俺開発聡は今年の五月養父の都合で讃洲中学に転校する事となった。
前の中学では剣術部に所属していたが讃洲中学には剣術部は存在せずどうしたもんかと悩みながら学校の中を一人で散策していると「家庭科準備室」と書かれたプレートの下にに気になる名前が記載されているプレートを発見した。
開発(勇者部部室?何だこれ中二病の集まりとか?)
俺は色々な事を頭の中で想像した。
開発(この場合は見なかった事にすれば良いんだろうけどなんだろう。素通り出来ない。凄い気になる。けれど中を見る勇気が)
樹「あのお」
開発「どわ!!」
樹「きゃっ」
いきなり声を掛けられて吃驚した。後ろを振り返ると黄色の短髪をした女の子が尻餅をついた。
開発「驚かせてすまない、立てるか?」
俺は少し躊躇いはあったが女の子に手を差し伸べた
樹「すいません。急に声を掛けてしまって」
開発「謝るのは此方の方だ。ちょっとこの変わった名前の部室だから気になってね」
樹「そうだったんですね。もしかして転校生ですか?」
開発「二年の開発聡という者だ」
樹「私は犬吠埼樹。一年生です。宜しくお願いします」
犬吠埼さんは丁寧にお辞儀をして手を差し出し握手を求めてきた
開発「宜しく」
反射的に俺も手を差し出し握手に応えた。極当り前の動作なのだがこれが間違えだった。
風「樹。さっきから廊下で何をしてるの?早く部室に入りなさい」
勇者部の部室から黄色の長髪を後ろにツインテールにしている女の子が出てきた。
風「あっ」
その女の子は俺と犬吠埼さんとの間で繋がれてる手を凝視した。
風「樹がおっ男とてっ手を繋いでる!!」
開発「違うこれはただの挨拶で」
風「私でさえまだだと言うのに」
樹「そうだよ。お姉ちゃん聡さんは今会ったばかりで」
開発「お姉ちゃん!?まさか君の」
風「手を繋いだばかりか今会ったばかりなのに下の名前で呼ぶなんて」
開発「待て落ち着け」
風「妹が」
犬吠埼さんのお姉さんと思われる女の子は俺にユラユラと近付いてきた
風「妹が欲しくば私を倒してからにしろ!!」
開発「どこの魔王だ!!」
俺は初めての学校で謎の部室の前で犬吠埼さんのお姉さんと思われる女の子から見事な跳び膝蹴りを喰らった後事態は収束して部室の中に通された
風「御免なさい。私ったら樹が姉を差し置いて彼氏が出来たのかと思ってあんな事を」
開発「理不尽な動機だ」
樹「もうお姉ちゃんったら御免なさい。聡さん」
開発「別に気にしてないさ。痛いけど」
風「気にしてるじゃん。私は樹の姉。犬吠埼風3年よ」
開発「まさか先輩だったとは」
ガラガラ
友奈&美森「遅くなりました。」「すみません。遅くなってあら部長その人は」
部室に赤い髪を後ろにリボンで束ねてポニーテールにしてる女の子とそしてその女の子が押している車椅子に乗っている黒色の長髪をしている女の子が入ってきた
樹「この人は開発聡さん友奈さん達と同じ学年で今日転校してきたんですよ。」
友奈「そうなんだ。私結城友奈。宜しくね開発君」
美森「友奈ちゃんと同じクラスの東郷美森と申します。以後お見知りおきを」
開発「此方こそ。結城さんに東郷さん」
友奈「私の事は友奈で良いよ」
開発「了解。友奈に東郷宜しく」
樹「私とお姉ちゃんは姉妹で同じ苗字だから樹って呼んで下さいね」
開発「了解した。宜しく。樹。風先輩」
風「宜しく」
美森「でも開発君はなぜ部室に?」
風「それはその」
風先輩は先程の出来事を説明した。
友奈「風先輩そんな事したんですか?」
美森「だから彼氏が」
風「煩い煩い。樹が姉を置いて行こうとしたと思って」
樹「もうお姉ちゃんったら」
東郷「私達の部長が無礼な事を」
開発「俺ももう気にしてない」
友奈「所で開発君は入る部活って決めたの?」
開発「それが剣術部に入ろうかと思ったんだが讃州中学にないと言われてどうしようかと」
友奈「だったら勇者部に入らない?」
開発「勇者部かあ。抑この部活は何をする部活なんだ?」
友奈「勇者部は皆の為になる事を勇んで実施するクラブだから勇者部って言うんだよ」
開発「それってつまり」
東郷「ボランティアっていう解釈で間違いないわ」
開発「成程。まあ剣術部が無い以上どこかに入る予定もなかったし。俺なんかで良ければ入れて貰えるのかな?」
友奈「勿論!!やったあ部員が増えた。良いですよね?風先輩」
風「うん。良いわよ。労働力が増えるのは大歓迎だわ」
少し戸惑いがあった
美森「宜しく。開発君」
樹「宜しくお願いします。聡さん」
開発「では改めて開発聡と申します。不束物ですが。今日から勇者部としてご指導宜しくお願い致します」
風「よし。じゃあ早速働いて貰うわよ」
開発「働く?」
友奈「明日丁度勇者活動に人手が欲しかったんだ」
美森「校外活動よ」
開発「校外活動か。因みにどこへ行くんだ?」
その場所に移動
樹「昔々ある所にに勇者がいました。勇者は人々に嫌がらせを続ける魔王を説得する為に旅を続けています。そして遂に勇者は魔王の城に辿り着きました」
友奈(勇者)「やっとここまで辿り着いたぞ魔王!もう悪い事は辞めるんだ!」
風(魔王)「儂を怖がって悪者扱いを始めたのは村人達の方ではないか」
友奈(勇者)「だからといって嫌がらせはよくない話し合えばわかるよ!」
風(魔王)「話し合えばまた悪者にされる!」
友奈(勇者)「君を悪者になんか!しない」
ガタッ
ぐらあ
バターン
人形劇用の舞台が倒れてしまい人形を手に付けている私と風先輩の姿が見えてしまった
そう私達は校外活動もとい勇者活動の一環として讃洲幼稚園の園児に人形劇を観せに来ていたのだ。
しかし幸い舞台が子供達に当たる事はなかったけど
風(魔王)「しまった」
友奈(勇者)「えーっと風先輩どうしよう」
因みに俺は大道具等を運ぶ力仕事その他をを担当し、今はする事がないので子供達と一緒に物語を観ていた
友奈(勇者)「うう~んと。よし今だッ勇者キーック」
風(魔王)「ちょ・・・おまっ。話し合おうってさっき」
魔王を説得する為に旅をした勇者があろう事が武力討伐に切り替えた
友奈(勇者)「言ってもきかないから!」
風(魔王)「何言ってんの!?台本通りの展開ならきくわよ!」
樹「ふ・・・二人共~~何がどうなって・・・」
東郷と樹は舞台の横で樹ちゃんが音響私がナレーターをしていた。
考えていた時
開発「皆!一緒に勇者を応援しよう!」
俺は子供達をを煽った
子供達「頑張れーー」
俺の煽りに応えて子供達が声援を挙げた
東郷「そうよ。もっともっと勇者を応援して」
子供達「ガンバレーガンバレー」
子供達は一斉に応援を始めた。
開発「皆まだまだ足りないぞ。もっともっと」
俺は更に煽ってくれた
子供達「ガンバレーガーンバレ」
風(魔王)「皆の声援が儂を弱らせるう~~~」
風先輩がアドリブを利かせた
友奈(勇者)「今だ!勇者パーンチ!!(開発君有難う)」
東郷「という訳で皆の力で魔王は改心し祖国は守られました」
友奈(勇者)「皆のお陰だよ」
子供達「万歳ーー!万歳ーーー!」
こんな感じで新しい仲間開発君は私達の皆の為になる事を勇んで実施するクラブそう讃洲中学勇者部に正式に入部する事になった
プロローグ 完