を開けて構えていた

椎名「うわあ。こっちも本気だ」

開発「頼むからお前ら普通にやってくれ」

リョウときりんに色々説明して

開発「今度こそ流すぞー」

リ・き・椎「はーい」

そうめんを流し始めた

リョウ「水が流れて綺麗…風流です。水で涼やか目で見ても爽やかですね!あれ…?肝心の麺が流れてきませんね。ハッきりんという大きな壁があることを忘れていました…!」

きりん「やり方が違えど一本足りとも逃しはしない」

開発「きりん今度マナーについて講義させろ」

リョウ「やったぁ取れました。どろどろ濃厚卵と麺つゆコーティングのコシコシの麺が堪らない!」

きりん「冷え冷えっ~。さっぱりネギが利いてて爽やか!!」

椎名「この暑くて鬱陶しい季節に喉を通る風みたいな感覚だね」

開発「あの。娘さんはいつもこういう食べ方を?」

椎名母「うん。でもうちの子以外にもいて安心したわ」

開発「こいつらだけだと思いますよ。さて俺も食べるかな」

麺をつゆにつけて口に運ぶ

開発「うん。うまいな。」

リョウ「良かった。それ私が作ったんですよ」

開発「相変わらずの腕前だよな」

椎名母「リョウちゃん達今日はありがとうね」

リョウ「そんなこちらこそこんなに素敵な事をやらせて頂いて…!」

開発「リョウの言う通りですよ。俺も呼んで頂いて大変感謝しています」

椎名母「ううん。実はねあなた達を連れてきなさいって言ったのは私なのよ」

開発「それはどういう」

椎名母「うちの子あんなんでしょ。だからいつも友達がいるのかって心配だったの。でも最近少しずつ家の外での事を話すようになったのよ。聞いてみるとあなた達の話ばっかりなの。あんな子だけどこれからも仲良くしてあげてね」

リョウ「はい」

椎名母「さっちゃんも仲良くしてあげてね」

開発「ええもちろん」

椎名母「主に男女の仲として」

開発「話すり替えないで貰えます!?」

しばらくやり取りが続き

リョウは少しボーッとしていた

開発「どうしたんだ?」

リョウ「ねえ。聡君。きりんや椎名さんのお母さんと接しているとやっぱりお母さんっていいなぁって海外のお母さんが恋しくなりませんか?」

開発「ならないと言えば嘘になるな」

きりん「そう言う時には素直に電話なり手紙なり送ったら良いんだよ!写真とかも入れてさー」

開発「しかしだな」

リョウ「御仕事のじゃまとかならないですかね」

きりん「大丈夫。リョウのお母さんも最近のお母さんもきっと喜ぶ」

リョウ「一緒に写真映ってくれますか?」

きりん「もちろんだとも」

リョウ「聡君も…」

開発「別に良いよ」

その後短冊やら花火やら一通り夏っぽいイベントをこなした

俺はそれを絵にしたためた

翌日

きりん「見て見てリョウ。聡。真っ黒だよー」

リョウ「私もヒリヒリです。昨日日焼け止め塗るの忘れちゃって」

開発「俺も要らないだろうと思って侮っていた。」

リョウ「あれっ椎名さんは焼けてないですね」

椎名「私は町子さん達が来る前に塗っておいたから」

きりん「よーし昨日じゅうふん楽しんだから今日からまた頑張るぞ。良く考えたらこの教室も涼しくて良いかんきょうだよね」

開発「それは空調のせいじゃないけどな」

他の受験生の冷やかな目線により大分涼しくなりましたとさ

7月流しそうめん完