2019年が明けた。

 

正月。それは我が一族が本家にあつまる地獄の集会。

狂気の宴。そして恐怖の日なのである。

 

特に警戒すべきなのがこいつら

説教臭い叔父(父の兄)

その息子のいとこ(いけ好かないクソうんかすボケカスゲロ)

俺の兄(クソボケカス生意気うんかすカスカスカスカス野郎)

 

今年も俺はその死の宴へと足を運んだ。

 

田舎特有の長机。なんだか高そうな木のやつ。

大きな座布団が15枚並べられ、一つだけにはイスが用意されている。

そう重鎮である吉田家本家の長の席。

 

 

 

重たい土産物を保冷バックいっぱいに持たされた吉田がゼーゼーと到着すると、だいたいのメンバーが揃っていた。

 

まず口を開いたのは叔父

「おお!マサお前まーたデカくなってるじゃねえか!wwwwwww」

 

ね?わかります?

いきなりDISりから来ましたよ。

テメエらのためにこの重たい荷物を運んだ俺に対して?

いきなり?

 

早くも今シーズンのイライラが73%と上昇しているんにもかかわらず。

 

 

 

ムカついたのでバタン!と強めに座ってやり、怒りの缶ビールに手を伸ばそうとしたとき

 

「おいマサ!なーんでお前がくつろごうとしてんだ!(叔母)さんに準備させて!」

 

父親の的外れな罵声に思わず

 

「はああああああああああああああああああああ?????」

 

と声が出てしまった。

 

この野郎親戚の前だからって父親ぶってやがる。教育してる面してやがる。

 

 

もうつまらん。

 

 

 

完全にぐれて遊戯王デュエルリンクスに興じる俺。

 

 

 

 

ガラガラ!

 

 

 

「こんばんわー!」

 

 

兄貴の登場である。

つまらない黒スキニーパンツに調子に乗ったジャケット。

ブスの嫁、そして手には…

俺の甥…。。。。。。。

 

説教臭い叔父が「おーおーおー!!!」と率先し一族がそのガキに群がる。

おどおどしながら挨拶を促されるガキ。

こいつはどうやら挨拶もできないらしい。コミュニケーション能力が欠如している。

 

 

そこで歓談するジジババの裏からさらに

 

ガラガラ

 

「こんばんわー!あー道混んでた~!!!」

 

いとこである。年齢は俺と変わらなかったが、子どものころから兄貴と共謀して俺をバカにしていた。つまり汚物だ。

何故かサングラスを頭におくという江南スタイルでマフラーを外す。

 

後ろからは厚化粧の嫁。

 

そして、その手には…赤ん坊がいた。

 

「あらららららら!!!」

 

ババアとジジイが狂喜乱舞。

 

 

俺は震えていた。

 

 

 

 

俺はまたこの疎外感を味わっている。

笑顔笑顔笑顔笑顔まさのぶ笑顔笑顔。

 

楽し気な席に俺の居場所はなかった。

 

 

しかし疎外感。それ以上に恐怖心が俺を蝕んでいた。

 

 

 

「奴らの繁殖力は異常だ…」

 

いつか財産を俺の元に…という思惑もむなしく。

オークのように、ゴブリンのように奴らは増殖していった。

 

魔獣。その言葉が脳裏によぎった。

奴らは魔獣だ。

 

 

クソいとこが俺の方にも来る。

 

 

「マサ!お前は変わらねーな!w」

やめろ。

 

「ホラ!秋に生まれたんだ!」

やめろ………

 

「お前も抱っこしてやってよ!」

やめろおおおおおおおおおおお!!!!!

 

 

いや!だって!これ!これ!!!

お前の金玉袋の!!!

いやいやいやいや!!!!!!

汚っ!!!!!!

いやてめええええ!ザーメン近づけんなコラ!!!やめ!

えええええ!!!!

汚えええええええええええええええええええええええ!!!

 

 

 

手を洗いながら年忘れ。