小学校3年生。
吉田君には好きな女の子がいた。
その子の名はリエちゃん。
前にも話したかな。
父親は日本人。
母親がフィリピーノ。
子供ながらになんだかエキゾチックな雰囲気。
まるでアラジンの女キャラみたいでマサノブ少年のおちんちんはピクピクと初めての感覚を味わっていた。
山木「ねぇみんな聞いてー!!!デブノブ◯◯(苗字)の事好きなんだってーーー!!!」
MASA「や…!やめろよ!ちげえし!」
みんな「えええ!!?ギャハハハハハハハハwww」
そんな感じでクラスの晒し者にされるくらい吉田のリエちゃんラブは有名な話だった。
そんな小3の春。
またとない大チャンスが俺に訪れた。
そう。
人生で一度だけ…
マサノブのお誕生日会が開かれたのだ
その年浦和の某小学校ではお誕生日会が大流行。
誰かの家で菓子をせびるイベントが事あるごとに開催されていた。
男子女子の垣根も無く数名が家におしかけプレゼント代を親から回収しソイツの家でケーキをかっ喰らう。
かくいう俺も2度ほど参加した事があり、
その都度親から回収した1,000円から100円のプレゼントを購入して900円懐に入れるという錬金術でミニ四駆買ったりしたもんだ
そして…
誰だったかなぁ
宮間くんか誰か。
クラスのサッカー少年団グループの陽キャだったと思う。
「なぁ!デブノブのお誕生日会やろうぜぇ〜!」
MASA「えっ」
まさかの提案に俺は不覚にも喜んでしまった
なにしろ当時の俺は
サッカーをやればゴールキーパー
ドッヂボールをやれば男女関係なく全員のマト
それもこれもクソ親共が毎日金玉袋はみ出そうな短パンをはかせ真四角のメガネをかけさせていたからなのだが…
そんな俺にお誕生日会が開催されるのだ
「そういやデブノブの家行った事ないよなぁ!」
そう盛り上がって
なんとマサさんのマンションに男女5人が祝いに来たのだ
そのメンバーはサッカー少年団3人組
陽キャの宮間くん
ちょっと変わったマッツー
そして…女子人気ナンバーワンのイケメン。シュンくん。
加えて…
リエちゃんと親友の柳井さんが…
なんと女子が俺の家に来ることになったのだ
幸い夕方までお袋も兄貴も家には誰もいない。
俺は事前にババアに菓子やジュースを用意させて準備万端
そして…
MASA「リエちゃんに大人の俺を見せて惚れさせてやんよwww」
そう思って小3でオヤジの缶ビールをパクったのだ
MASA「おう!みんないらっしゃい!」
ドアを開けて5人を迎え入れた俺の片手には…
なんとアサヒスーパードライが握られていた
5人「!!!??」
宮間「おまっ!!?え?それビール?」
MASA「うん?あ?内緒な?ハハ」
めちゃくちゃかっこつけてしまった
もちろん中身は全捨てでめちゃくちゃ水で洗ってコーラ入れてるんだがね。。。
まぁバレたよね
宮間「お前ウソだろwww」
マッツー「中身違うでしょwww」
MASA「は!?いやビールだし!!!」
宮間「コップ入れろよ!」
マッツー「入れろ!入れろ!」
シュン「入れろ!入れろ!」
MASA「ゴクッ!ゴクッ!!!うめぇ〜!!!もう無えし!!!」
そんで大恥かかされてよぉ
挙げ句の果てに
マッツー「◯◯(リエちゃん苗字)シュンくんの事好きっしょ!?」
リエちゃん「えっ!?………ぅ…教えないし!」
シュンくん「えっ!…や…やめろよ!笑」
マサノブそっちのけでマサノブの菓子食いながら
マサノブの好きな子と寝取られねるとんパーティーおっぱじめやがってよぉ
しかも夜缶ビールの空き缶で家族会議。
オヤジに胸ぐら掴まれてよぉ
………
アレから30年。
マサさんがまた誕生日を迎えました
そろそろ誰か祝ってもいいんじゃないですかね。
そう思いながら俺はアサヒスーパードライを飲んだ。
今度は本物のアサヒスーパードライ。
39歳派遣社員
吉田まさのぶ
本気で焦りだす。