借金返済。
その目標を掲げてから1月以上が経過した。
借りない。という目標を掲げたものの、枠の分を満借り。
さらに凶器の切符三冊に飲み代カード。25万くらい追加した。
そして支払いが今月は19万。
来月に至っては25万。
リボしないことには生きることすらできない。
減るとか減らないとかじゃない。
どうすればいいのかわからない。
ようやく交通費支給日前日を迎えたが本当に苦しい。
ドリンクも控えて毎日事務所の水道水をのんでいる。
汚い蛇口だ。臭い水。
喉がおかしくても医者に行けない。
これが大学院卒の生活だ。
東洋経済ONLINEあたりにとりあげられなくてはならない生活。
なんだか怪しい上にやりたくない女用風○店にイケメン写真付きで応募したが連絡は一向に来ない。
どうすれば、
どうすればいいのか。
そんな悩みを抱えた俺様だがこの2週間は地獄の節約生活で金を使わない日々を送っている。
毎日昼は松屋だ。牛丼大盛り。これが至福の時。
朝飯は抜いてくる。ランチタイムの水で水分補給をし紅ショウガでカサを増す。
夕食はカップラーメンのみ。本当に体調がおかしい。
週末はついに気が狂い激安スーパーで88円カップ麺を大量購入して5個食ったがとにかく激安生活を強いられているのだ。
酒も飲まない。飲むときは冷蔵庫にビールが大量にあるとき。
そして事務所の冷蔵庫にブツがある時だけだ。
自分の金では買わない。
食費は相当削っている。
娯楽もだ。
どうしても手が震えるときはyoutubeで動画を見ながらエアジャグ・エアパチだ。
「ドゥッテトゥルトゥットゥットゥ!ドゥッテトゥルトゥットゥットゥ!」
と部屋で一人エアジャグラーに勤しみ涙を流しながら堪えている。
そしてついにリカバリーサポートネットワークに電話した。
プルヌヌヌ…プルヌヌヌ…
「ハイ。リカバリーサポートネットワークです。」
女だった。
おばちゃんっぽい声だ。
「あ…あの………パチとスロが打ちたいんです…」
「ああ。それは辛いですね。いくつか質問していいですか?」
「…ハイ…。」
「いつ頃から始めたんですか?どういう経過で?」
「えっと…学生の時から…10年くらいやっていて…。きっかけはエヴァですね…。当時ハマっていてパチがあるならそれも打ってみようと…。そうしたら2万くらい勝ったんです…。
それで…一番ハマりだしたのは無職時代でしょうか…。
派遣って仕事きついんですよ。普通の仕事よりこき使われる。
あ、自分大学院卒なんですけど…人にこき使われてライン作業してることにストレスも感じちゃって。絶対に派遣に行きたくなかったんです。
だから…金ができたら…手取りの分をすべてスロに突っ込んでました。その時は北斗のスロですね~。
特にテンションあがったのが拳王乱舞引いた時ですよ。あの連続中段チェリーはホントにな~!いい時代でしたね!あとバジリスクも良かったですね!あのドゥドドドドド!って音と曲が聞きたくて!あ、2のやつですよ!?」
うんうん。と聞いてくれた。
俺は柄にもなくマシンガントークになってしまった。
「まあジャグはやっぱなんだかんだ言って安定感ありますよ!シンプルっていうかもう単調って思う人多いみたいですけど、あの光は神々しさと歓喜の光なんですよね!
最近はパチで言うとシンフォギアとひぐらしかな。シンフォギアは実は原作見てないんですけどST確率からして結構ドキドキなんすよね~!!!」
なんて話していると20分くらい経っていた。
「それで、あなたは辞めたいんですか?」
「……ええ。借金があって…。むしろ…打つために借りてしまって…」
「いくらくらいあるんですか?」
「250万くらいです…」
「まあ…」
「…」
自分で喋って驚愕した。
俺この十数年。ギャンブルにいくらつぎ込んだのだろうか。
俺は電話を切った。
アドバイスを受ける必要もなかった。
こわい。パチがこわい。スロがこわい。
そう思った。
そして部屋で一人大声を出してしまった。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
叫んで叫んで頭を掻き毟った。
それから数日はパチ屋に近づいてすらいない。
とりあえず空いた時間はアニメだ。
Key作品が見たくなってまずはCharlotteを見た。
うーむ友利ちゃんかわいい。
クールで可愛げもなく「デニー友利かよwww」と言っていた自分がアホみたいだ。
見た目アリアのジャンヌに似てるけどまあかわいい。
アニメ見ながらダンスしたのは久しぶりというくらいに可愛かった。
ストーリーに突っ込みどころはあるにしてもまあ高評価。終わり方も素晴らしくさすがだなあと。
Rewriteを続いて見る。keyっぽくない作風だがまあ…うん。
いかんせん制服とかキャラがレトロゲーっぽすぎて笑ってしまう。
そんなこんなで久々にちゃんとしたアニメ視聴をした。
なかなか乙なものである。
エアインフル休みの後半はとにかく引き籠ってそれだった。
これだ…。
布団を被って外に出ることもなく、カーテンも閉めっぱなし。
腹が減ったら部屋でカップ麺。冷蔵庫のビールを拝借し窓を開けてタバコ。
少し酔ってまたアニメ。
最高だった。
パチなどなくても楽しいのだ。
アニメを見疲れたときはアプリゲーだ。
事前登録していたプリンセスコネクトが超ハイクオリティだがそもそもゲームがクソというハプニング。
俺は遊戯王に戻った。
もう1年くらいやっているが正直自信があった。
中学生の頃プロデュエリストを目指していた俺に最高のアプリ。
死者蘇生キラを同級生のD橋にパクられ教室で暴れまくり全員に囲まれた挙句教師にも体罰を浴びせられた苦しみがよぎるが、それを晴らすために想像以上に真剣にやっている。
俺のブラックマジシャンに勝てる者などいない。
そう確信した俺に一つの知らせ。
【K.Cカップ開催】
1次ラウンドをレベル20まで上げると2次ラウンドに進める。
「…ふん」
俺は鼻で笑った。
下級ラウンドなど正直興味がなかったから。
俺は無数のデッキから最強のブラックマジシャンデッキを封印した。
これは2次Rまではお預けだ。
そして…
先ほど期日となった大会は…
レベル13。
焦った俺はブラックマジシャンを解禁するもクソみたいなテンプレデッキ使いのカスに勝ちきれなかった。
腹が立って壁パンチで指が折れたかもしれない。ムカついて何度時間切れまで煽りコメント出し続けたかわからない。
オリジナリティのない奴はカスだと声を大にして言いたいね。
だがそのいら立ちも含めて何かに熱中していた。
もうパチはいらない。
そうして今日を迎えた。
明日には交通費が入る。
3万くらいだ。
明日のパチが最終勝負だな。