4/29


俺は某駅で前副会長と再開した。


久しぶりのスーツ。

前日にセブンで買った黒ネクタイの結び目はガチャガチャだった。



その日は気温が高くズボンがペタペタと肌に引っ付く。

そして分厚い上着は動きづらいし暑いかった。



MASA「はぁ〜チーンタラーキンモぃなぁこの服…チーンタラー

毎日こんなモンを着ていたのか…

全くもって非効率な服である。



そんな事を考えながら待ち合わせ駅に到着。


ちょうど同じ電車だった。




???「吉田くん!久しぶりぃ!」

MASA「あ……滝汗へへ…滝汗こんにちは滝汗アセアセ



前副会長だった。

団塊の二つ下くらいの老人。

もう70くらいじゃないかな?


ふっくらとしてズレたところもあるが

本当にいいヤツだ。

こんな感じである真顔



しっかし気まずいチーンタラー

辞めた職場のOBとの再会は気まずい滝汗アセアセ!


だが向こうは気に留める様子もなく、

前副会長「吉田くん元気だったかい〜!

前副会長「今はどうしてるんだ〜!



その朗らかな会話に俺の頬も久し振りに緩んだ。



そう…人間との会話は久しぶりだった。



  いざ会場入りッ!


決して広くない会場であったが、

閑散とした駅の一角に多くの老人の姿があった。


MASA「グッ滝汗



すんげー緊張した笑い泣きwwwwww


久しぶりに…

久しぶりに会うのだ…


あの団体の人たちに滝汗!!!



重い…足取りがあまりにも重いッッッ滝汗!



そしてついに…


入り口には事務婆と会計爺がいて受付をしていた。


事務婆「あ。」

事務婆「あら。」

会計爺「オヤッ!」


MASA「へ…へへぇ滝汗


なんか気まずいィィィ滝汗!!!



事務婆「ホラ!名前書いて持ってきて〜!」

会計爺「住所とかわかってるから名前だけでいいよ〜」


相変わらず…

いつも通りの奴らだった笑い泣きキラキラキラキラキラキラ



MASA「ハ…ハイッ!


その場で参加賞のハンカチを渡される。

会計爺「中に副会長と事務長いるから挨拶しといで〜」

MASA「ハイ滝汗



緊張の対面。




建物の中に入ると…

副会長がいたのだ滝汗アセアセアセアセアセアセ



あの日の記憶…

退職を告げたあの日を思い出す…滝汗



冷たい対応か…

恨み節か…

気まずい瞬間か…



震える俺に副会長は近づいた。




抱きっ!!!




副会長「おおおおおぉ!!!吉田あああぁぁ!元気だったかァァァァァ!!!!!!



なんと副会長は俺を抱きしめたのだ。



  涙ッ

事務長「おっ」


いつもの事務長だった。

毎日顔お合わせたあの時の…

慣れ親しんだ空気感だった。


後輩A「あっ。どうも。」

後輩B「あーーー!吉田さんんんん!!!」


後輩Aは相変わらずカスみたいで、

後輩Bは相変わらず元気だった。


後輩Bとは2度飲んだ。

そして…2度ともベロ酔いして多目的便所でケツ丸出しで目を覚ました。


確実にレイープされている滝汗

今さら糾弾しようとは思わないが感想くらい聞いておこうと思った。



続々と会員が入ってくる。

参加者は総勢100名を超えていた滝汗



会員「おっ!吉田くんー!」

会員「あーーー!吉田くん!!!」

会員「元気してたかぁ!!!」



みんなが…

みんなが俺に話しかけてきたのだぁぁぁ笑い泣き!笑笑笑


人と話をしていない俺には…

慣れ親しんだ爺どもの声かけが…


心から嬉しかったのだ!!!滝汗



全員が席に着き、

偲ぶ会が始まった。


  開会

司会のスタッフが話し出す。


会長の生い立ち…

共産活動との関わり…

数々の功績…



続いて台の上に花を置く。


MASA「うーん真顔


ここで花を受け取ってその場で置く。

その作業意味あんのかコレ真顔?



そんな事を思いながら花を置く。

笑顔の会長の写真。



手を合わせて会長との思い出を想起する。


MASA「会長………ぅ……ええ…

ええっと………うん。特にないかな真顔


そんな事を考えながら先頭の方で花を置いたが、

俺の後ろから…おかしなことになったのだ真顔



会員「会長オォォォォォォ!!!ありがとう!!!

会員「お疲れ様!アイツも待ってる!!!

会員「◯◯さん!!!いっつも怒られたけど!楽しかったぞぉぉぉ!!!

会員「ヒグッ…ゔぇええええぇぇ(涙)!!!


献花台の前で崩れ落ち動けなくなったジジイもいた。



懐かしい感覚…

何度も味わったこの気分…



団体名物なんだコレ真顔




  団塊

その時だった。



大遅刻した1台のタクシーが止まり…

中からアノ男が出てきた。



俺の直属の上司。

俺の団体の師。



いつも理不尽で怒鳴り声を上げ

酒を飲めば大暴れとセクハラ

大事な仕事も当日に「任せたわ〜」の電話

ついには会員に干された。



あの豪胆な男。

毎週2.3回は飲み明かしたあの豪快な男。



団塊である滝汗




周りの空気が凍りつく。

特に事務婆達は「ウワッ!来たッ!アセアセとソワソワ。



その男が…タクシーから降りてきた滝汗アセアセアセアセアセアセ





団塊「カタカタカタカタカタカタカタカタカタカ……」



まるで骨のように痩せこけ…

車イスに乗って

以前から想像をもつかないようなとんでもないヨボヨボの姿になっていたタラータラータラー




一同「………」



事務長「おっ…お久しぶりです。こちらへ」


団塊「ぁぁあ??ゔぁぁぁんんん?」


奥さんに車イスを押されて会長の遺影の前へ。



全副会長「おお!久しぶりだなぁ!!!心配してたよぉ!」

団塊「へへ……こんなんなっちゃったよぉ」



団塊は会長に手を合わせ、

震えながら何かを言っていた。



ついこないだまで豪胆に飲んでいた事から想像もつかない。

その弱々しい小さな後ろ姿…に俺は何も考える事が出来なくなった。



その後は上のフロアで軽食があるのだが

団塊はすぐに帰っていく。

一例し…止めたままのタクシーに向かう団塊。



俺は…

俺は出口へと走り出した!!!





MASA「◯◯さんッッッ!!!」



団塊「…ぅ?あ………おぉぉ〜〜〜。」


カタカタと震えながら…

か細い声で団塊は俺に伝えた。





団塊「会長の想いを受け継げよぉ。吉田。」



吉田「いや先月辞めましたケド真顔?






とは言えず…思わず「ハイッ!と言ってしまった。


俺は決めた。

俺は…団体に戻ると真顔炎


人の温かさ…

俺を必要とする温もり…

そして団塊の意思…



俺が…俺が働く場所はここしかないムキー!!!



必ず団体に戻るムキー!

その…その思いは実るのか!!!


四万十川ジェームズ無職編最終章

〜カムバック団体編!〜

次回涙の結末!!!