生存贈与。

 

その話はしてあるが、ついに運命の日曜日を迎えた。

 

 

朝、俺の心臓ははちきれそうだった。

その話が来てから、家族観でもギクシャクとした雰囲気があったあのだ。

 

「隙を見せたらやられる。」

 

そんな思いが頭をよぎり家のものには一切口をつけなかった。

恐怖と狂気の数日間。

 

 

そしてげっそりとこけた頬で迎えたその日。

 

 

 

 

 

 

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税理士・婆・親父・兄・まさ

 

四人が群馬のテーブルにつく。

 

血のつながりのない母親は呼ばれてない。

 

 

 

「さて。前にも話したけどね。

土地とか色々なものを整理したのよ。私の歳もある。」

 

 

ゴクリ…

 

 

唾を飲む音が響く。

 

 

 

「それでね。若いあんた達に譲る部分を譲っていくわ。」

 

 

 

そのあとも相変わらず長い話のBBAだが、もう何も耳に入らない。

 

 

隣をちらりと見る。

 

兄貴、そしてオヤジですらも同じ表情だ。

 

 

 

 

 

それから説教くさいことが20分も続きついに出た。

 

 

「(親父)に3000万、(兄)に1000万、マサにも500万円!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

土おおおおおおおおおおおおおおおおおおいんぶうううづううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

謎のこんな声が出た。

この二か月ずっと考えていた。

もし数万とかだったらどうしよう。

 

そして、もし来なかったらもう自己破産しか…。

 

なんて考えていた。

 

兄貴との差は気になるが、それは子供の教育費だとかうんたら。

俺もこれからできるかもしれんだろうがぶっちコロ?こらあ?という感情も一部あったがそんなことより歓喜が勝った。

 

 

あれからずっと手が震えたままだ。

 

受け取りはなんと現金。

来週祖母と共に銀行に行く。

 

 

 

帰りに何をしよう。

とりあえず寿司だ。

 

高級なまわっていないところ。そしてπ乙パブでテンションを上げて吉原へ繰り出そう。

 

とはいえまだ手元に現金がない以上は心変わりが怖い。

 

人生最高の一日まで、あと5日。