妄想がっこうぐらし 第8話よりみち | 開発くんのブログ

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ピン芸人開発くん劇場が日払いで一人暮らしの日常も芸人活動を書き綴って行きます。

舞台は阿佐ヶ谷中心

ゆき「ごーごーもっと飛ばしちゃえ!」


悠里「ダメよ。聡安全運転でね」

開発「わかってるけどね」


進行方向に大破した車に電柱が倒れこんで道を塞いでいた

開発「(わかっていはいたが此処迄酷いとは)くるみ後ろを見てUターンする」


くるみ「了解」

ゆき「また通行止め?今日通行止め多いよね」

悠里「そうね」

くるみ「おーらーい」

ゆき「ドライブ楽しいねー」

開発「(この状況でなければな)だめだ。悠里代わってくれる?幾ら運転が出来てもこの辺の地理には詳しくないだ」


悠里「わかったわ」

ゆき「私もやりたいなー」

開発「それだけは勘弁して」


悠里「次は何方?」

くるみ「あえーと(迷った…)」

ゆき「えーとかここじゃない?」

意外にもゆきが言い当てた

開発「確かにゆきナビゲーター代わって」


ゆき「うん!」


ゆきが前の座席に移動し、順調に進む

くるみ「ストップ!」

悠里突然のくるみの声に急ブレーキを踏んだ

悠里「どうしたの?」

くるみ「いや何でもない」

悠里「そそう」

ゆき「あれ…ここもしかしてくるみちゃんの家?」

くるみ「あ。ああ…」

ゆき「顔出してきたら?随分帰ってないじゃない」

くるみ「でもほら今日帰るって言ってないし」

ゆき「いーじゃん別に」

くるみ「そうだなちょっと顔出してくる」

くるみは車の外に出る

俺も外に出る

開発「くるみ大丈夫?」


くるみ「ああ」

開発「あまり」

くるみ「大丈夫。期待してないから」


開発「一人で大丈夫?もし不安なら」


くるみ「聡は相変わらず優しいな。私なら大丈夫。一人で行きたいんだ」

開発「わかった」


そういうとくるみは中に入っていった

開発「悠里」

悠里「何」

開発「少し周りの家を見てくる?使える物資があるかもしれない」

悠里「わかったわ」

俺はプラスドライバーとマイナスドライバーを両手に持って近くの家の玄関前で様子を見る

開発「…」

近くにあった石を中に投げ入れる

?「ああ」

のそりと出てきた

開発「(一体)ふっ」

一呼吸して中に踏み込んだ

?「あっ」

正面から頭に突き刺した

開発(こんな事習った事もない)

剣道以外は全て我流でこの環境になってから会得したものだ

開発(さて調べるか)

残ったマイナスドライバーを構えて慎重に進んだ

開発(良かった台所に缶詰が残ってる水も何本か)

リュックに詰めた

開発(包丁とアイスピック、キッチン鋏、贅沢は言えないけどせめて木刀が欲しいな)

お手製のナイフケースに包丁とアイスピックをしまい二階に上がる

開発「!?これ」

刀が飾られていた

開発(確かに一番木刀の近いけど)

手に取り鞘から刀身を見る

開発(本物だ、昔見た事ある)

貰う事にした

開発(衣類も使えるな、この工具箱ももらっていこう)

手袋と安全靴を手に入れた

開発「?狩猟用の弓矢、流石に使った事が(いや覚えるべきだ)」

弓矢を手に入れた

開発「これも使えそう?戻ったら練習しよう」

スリングショットとベアリング玉の入ってるボトルを詰め込んだ

開発「お邪魔しました」

俺は家を出てゆき達が待つ車に戻るとくるみも戻っていた

ゆき「お帰りー。お帰りって変かな家からお帰りって」

開発「いいんじゃない。家みたいなものだし。只今」

ゆき「あれっなんかいっぱい持ってきた。それどうしたのその刀」

開発「えっと今度昇段審査が」

苦しい言い訳をしてしまった

開発(かなり無理あるだろ、あれ?昇段審査って何段から刀を)

ゆき「そうなんだ、頑張ってね」

ゆきは笑顔で俺を応援した

開発「ああ」

車は出発させて近くのガソリンスタンドで給油と一晩明かす事となった

開発「よっ」

くるみ「聡。交代か?」

開発「様子を見に来ただけ」

俺はくるみの隣に腰を下ろした

悠里「私もね」

そういうと悠里はくるみに水筒のコップに飲み物を注いで渡した

開発「もしかしてって思ってた。異常なのは学校の中だけで外は平和で」

悠里「そうね。私も思ってた」

くるみ「ヘリがさ。ばばばって飛んできて自衛隊?国連?なんかそういう人がさ。大丈夫かー?良く頑張ったなーみたいな?」

悠里「そういうの良いわよね、映画みたい」

くるみ「でもそんな甘くないよね。映画のヒーローとかいるわけないし」

くるみは諦めた表情でぼやいた。

悠里「まだわからないわよ」

くるみ「ん?」

悠里「ヒーローの人もね頑張ってるのよ。今は東京で救出作戦をやってるの」

開発「そうだね」

俺は無理矢理賛同した。

悠里「救出した人を集めて大きなバリケードを作ってそこから遠征隊を募って…」

くるみ「じゃあヒーローもうちょっと掛るなぁ」

悠里「そうね。ヒーローさん後ちょっと…」

くるみ「ヒーロー早く来ると良いなあ」

ゆき「あっまーい」

車の屋根の上からゆきが突然の叫んだ

ゆき「ヒーローなんて待ってるもんじゃないよ!ヒーローはなるもんだよ」

車の屋根に仁王立ちして明日の方向に指を指して力強く言い放った

開発「乗るな。後見えてるよ。パンツ」

俺はゆきにツッコミを入れた。

ゆき「いや。さっちゃんのエッチ」

くるみ「最低だなお前」

悠里「何が倫理的なんだか」

開発「不可抗力だよ。でどこから聞いていた?」

俺はジト目でゆきを見て聞く。

ゆき「ヒーローが来るとか来ないとか?」

くるみ「ヒーローになるってどうすんだよ…」

ゆき「人はね。誰だって誰かのヒーローになれるんだよ!ダリオマンがゆってた!」

ゆきはドヤ顔をして言い切った。

くるみ「漫画じゃねえか」

ゆき「学園ヒーロー部ってかっこよくない」

開発「ダサい!退部するね」

ゆき「学園ヒーロー部はいつでも誰でも困った人の所へ駆けつけるんだよ」

くるみ「聞け!」

開発「皆がピンチな時は俺が守るよ」

俺は臭いセリフを吐いてしまった

くるみ「聡」

悠里「期待してるわ」

俺達は進む闇が晴れる事を祈って

第8話よりみち 完