ついに…
ついにやってやったぞぉぉぉぉ
長年の目標を達成してやったぞぉぉぉぉぉ
事の発端
ことの発端は春先だった。
いつも日雇い明けの俺は白目を向いて倒れるように眠っていた。
MASA「うぅぅ…今日も疲れ…
ぅぅぅ…こんな…こんな人生…ぅぅぅ…」
俺は疲れ・鬱…
毎日涙を枕で濡らしていた。
バタン…
倒れるように眠る。
10時頃に眠る俺は18時に目覚める。
コレが深夜派遣バイターのREALな生活だ。
MASA「すぅ……んグゥ…!!!
グォォォオン
グォォオオンンン
ガッ
」
俺は子供の頃から睡眠時無呼吸症候群を抱えている。
しっかり眠らなきゃいけない。
そんな俺の14時台。
最も眠りの深いその時間の事だった。
MASA「ングォオオォグハァ
ンガァァアアァ
」
ドア「ピピピピピピンポーーーンピポポポポポポピーーーンポン
ドンドン
ドンドン
」
突然のけたたましいベルと強烈なドアの連打なのだ
MASA「ヒャッヒェッ
」
安眠の最深部で叩き起こされた俺は大慌てでドアに駆け寄って開けた。
様々な心当たりがあった。
ポリ…裁判所…元大家…取り立て…
様々な物に怯えながらドアを開けた!!!
MASA「ハ…ハァァァイ」
……………
誰もいなかった
そして外をクソガキの笑い声と足音が走り去って行った。
それが俺…吉田まさのぶとピンポンダッシュ軍団の戦争が始まった。
それからの日々…
MASA「ングォオオォグハァ
ンガァァアアァ
」
ドア「ピピピピピピンポーーーンピポポポポポポピーーーンポン
ドンドン
ドンドン
」
MASA「ハッコラァァアア
」
MASA「ングォオオォグハァ
ンガァァアアァ
」
ドア「ピピピピピピンポーーーンピポポポポポポピーーーンポン
ドンドン
ドンドン
」
MASA「ハッコラァァアア
」
そこから奴らの攻撃は続いた。
容赦がなかった。
何ヶ月も飽きずに奴らの攻撃は続いた。
ノックの強さは日に日にエスカレートしていった。
俺は精神をすり減らしながらガチで悩み…
そしてブチギレていた。
絶対に負けない
絶対にとっ捕まえる
俺は決意を固める。
が………
どうしても奴らを拿捕する事ができなかった
なんといっても最大の障壁は時間である。
睡眠時間のど真ん中…
どうしても起きれないのだ
だが俺もただでやられ続けているわけでもなかった。
起きる度にデータを取ったのだ
見えてきたのは3つの条件。
①ピンポンダッシュは月曜と木曜にくる
②時間は14時半前後
③走り去る姿から男児3人。たまに1人女児がいる。
そして…
今日がその月曜日だったのだ
悲願
MASA「ん…んむぅ…」
俺は目を覚ました。
MASA「オ…オシッコオシッコ……ん」
眠い目を擦った俺はスマホ見る。
13時48分
ついにマサノブがゴールデンタイムに目を覚ましたのだ
MASA「ハハッ…ハハハハ!!!」
俺はドアの前にドンっと座った
それから約30分
俺は眠気と戦った。
布団で寝たい…
布団へダイブしたい…
目蓋が落ちそうになる…
だが…
MASA「うぉぉおぉ」
俺は必死に立ち上がる!!!
いつもはあんなに鬱陶しかったピンポンダッシュがこんなにも待ち遠い…
早く来い…早く…っ!!!
その時だった
ガキ「クスクスクスクスw」
ガキ「いくよ?www」
ガキ「wwwwwww」
ヒソヒソ声が…俺の…
木の扉一枚を隔てた俺の前に現れたのだ
ガキ「ドキドキドキドキw」
MASA「ドキドキドキドキ」
そして…
ピーンポ
ガチャッ!!!
MASA「ハィイィイィィイイイィィィィィィイ」
ガキ「ビグゥ」
MASA「ハイーーーなんでしょうかぁぁああ
ねぇぇぇぇ
毎日毎日何かご用ですかァァァア
オイィィィィィ」
ガキ「…あ…あの間違え……」
MASA「間違いィィィィィいつもいつもぉぉ
誰と間違えたんですかネェ
ねぇ誰と
自分の家は間違えないよなぁ
おおぉう
」
ガキ共はまさに顔面蒼白wwwwww
4人組の小4くらいの奴らだった。
1人はリーダー格か。ぽっちゃり系で一番前に立っていた。「間違えた」などと抜かして俺にキレられて真っ青になっているwwwザコだwww
2人目は眉毛のぶっとい奴。そいつは漏らしそうな顔をしていたwザコすぎwww
3人目は1人で走って逃げて行ったw友達を置いていったクズwザコの極みwww
そして…4人目は女の子だった。
後ろで固まり言葉も出ないという感じ。
黒いショートカットで俺に怯える姿からは…ほんの少しだけ膨らみがあるように見えた
気づけば俺はビンビンになっていた。
MASA「ハ…ハハ…なぁ…もう逃げらんねぇぞ?
へへ…ハァハァ…」
誤解の無いように言うが俺はスマートな大人の男である。
が……
なぁーんか湧き上がる変な…
ツンと自分の内側で弾け飛ぶような気持ちが込み上げてくるッッッ
MASA「ヒヒ……なぁ…ハァ…ハァどうしようなぁ?w学校に言いつけようか…いいやぁ…家かなぁ」
ガキ「う…ゴ…ごめんなさいぃ…」
少女「ウゥッ…ぅあぁぁ…」
ガキBと少女が泣き出した
MASA「ゴ…ごめんなさいで済んだらなぁ…お兄さんは夜働いていて…君たちに起こされて大変な思いをしてたんだよなぁ…ハァ…ハァ」
なんか変な…変な感じの気持ちするゥゥゥウ
その時だった…
俺の家の前をババアが不審そうに見ながら通りすぎた。
号泣する小学生
ランニングに半ズボン姿で裸足の無精髭寝癖男(ボッキ中)
MASA「(あ…コレ勘違いされる)」
俺は危機を察知し冷静になった。
MASA「はぁ…あのねぇ?君たち悪いことしたのわかる?ボクに…このボクに対してェェェェまずはごめんなさいしようかァァァァァ
」
奴らは泣きながら「ヴィ…ぅあ…ゴメンナサイ…」と頭を下げた。
俺は奴らの小学校と名前を聞いて…
そして帰した。
悪い事をした子供をしっかりと注意して帰す。
大人の鏡である
まぁ勿論直後に学校にチクって謝罪させたけどね。
久々だった。
久々の達成感だった
ついに俺の完全勝利で終戦したのだ
俺はようやく得た安らぎの中で床についた。
MASA「ハハッ」
達成感とアドレナリンでなかなか眠れなかった。
そして俺のパンティはビトビトになっていた。
2024.06.17
マサノブ。完全勝利。