冬だ。



枯れた枝木。

冷たい空気。

そして道行く人たちは…

ゴワゴワとしたコートに身を包んでいる。



そんな街並みを行く1人の男。



ピラッ

ピラピラッスーツ




冷たい風の中コートとマフラーに身を包む女がいて、

その隣で薄ッいスーツをピラピラさすマサノブがいた真顔




そう。



ノーコートなのだチーン




ノーコート。冬の風物詩。

ノーコート。マサノブの代名詞。

ノーコート。貧困の象徴チーン





寒いぃぃぃんだよゲッソリ

目立つんだよぉぉぉゲロー


ノーコートは辛いんだよおおぉぉ!!!ゲローゲローゲロー



事務長「吉田くん…上着まだ着ないんだ?元気だねぇ」

MASA「アハ……まだ早いかなって…」


後輩B「ッシダサンwww寒くないんすか?www」

MASA「うぇ…うん。寒いが真顔?」


後輩A「吉田さんチワッス!え?てかまだコート着ないんすか?」

MASA「う…。うん。」





もし昨日…俺が競馬をしていなければ…


そんじょそこらのコートではない。


羽付き防水で肩からレーザーの出るコートだって買えたかも…いや…よそう。



それでも俺は立ち上がるしかねぇ。





ノーコート吉田。

凍えながらお湯を飲み、アコムからの電話を待つしかない。