木曜日の一件以来の流れ

 

 

 

7/19 金曜日

朝駅までは行けた。しかし最寄り駅のベンチから動けない。

何も言い訳ができない。思いつかない。

出勤時間を過ぎるとまたけたたましく電話が鳴る。

 

プルヌヌヌ…

プルヌヌヌ…

 

もう震えるしかなかった。

怖くて出られない。

出た方がマシかもしれない。

 

でも出る事ができなかった。

携帯の電源を切り、俺は家に帰って布団にもぐる。

 

 

 

7/20日 土曜日

その日は選挙前ということもあり、大事な会があった。

その裏方としての任を与えられていたのが俺だ。

「さすがにこれだけは外せない」

その認識は強くある。

それに会員が周りに多くいる中だ。

ド説教はすることができないはず…。

 

朝。鬼電は無かった。

その代わりに一通のメール。

 

『どうしましたか。今日は出勤しますか。至急連絡ください』

 

事務的な文面が俺にプレッシャーをかけてくる。

コレが日本が世界に誇る文化。パワーハラスメント。

それを見て恐怖した。硬直した。

 

俺は携帯を置いてジャグラーへ行った。

 

 

 

7/21日 日曜日

待ちに待った休日。

しかし心が晴れない。

3連休のはずなのに疲れが取れない。

もう何もできない。

 

 

7/22日 月曜日

さすがにもう行かなくては…。

そう思いながら朝起きる。

 

朝、掃除をしよう。事務所の大掃除。

そしてピカピカの事務所で土下座をして素直に謝ろう。

驚き許し、笑いで済ませる面々の顔を想像しながら…。

もう行くしかない!

 

その覚悟の中。目が覚めたら始業時間8分前だった。

朝から1本だけ着信。スルーした。

 

そして一通のメール

『本当にどうしてしまいましたか。連絡をください。

もし連絡が取れなければご自宅に連絡させてもらいます。』

 

震えが硬直に変わった。

涙が出てきた。こいつらは俺をどこまでも追い詰めてくる悪魔だと確信した。

 

夕方4時。本当に家に電話がきた。

幸い両親不在。

ナンバーディスプレイとかしていないので誰からの電話かわからない。

しかし、家電が鳴る事などほとんどない。

十中八九奴らだろう。

 

 

 

7/23 火曜日

 

今起きた。

もう連絡すら来ていない。

 

何か。何か言い訳しないと。