昼?
なんていうの。
食事休憩。
深夜。
ライブ会場の撤去。
ふふっ
ボロボロだよおぉぉおぉぉぉおおおおぉお
おええぇぇえ
本当に足…
足壊れてるッッッ
ホラ…コレ…壊れ…
手も真っ赤…
も……もうダメだろコレ
骨組み?
鉄パイプみたいなのを延々と待たされて運ぶ
ガチでコレ
ホントにこのまんまコレ
小走り強要。
しかも怒号と罵声が飛ぶ
まーたヤベェとこ来ちまったよ…
俺でも名前知ってるくらいの有名アーティストのライブだったみたいで…
時給に釣られてわざわざ遠方まで来たが地獄だよ地獄
しかもさっきフェースブック見たら中学の同級生が
「今日は○○ライヴ最高だったー!」
嫁とピースしている写真を載せていた。
今まさのぶが片付けているライブ会場にきていたのだ
当時はおとなしめで茶髪嫁とライブなんて考えられなかったけどなぁ
あの日のヤツ
彼の者。名前はタク。
タクヤだったか…
タクミだったか…
周囲からは「タク」「タクくん」と呼ばれていた。
彼は背が高く家は豪邸だった。
スポーツは決して得意ではなかったがそこそこにこなし…
特技はピアノと勉強だった。
だが…
彼には絶対に勉強で勝てない高い壁があった。
中学1年男子二位。
その上には中学男子一位………
まさのぶくんが君臨していたのだ
彼はまさのぶ君を尊敬していた。
「ゲリデブマサノブ」そう呼ばれる彼を「マサ君」と呼び続けた。
当のまさのぶ君はオナりまくって中3になる頃には学年20位くらいに落ち着いてしまっていたが、
後に彼が院から大手外資に入ったことまでは聞いた。
流石マサ君だと思った。
それから20数年。
大人になり生涯の伴侶も得た順風満帆な日々。
大手不動産会社でキャリアを積んでいた。
今日は嫁の好きなアーティストのライブ。
心から楽しんだ。
中学の頃には流行っていた歌手。
あの当時の事を…
マサ君の事を思い出す。
タク「元気かなぁ…マサ君…」
そうして嫁と手を繋ぎながらの帰り道…
ドンガラガッシャアアアァァンンンン
両手に鉄製の骨組みを持った恰幅のいい男が転が落ちた。
バイト…にしては少し歳をとっている。
ヒョロヒョロとした髪の毛。
薄汚れた格好。
???「オオオオイイィ日雇い
何してんだ
」
???「アヒョッず…ズビバゼンンンンン
」
タク「ちょっ!!!大丈夫で…………え?……
マサ………くん…???」
MASA「へ…へへ…
こんなんなっちゃったぁ」
みたいな気分になります
鬱