ワシらは戦を始めた。
開発「どおりゃあああ。はっはあ。遅れるでないぞ。長政。又兵衛。」
長政「はい。」
又兵衛「ワシも負けられぬ。」
ワシは若武者達と共に戦場を駆けた。
開発「どうした。三河の兵たちよ。向かって来ねば。功は上げられぬぞ。」
長政「すごい。これが開発殿の戦」
又兵衛「敵がよってこぬ」
?「そなたが開発殿か」
兵の中から現れたのは
開発「何者だ。」
一成「某は佐治一成と申します。」
開発「佐治殿と申すと。お江様が嫁がれた。」
佐治一成は佐治家に嫁いだ信長の妹君織田犬の嫡男である。家康殿が信孝殿を擁立しているため。徳川方につかざるをおえなかった。
開発「お江様は元気で在らせられるか。」
一成「それはもう。お転婆で手が付けられぬほど。」
開発「変わっておられぬな。して一戦交えられるか」
ワシは槍を構える。
一成「御冗談を。某はそれほど無謀者ではござらぬ。某はこの方を案内したのだ。」
すると佐治殿の後方から異様な闘気を纏った。武士が現れた
開発「これはこれは佐治殿。俺がこの戦で最も出会いたくなかった。鬼神を連れてきたものだ。」
忠勝「何を申される。鬼の名はお主にこそ相応しい。安土での一件以来でござるな。開発殿。」
開発「面白い因果でござる。三河・長篠では味方。安土では俺の窮地救ってくださった恩人。それがこの場では敵同士でござるか。戦乱とは厄介なものだな。」
忠勝「それはこちらとて同じ。しかし。良い機会だ。この忠勝。開発殿と一戦交えていたいと思っていた。」
開発「東国一の勇と呼ばれた。貴殿に言われるとは光栄の極み」
忠勝「愚問。そのような肩書など。無意味。戦場ではただ武の一字あるのみ」
開発「そのとおりだ。さあ。忠勝殿始めましょうか」
ワシは義元左文字を抜いた。
ワシは長政と又兵衛に下がるように命じた。
忠勝殿は自慢の蜻蛉切を構えた。
開発「開発聡」
忠勝「本多忠勝。」
開発&忠勝「参る」
開発「はあああ。」
忠勝「せあああ。」
鬼と鬼神の戦が始まった。
開発「はあ。」
ガキン
忠勝「せあ。」
開発「さすがは鬼神。一撃の重みが違う。」
忠勝「愚問。鬼の斬撃。こちらもヒヤヒヤしている。」
開発「しかし。鬼神殿そなたなぜ笑っている。」
忠勝「そちらの鬼こそ。さきほどから笑っているな。」
開発「俺にもわからぬ。しかし一つわかる。楽しい。どれだけ戦の様式が変わろうと。この緊張感高まる楽しさは変わらぬ。それが相手が強ければ強いほど楽しい。」
忠勝「さすがは鬼の言葉。我も同じ考えだ。」
直政「忠勝。戻れ。本陣が危ない。」
忠勝「なに。なるほどこれは陽動か」
開発「もう少し楽しみたかったが。仕方あるまい。」
ワシは忠勝殿から離れた。
忠勝「今日は楽しかった。開発聡殿。また槍を交えようぞ」
忠勝殿は去っていった。
長政「よかったのですか?」
開発「ああ俺達の目的はあくまで陽動だ。深追いの必要はない。」
伝令「伝れーい。池田恒興隊。苦戦中。至急援軍求める。」
開発「俺が行こう。又兵衛と長政はこのことを秀吉に報告に行け。」
長政「わかりました。」
又兵衛「開発殿ご武運を」
ワシは恒興隊の下へ向かった。
続く