日直「起立礼。神樹様に拝礼」
日直の号令と共に外の神樹様と呼ばれてる神木に対して皆が拝む。俺も形としては拝んではいるが
開発(気に入らないな)
ホームルームが終わると俺は昨日正式に入部を果たした。勇者部の部室に急いだ。
友奈「聡君」
開発「おっ友奈か。東郷も」
美森「今日は。聡君」
開発「呼び方変わっているな?」
友奈「いやあ。なんというか昨日の一件以来呼びたくなっちゃって」
美森「ダメなら名字に戻す?」
開発「好きにしてくれて構わないさ。取敢えず部室に入ろう」
ガラガラ
開発「開発はります」
友奈「友奈東郷入りまーす」
部室に入るなり昨日の反省会は始まった。
友奈「昨日の人形劇大成功でしたね!」
風「何もかもギリギリだったわよ。いや寧ろNG」
美森「聡君の機転が利いたお陰で助かりましたね」
開発「大した事はしていない」
風「謙遜する事ないわよ。聡は勇者部入部初日であるにも関わらず良い仕事だったわよ」
開発「それを言うなら友奈のアドリブには感服した」
友奈「えへへ」
風「あれは無茶苦茶と言うんだ」
友奈「皆喜んでくれたし結果オーライ!勇者はくよくよしてもしょーがない!」
樹「友奈さんは底抜けにポジティブですよね」
風「はいはい今日のミーティング始めるわよ」
開発「風先輩今日は何をするんですか?」
風「これよ」
そういうと風先輩は黒板を指差した。
友奈「うわあ~かわいい~」
そこには子猫の写真がずらりと貼られていた
開発「子猫の飼い主探し。勇者部って色んな事するんだな」
風「皆の為ならなんでもするクラブそれが勇者部だからね。聡にも働いて貰うわよ。未解決の飼い主探しの依頼がどっさり残ってるわ」
樹「沢山来たね・・・」
風「という事で。今日から飼い主探し強化月間にするわよ!」
開発「これを虱潰しに探すつもりですか?」
風「それなら心配ないわ東郷がいるから」
開発「えっ」
東郷「携帯からもアクセス出来るようにモバイル版も作ります」
そう言い終わると東郷はパソコンに向かいキーボードを打ち込み始めた
開発「見事だな、そうなると俺はどうすれば」
友奈「そうだ!私達海岸の掃除に行くでしょ。そこでも人にあたってみようよ」
樹「いいですね。聡さんも行きましょう。この町を案内する事も出来るので」
開発「成程合理的だ。うん。ならご指導お願いしてもいいのかな」
樹「任せて下さい」
友奈「この子達の為にも」
樹「頑張りましょうね。聡さん」
開発「勿論だ」
風「聡。両手に華ね」
開発「何を言い出しているんですか?」
風「ううん。でも樹には手を出すんじゃないわよ」
開発「出しません」
美森「出来ました」
皆(美森以外)「早っ」
東郷が作ったホームページはプロが作ったようなクオリティだった
部活の帰り道俺は友奈達行きつけの「かめや」という饂飩屋で新入部員歓迎会を開いて貰える事になった。
風「御免ね。聡。歓迎会が遅れて」
開発「お気になさらず。あんなにバタバタしていたら開くのは難しいですからね。そんな忙しい中開いてもらえるのは有難いです。にしても」
俺は風先輩の前には既に開いた饂飩の器が二つ重ねられていた。
樹「お姉ちゃんいつもの事ですから」
風「所でさ文化祭の出し物の事なんだけど」
この時風先輩は三杯目の饂飩を完食していた
樹「もうそんな話?」
風「夏休み入る前にさ色々決めておきたいんだよね。やっぱ準備が大事でしょ」
美森「確かに常に有事に備える事は大切です」
開発「俺も同感だ。準備が早くて悪くなる事はないですからね」
風「去年はバタバタしていて何も出来なかったからねー。今年は猫の手が二人も入った事だし」
樹「私」
開発「俺もですね。まあ役に立つかはわかりませんよ」
友奈「それなら大丈夫だよ。」
東郷「力仕事も増えるから男手は助かるわ」
樹「一緒にがんばりましょう」
開発「役に立つよう。善処するよ」
東郷「今年こそですね!」
風「せっかくだから一生の思い出になる事がいいよね」
樹「私達の部活動をスライドで上映とか?」
風「甘い」
と言って風先輩は樹ちゃんの器からお揚げを横取りした
樹「取っておいたのに」
開発「俺ので良ければ食べるか?」
樹「わーい」
俺のをあげると樹ちゃんは笑顔に戻った
美森「娯楽性のないものに大衆は靡かないですね」
風「これは宿題ね。其々考えておくのよ」
友・東・樹「はあい」
開発「了解しました」
風「よしっ!すみませーんおかわり!」
友奈「4杯目」
風先輩の凄さを思い知った
あの後友奈と東郷は車で迎えが来て家が隣同士の為一緒の車で帰っていった
俺もその場で店の前で別れてアパートに帰宅した
先程の賑やかさは消え去った。俺は養父とはあまり仲が良くなかった。なので一緒には暮らしておらずアパートに一人で暮らしている。その為なのかそれとも
ピロリン
携帯が鳴った
確認すると風先輩に勧められていや強制的に入れられたアプリのチャットに友奈が見つけたオモシロ画像が乗っていた
Fu(風)「友奈はこういうの見つけるのホントうまいわ」
樹「日曜どうします?」
Fu(風)「ゴロゴロする~」
YUNA(友奈)「私も~」
東郷「トドですか!?」
と皆一斉に書き込む
開発「(賑やかな連中)薙刀の自主練の後町を探索しようかと」
樹「いいですね。案内しますよ。」
YUNA(友奈)「じゃあ皆で行こうか」
美森「行きます」
Fu(風)「聡が狼になって樹を襲ったらいけないから私も行く~」
開発「有難う。PS風先輩へ狼は余計だ」
こうして俺の1日は終わった
翌日
数学教師「それではこの公式を」
開発(憂鬱だ。それにしても勇者部らしい出し物・・。ダメだ何も思い浮かばん)
授業を聞いているよりよほど有意義だと思った俺はひたすら出し物を考えた
するとピロリーン。ピロリーン
鞄に入れていた携帯が教室に鳴り響きだした。
数学教師「携帯か?授業中は電源を切っておかないとダメじゃないか」
開発「失礼。今止め」
携帯の画面には樹海化警報と表示されていた。
開発「樹海化警報」
こんな警報は見た事もなければ聞いた事がない
開発「なんなんだ。失礼止め方が」
顔をあげると教室にいる皆が動きが止まっていた。
開発「これは一体」
一通り見回し
開発「時間が止まっているのか?」
状態を咀嚼して把握をした
開発「友奈達は!?」
俺は勇者部のメンバーが気になった。
俺はすぐさま教室を出た。
開発「友奈!東郷!樹!風先輩」
まずは友奈達のいる教室に向かった。
ガラ
開発「友奈。東郷」
友奈「聡君」
東郷「聡君」
開発「無事だったか」
友奈「うん。でもクラスの皆が」
俺のクラスの奴らと同じように時間が止まったように誰も動かない
開発「どうなっている」
すると窓の外から目を空けられない程の強い光が入って来た。
開発「うわああ」
友奈「東郷さん」
東郷「友奈ちゃん」
友奈は東郷を庇った。
俺もその強い光に目を開けていられずにいた。
しばらくすると光は収まった。
開発「もう大丈夫みたいだな」
俺が次に目を開けた時そこは教室ではなくとて巨大な樹の根がそこらじゅうには張り巡らされた光景が拡がっていた。
開発「なんだここは」
友奈「何これ何処ここ。私また居眠り中?」
そういういと友奈は自分の頬を抓り始めた。
友奈「いててて。ゆ・・・夢じゃないみたい」
東郷「教室いた筈なのに」
開発「取敢えず二人は無事みたいだな」
友奈「聡君」
友奈は俺に近付くなり
開発「いででで」
友奈「聡君の夢かも」
開発「ふぁめふぇー(やめぬか)」
俺は友奈の頭にチョップをかました
友奈「いったーい」
開発「落ち着け」
友奈「御免」
開発「まあ友奈のお陰で俺も少し冷静になれた」
美森「・・・・教室にいた筈なのに」
友奈「大丈夫だよ。東郷さんには私がついてる」
開発「東郷何も保証はないが一先ず無事で何よりだ。一人になるよりかは幾分安心出来る」
東郷「友奈ちゃん。聡君」
開発(何が起こってるんだ。俺も大分頭が混乱してるな)
俺は少しでも冷静になるように専念した。
風「友奈!東郷!聡!」
樹「友奈さーん」
友奈「樹ちゃん風センパーイ」
友奈は風先輩と樹ちゃんに抱き付いた
開発「良かった。風先輩も樹ちゃんも無事だったみたいですね」
友奈「聡君もこっちにきて再会のハグを」
開発「やらん。所で良く俺達の事を見つけられましたね」
風「携帯の機能を使って見つけたのよ。皆が携帯を手放していたら見つけられなかった」
友奈「ケイタイ?」
ケイタイの画面を見ると五つの点がありそこには其々東郷美森・結城友奈・犬吠埼風・犬吠埼樹・開発聡と表示されていた。
開発「GPS機能か」
美森「このアプリにこんな機能があったんですか?」
風「その隠し機能はこの自体に陥った時に自動的に機能するようになってるの」
友奈「部に入った時に風先輩にダウンロードしろって言われた物ですよね」
開発「風先輩何か知っているんですね。今俺達がどういう状況なのか」
美森「そしてここは一体どこなのかも」
風先輩は少し黙った後
風「皆落ち着いて聞いて私は・・・大赦から派遣された人間なんだ」
開発「大赦?」
東郷「大赦って言うのは神樹様を奉っている所よ」
開発「この町に来た時に見た神社の事か」
友奈「・・・何か特別なお役目なんですか?樹ちゃんは知ってたの?」
樹「ううん。今初めて・・・」
風「当たらなければずっと黙っているつもりだった、でも私の版画、讃洲中学勇者部が当たりだった」
友奈「あの・班とか当たりとか一体」
風「今見えているこの世界は神樹様が作った結界」
友奈「・じゃあ悪い所じゃないんですね?」
風「でも神樹様に選ばれた私達はこの中で敵と戦わなければならない。この世界には今私達しか存在しない」
樹「他に誰もいないの?お姉ちゃん」
開発「それは恐らく本当だ」
樹「えっ」
開発「俺達以外の生活音がしない」
樹「そんな」
東郷「・・・あのこの乙女型って点はなんですか?」
風「来たわね」
点が示す方角を見ると強大等の生物にも当てはまらない巨大な化物が遠くの方角に見えた
開発「なんだあれ」
友奈「敵ってまさかアレ・・・ですか?」
風「バーテックス世界を殺す為に攻めてくる人間の敵よ・・・」
友奈「世界を殺すって・・・」
樹「お姉ちゃんずっと一緒だったのにそんなの今まで聞いた事ないよ・・・?」
風「今初めて話したからね・・・」
風先輩は悲しそうな表情でありながら優しく妹の樹ちゃんに答えた。
風「バーテックスの目的はこの世界の恵みである神樹様に辿り着く事。そうなった時世界が・死ぬ」
美森「そんなあんなのと戦える訳が・・・」
風「大赦の調査で私達が最も適性があると判断されたんだ。戦う意志を示せばこのアプリの機能がアンロクされ神樹様の勇者となる」
開発「俺がこの場に皆といると言う事は俺も」
風「勇者の適性があると判断されたからよ。これは私も予想外だったけどね」
開発「だからあの時俺を入れる事を少し躊躇ったんですね」
その時俺は殺気を感じた
開発「皆伏せて」
すると乙女型のバーテックスから砲弾の様な物が射出されて此方には届かないが遠くの方で爆発が起こったそれは一発やニ発じゃないその爆発は徐々に此方に近付いてきている
開発「完全にこっちに気付いてるみたいだ。」
風「聡。友奈ここは任せて東郷を連れて逃げろ。早く」
開発・友奈「はい」
俺は友奈と美森を連れてその場を離れた
開発「ここまでくれば攻撃は届かない」
東郷「本当にここは私達しかいないみない」
友奈「風先輩!其方大丈夫なんですか?バーナントカってのと戦ってるんですか?」
風(電話)「こっちは樹と2人でなんとかする!其方こそ東郷は大丈夫?出来るだけ離れてて」
東郷「御免なさい。私・・・怖くてできない・・ ・御免なさい・・・」
友奈「東郷さん!いいよそんなの誰だって怖いんだからね?さあ早く安全な場所に行こう!」
風(電話)「友奈・・・東郷・・聡。黙っていて御免。3人は必ず私が助ける!」
友奈「風先輩は皆の為にと思って黙ってたんですよね。こんな大変な事ずっと1人で打ち明ける事も出来ずにそれって勇者部の活動目的通りじゃないですかっ。風先輩は悪くない!」
ドッ
風(電話)「うあ!!」
ドッボンッ
樹(電話)「お姉ちゃ・・・きゃああ」
友奈「風先輩。樹ちゃん・・・」
友奈はその後も言葉を言おうとしたが止めた
友奈「こっちにくる・・・?」
美森「友奈ちゃん!聡君!私といたら友奈ちゃんと聡君が危ない。私を置いて行って」
開発「えっとどれだ」
俺は急いで操作した
友奈「打ってきた」
バーテックスがミサイルの様な物を飛ばしてきた。
開発「くっ!?これか」
画面をタップした
開発「せああ」
美森「聡君」
開発「成程これが変身という奴か悪くない」
俺は変身をしてミサイルを薙刀で一刀両断した
東郷「聡君なんで」
開発「女の子を残して逃げられるか」
俺は薙刀を構え直した
開発「何となく武器は薙刀かなとは思ったけどな」
第二波のミサイルが飛んできた
友奈「次は私がやる」
友奈は俺の前に飛び出して両手にはナックルを装備した両手でミサイルを殴り破壊した。
開発「友奈」
友奈「聡君。有難う東郷さんを守ってくれて。そのおかげで勇気をもらえた。ここで友達を見捨てるような奴は勇者じゃない!」
東郷「友奈ちゃん」
友奈「嫌なんだ。誰かが傷つく事辛い思いをする事。皆がそんな思いをする位なら私が頑張る!」
美森「・・・友奈ちゃんどうして」
友奈「勇者だから」
第一話 完