ついに来ましたよ。
オミクロンの波が私の所にも。
1月21日19:00
リンロンリンリンリンリンリンロンロンロン♪(ンブー!)
リンロンリンリンリンリンリンロンロンロン♪(ンブー!)
スマホの着信に見知らぬナンバー。
なんだかんだ毎週掃除をしている清潔な部屋。
ウマ娘のゴールドシチーが「チッ!生意気だなコイツ!」と思わせてからの意外とかわいくて、
その感情をベッドダイブでぶつけたところゴムが切れて乗せるだけになった布団カバー。
その上に仰向けになりタイロンウッズのホームラン集に興奮する俺。
「クソ誰だいいところなのに…」
週末の余韻をかき消す着信にイライラしながら電話に出ると…
相手は俺にこのハウス説明をした男だった。
「ああ吉田さん明けましておめでとうごいます。」
「あ。明けましておめ…」
「で、早速なのですが緊急でご報告で…4号室の〇〇さんがコロナなっちゃったみたいなんですよ。」
「はあああああ!????ええ!?じゃ!俺も俺たちもっ…危ないじゃないですか!」
「で。ええ。ハイ。順を追ってお話します。まずご本人ですが~~~…」
「ハイ。ハイ。。」
「で、吉田さん自身は〇〇さんとの会話とか…マスク無しの接触とか…」
「いえ…ありません。いっつもあの人朝とかに帰ってきてるみたいで合わないです。絶対ナイトクラブとかですよあの人!」
「わかりました。でしたら保健所の方の指示に沿って…」
要約すると4号室のニヤケカス
コイツはここを出て隔離になっているらしく、
多分俺たちは濃厚接触にならないらしい。
心配ならPCRを受けてくれと言われた。
で、今後は残りの住人となるべく共用スペースの利用時間がかぶらないように調整をして…とのことだ。
「っ!!!なんだよそれ!!!」
要は対策なしということ。
俺は苛立ちと共に部屋の外へ…住民の元へ………
とドアに手をかけ止まる。
『怖い…』
この部屋の外にはVirusが飛び交っているかもしれない。
味覚障害・ハゲ・記憶障害・熱………
そんなBio Virusが………
その時だった
コンコン!
俺の部屋のドアが叩かれた。
「よよよよよよよシシししださんんんっつぅ、〇〇ででですす。ちょっといいででですすすかかかかか。」
6号室のラリ男だった。
恐る恐るドアを開けると手袋をつけマスクを3重くらいにつけている。
「あああかっかかか管理会社…つう、から電話あ…りりました?」
もう活舌とかドモリのレベルが違いすぎてマジで何言ってるかわからなくてイライラするwww
「あ!今ありました!コレどうすればいいんでしょうかねえ!」
ちょっと愚痴っぽく言ってみる。
「いいいい…今1号室の〇〇さんにお話ししに行ったたたんんけど…」
「イマ開けたくナイヨー!」
「っていいいいわれて…」
「ああそうですか…」
確かに俺も開けたくなかった。
「ちょ…ちょっとここ今後の使い方…みなさんでお話しししししないとととととと…」
「そうですね。」
そんなこんなで無駄なリーダーシップを見せるラリ男に仲間に引き入れられて三号室へ。
コンコン。
「ハイ(かすれ声)。」
「あああ…あの6号室の〇〇でですすすs」
「ハアい!(かすれ声)」
「イヤイヤ大変じゃないですか(かすれ声!)」
コイツもまた聞き取りづらい…。
「カカカカコカコカココ!!!!!!!!」
「シューーー!シューーーー!!!!」
所々マジでこんな感じに聞こえて…www
所々互いに「え?え?!?」って聞き返してて…www
いや絶対笑っちゃいけないんだけど……wwww
笑いが………wwwwww
「とりあえずこんな状況なのでお話に…1号室の〇〇さんは出たくないそうです!」
通訳に入る。有能な院卒が一人いると違うw
まあ正直この二人はアレな人だが割と真人間。
日本人なので感覚も合う。
1号室のカタコトチャイナはなんかよくわからないが、
3号室のハゲは清掃の仕事をしている契約社員すぐ「女の子はいますか!」と異常性欲の片りんを見せつけながらも雑談はする。
6号室のラリ男は結構いいやつでお土産とかくれるwww実は一階風呂上りにタバコ吸おうと外出たら缶ビール持ってきてくれて互いの話をした。資格の勉強をしながらバイトしているらしい。でも喋ってて疲れるw
さて…とりあえずデブラリハゲのスリートップが勢ぞろい。
今後の方針について………と3号室の前で立ち話モードの俺に二人が行った。
「じゃあ〇〇さんの所へ」
「………は?」
アレ?行くの!?
「いや…ちょ……」
と言う前に二人はノックしていた。
ガチャリ
「あああ…ののんにの…管理会社…かえっら電話あり…まました?」
……………
ヤバいヤバい。明けた瞬間から異質。。。
ていうかなんか変な臭いしねえか!?
真っ黒い髪が顔まで覆う。
なんか知らんが部屋なのにワイシャツ!そして下はジャージwww
「感染んんんんんんーーーーー!対策ーーーー!!!」
シュバあああああああああああああ!!!!!!!
いきなり両手を広げてガードの構えをし始めたwwwwwwwww
実際このレベルのやついるのかよwwwって思ったけどいざ見るとマジで恐怖。
さすがの二人も
「ですよね(かすれ声)。」
「るるる……ルールづく…りしたたたら連絡しますすすす。」
と言って後ずさりした。
そして向かったのは6号室。
ラリ男の部屋だ。
中に入る。ここに来てひと月だが初めて他人のルーム。
グチャグチャの布団に靴下。
汚い………。
ラリ男はベッド。ハゲはイスに。
そして俺は床に座った。
「さささあっ…ててどうししますかかか?」
「トゥ…とありえず公共部分の使用時間とか…上の階も含めて…」
なんかゴモゴモ言っててイライラする。。。
長年団体で議論を重ねてきた。
「我々が議論していかなくてはならない」
を常に合言葉に活動している俺にとって、このような議論など時間の無駄でしかなかった。
「いや!そんなことより現場の消毒!それを今すぐにおこなうべきではないでしょうか!!?」
「あ。いやそれはもう管理会社がやったそうです。」
その後は約30分。
風呂・洗面・洗濯機などの時間割を決めたらどうか…
しかし毎日スケジュールが同じではない
せめて人が多い週末だけでも…
二階との連携も必要か…
などの話が出たが結局何も進展する事は無かった。
「ととにかかかく気を付けるしかないでででですねん…えん」
ラリ男のクソみたいなマトメで話は頓挫した。
………
沈黙。
沈黙。。。
次に言葉を発したのはハゲだった。
「それにしても、〇〇さんすごい本ですね」
確かに汚い部屋に参考書が乱雑に置いてあり、かなり年季の入ったものもある。
ラリ男はなんか嬉しそうな顔で
「こっここうににんn会計士ののののの勉強ううううんんってしてるんです」
「おお!すごいじゃないっすか試験難しいんですか(かすれ声)!」
受かるわけねーだろwとほほ笑む僕。
「しかしここに来て初めて人の部屋はいりました(かすれ声)」
「〇〇さんははははいいいいつかかかからこっこに?」
なんか雑談し始めた。
…いや感染対策は?
しかしなんか試されてる気もする。
なんかハゲ・ラリ相手だと俺もマウント取れるじゃん?w
そんな居心地悪い感じじゃないし…w
ためしに話をふってみた。
「あの~お二人は休みの時ってなにしてますか?このような状況で外に出歩くわけにもいきませんし…」
「……ワ…わたしは勉強ののののお合間ままままmにはゲームセンターとかににににん」
コイツ絶対資格取れないわw
「僕は散歩とかしたり部屋でFANZA動画ですよ!(かすれ声)」
wwwwwww
思わず吹き出しだwwwww
「FANZAってwwwww使ったことないですけど、作品あるんですかwww」
いやオモシロトークになってしまったwww
ハゲはなかなかユーモアセンスがあるw
ニヤケ顔の3人w
「ああ…あんあびびびびビール…あるけどのののますかかか?」
「ふぉ!いいですねえ!私もちょっと部屋からもってきますよ!(かすれ声)」
………いやお前ら感染対策は…………
「コレコレ!コーヒー焼酎なんすよ!」
……いやお前ら頭おかし…………
「よ…よしださんも…コレれれれれ…」
…いやおかしいおかしいお前らマジで……
「じゃ一応距離取れてるしいきましょうか!吉田さんも!入居祝いってことで!(かすれ声)」
…………いや………
いや…もう………
ピッツァメン!!!!!!!
久しぶりに他人と酒を飲んだ。
正直言おう。楽しかった。
ラリ男は試験勉強をしながら吉野屋でバイトしているらしい。今度行ってやってもいいか。
ハゲは清掃の契約社員。毎朝早いのが大変らしい。やはり異常性欲の持ち主。
つまり~?
俺だけが正社員ってこと。それがリアル。
学歴はラリ男もなかなかのようだが、俺の方が年上でしかも正社員www
ハゲはオッサンだが契約www
圧勝なわけよ?wwwwww
ここに女越してきたら完全に俺一択くるわけよwwwwww
そんなこんなで1時間半くらい。
俺も団体職員であることや院卒であること。
競馬プロである事も暴露した。
なんか派遣時代の時みたいだ。底辺と安酒をかっくらうwww
「(まあ、こいつら賞与とかないだろうし、次のボナで酒でもおごってやるかw)」
そんな兄貴分的気分の俺が次の話題を口にしたとき…
事件は起きた。
「しかしあの4号室の〇〇さんの感染な~。なんか毎日朝帰りとかでしたし危ないって俺思ってたんですよね~」
「…」
「…」
何故か無言の二人…
「…よよよ吉田さん。他の入居者さんのののことととをっ…言うのののののははっはやめまssssっしょ…」
「まあ…感染したくてする人いないっすから」
は???????
突然の正論。
今までFANZAのレ〇プものの話とかしてたハゲが?
いきなり正論?
はああああああ??????????????????????
「っす。っと…コイツは失言…。ま、気をつけましょう。じゃ、俺はこれで。」
楽しかった飲みが急転直下。
アイツら立場をわきまえてねえ。
所詮俺みたいな不運な事情が無くこんな所に居座るバカども。
クッソ腹が立って部屋に戻る。
「クソがああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
声は漏れるので、息を布団に吐き捨てるように喉の奥で怒鳴る。
ハラワタがよーく煮えた。
イライラして眠れなかった。
俺は大人なのでね。
翌日には「昨日はどうも!」って笑顔で言ったけど…。
マジでシェアハの人間は珍獣しかない。
マジでここはその場しのぎの宿ですわ。
今目つけてるタワマンあるんだよね。
やっぱ家賃25くらいの所が俺には合うし。
マジでさっさと出たいこのキモハウス。
マジ週末所持金23全ツしてウイン5で億取ります。
もう耐えられない。