本日も新世界で酒を飲む。
WBC祝勝会である
そういや今日は祝日だったのか…
もはや平日休日とかいう概念が無くなってる俺…
すんげー人混みだった
雨もパラパラ降って傘をさされると新世界のゴチャついた通りは歩きづらく…
色々店探しをしたがどこも混んでいて、
俺は新世界らしからぬ綺麗な店へと向かった。
酒場にて…
ガヤガヤガヤガヤ…
昼だというのに賑わう大衆居酒屋。
店内はWBCの話題で持ちきりだった。
店内のテレビでは試合の様子を報じるワイドショー。
その度になぜか店内からは拍手www
兄ちゃん「ピューーー!!!」
アベック「パチパチパチパチ!」
オッチャン「村神様やー!!!」
店内「ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!」
俺も同じように盛り上がろうと思ったが…
まだ東京モンが抜けねぇな…
酒も入ってなかったのでクール気取ってしまった。
店内「ニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!」
MASA「キュッポン!キュッポン!ドゥクドゥク!中でドゥクドゥクキュッポン!…なんちて…へへ…」
小声でノるマサノブ。
クラブとかってこんな感じなのだろうか…。
大阪に来たしそろそろこういう風にノリノリピーポーにならないと…
今度ミラーボールギラつくクラブにでも行ってみよう。
そう思いながら俺はハイボールを注文した。
今風の店で注文はスマホ。
ハイボール…
ハイボール…
唐揚げ…
メガハイボール…
大盛り上がりの周囲に溶け込めないまま、
俺は1人でハイボールを貪った。
そうして1時間くらい経った頃…
酔っ払いのオッチャンが俺に絡んできた
オッチャン「見たかぃ〜!?ニイちゃん!吉田のカッキーン!」
MASA「へぇアハハハハ!ねぇ
」
クソ焦った
マジでこんな絵に描いたようような関西オッチャンいるのかよwww
普段の俺なら
MASA「あ…はぁ。へへへ」
と去っていったろう。
だが俺は…俺はもう関西人。
ここで人格を変えるのだ!!!
(あと酔っていた)
MASA「す………すっげーっすよ!吉田。マジ感動しましたよぉ!」
オッチャン「せやろぉ〜!!!」
なぜお前が得意げなのか?
オッチャン「◯◯高校からオリックスや!ずっと応援してんねん!!!」
MASA「ふふ…実はね……コレ…言っちゃっていいかな……フフ…
俺もね?吉田マサなんですよ」
俺は財布から一度も使ったことの無いゴールド免許証を取り出した
オッチャン「おおおぉぉおおお!!!ホンマやぁぁぁ!!!吉田や!吉田マサがおるぅぅぅ!!!」
なんかめっちゃ吉田語られたwww
オッチャン「吉田はなぁ!元々身長低いのになぁ!!!そんなん関係あらへん!」
MASA「はぁ」
オッチャン「観に行ったんや日本シリーズ!したらなぁ!!!」
MASA「はぁ」
オッチャン「アメリカのファンも大喜びしとるで!」
MASA「は…はぁ」
そんなこんなでオッチャンは去っていった。
僕と恋の大阪と…〜出会い〜
それから10分後
隅から三番目の席で結構ベロ酔いしている俺の隣…
2人組みの女人が入店してきたのだ
大きめの鞄と動き易そうな靴!
観光客である
女A「はぁー入れてよかったねー」
女B「ねー。」
MASA「…ドキドキ!」
女A「ねー次どこ行く?」
女B「とりあえず〜!」
MASA「…ドキドキドキドキ」
新生活を始めた孤独な男。
運命的に出会う旅の女。
その運命が交差し始めた。
2人組の若い女。
大学生くらいじゃなかろうか…。
Aは背の小さいショートヘアで活発そうな感じ。
大きめのダボっとしたパーカーを着ているオシャレガール
そしてBは…ややポチャで…そこまで可愛くはないけど…落ち着いた感じでベージュのコートを着ている。
しかし…目が…血色の良い目の周りとプルりとした唇に……
俺は…俺は目を奪われた。
MASA「ハァ…ハァ……(え…なにこの感情…)」
そして………
女A「え?…コレ注文スマホ?」
女B「えー!どういうことー?」
女A「えていうかウチら機会弱すぎじゃない?」
2人「キャハハハハ!」
MASA「(いくか???いや…でも。
変わるんだろ?この街で。
いや………だけど…)」
震えた…。
コミュ症で…
大阪に着いてから…ほとんど人と会話なんかしていなかった俺だから…
でも…
MASA「あ……コレ…スマホでQR読み取るんですよ。」
2人「………」
2人「あー!ありがとうございますぅ!!!」
めっちゃ明るい子だったぁあぁああ
女A「ホントあんまりこういうの無くてー!」
MASA「アハハ。この辺は結構多いですよ」
女A「ご近所の方なんですかー?」
き………
キタァァァァァァァアァァア
おまっ!!!?コレ!!?
アレだろ
2人組「私たちぃ〜この辺わかんなくて〜案内してもらっていいですかぁ」のパターンだろおおぉぉぉぉ
それともアレか
期待してんのかあ
女2人旅。現地男との…恋を…。
あの日を思い出す。
この少女はあの時の俺で…
現地の俺はあの時の娘なのだ。
俺は…あの時…案内して欲しかったのだ。
俺は知っていた。
この娘達がなんと答えて欲しいか…を。
女A「ご近所の方なんですかー?」
MASA「………………
せやで」
〜続く〜