彼の誕生日が近づいていた。

去年は偶然にも一緒に過ごすコトができた。
今年は堂々と隣でお祝いできると思ってた。
不安な気持ち無くキスできると思ってた。


こんな結果になるなんて
一ミリも思ってなかった…。


連絡したいけどしていいもの?
しない方がイイにきまってる。
けど、声が聞きたいよ。

そんな葛藤してたら
彼の誕生日になってしまった。

溜息ばかりがこぼれる。


そんな私に職場の友達が
A型男の攻略法を教えてくれた。


基本的にA型男は頼られるのが好き。
付き合ってる時に、強がっちゃってたなら
こらからは弱いところをみせて
相談相手になってもらうのが大丈夫。
ただし、"戻りたい"とか"好き"とか
そういう言葉は絶対にNG。
でも、あなたは強がりな私が唯一弱いところを見せられる人なのって
『あなたにしか話せない』っていう頼り方をすると
効果的なんだとか。
まぁ、ほかにも色々あったけど
基本は『私にはあなたが必要』っていうのを植えつける、と。

私が1番気にしてた連絡については
今までどーり、気にせずにあっけらかんと連絡しても平気、と。
でも、例えば誕生日なら本当にその事にしか触れない。
「あ、誕生日おめでと~(^^)もうオッサンだねぇ笑 じゃ、ばいばーい」
って、ほんとこれくらい。
相手がビックリするくらい
吹っ切れてる感をだして
なのに、悩みとかは相談してくるし…
みたいな。



すこし気が楽になった。
連絡していい安心感。




これから彼に誕生日おめでとうを言おうと思う。




iPhoneからの投稿

私と彼を引き合わせてくれた友達に会って
ぜーんぶ話した。


『彼に他に好きな人ができた』
そう彼女に告げたら、
『は?誰ー?!』と私より怒っていた。

と、いうか。
私にはまだ彼のことが好きな気持ちがあって
彼を怒ることなんてできなかった。


でも、彼女(仮にCちゃん)は
私も思っていたけど、
さすがに自意識過剰なんじゃないか?と思って
口に出せなかったことを
見事に言ってくれた。


彼に他に好きな人ができたのは
絶対に一時の気の迷いだよ。
だって、人って忙しくって忙しくって
心に余裕がない時に恋したりしない。
彼は仕事すごく忙しかったのに
恋をしたってコトは心が落ち着いていたからで
それは、Yちゃん(今更ですが私です)の存在があったからだよ。
だから、その人と付き合ってもうまくいかない。
必ず違和感を感じるよ。


私も、彼の気持ちは気の迷いにしか思えなかった。
だって、彼はこうなる直前まで
私との結婚を真面目に考えていたし
うちの親に会えてよかったと言ってくれた。

その彼の気持ちがすぐに変わるなんて
どうしても信じられない。

だから、私は意味わかんない自信だけど
彼は必ず戻ってくる気がする。
だから待っていようと思う。

早く気づいて。
戻ってきてよ。




iPhoneからの投稿

夜中の3時。
都内某所。
彼を待っていた。
職場から彼の家までたったの徒歩5分。

3時半。
まだ帰ってこない。

小雨が降ってきた。
彼の部屋のベランダには洗濯物。
本当は、帰ってきたらいきなりいてビックリんこ、なパターンを狙ってたけど
そうもいかなそうなので、電話した。

でない。

もう一度かける。


でた。


眠そうな声。
寝てたんだ…。じゃあ、今は家。

私:寝てたの?仕事かと思った。

彼:うん、なんか風邪引いたっぽくて、早退した。

私:雨…降ってきたから、洗濯物取り込まないと濡れちゃうよ?

彼:え?なんで?

私:だって、干してるから。バイクも、濡れちゃうよ?

彼:え、来たの?

私:来たよ。ついでに言うと、私も濡れちゃうから、入れてくれない?

彼:笑、ゴーインだね。

私:まぁね。笑

彼:ちょっと待ってて。


玄関の扉が開くと、寝癖のついた
大好きな彼がいた。


しかし、彼はとことん
予定通りにカッコよく決めさせてくれない人だ。

本音を吐かせてやる!!

なんて、物凄く意気込んできたのに
風邪だなんて言われたら
心配だし、申し訳なくなる。


でも、正直に話した。
昨日の話じゃ、納得できない。
あれが、●●くんの本音だと思えない。


そしたら、彼は乾いた笑みをこぼしながら

そうだよな~
アレじゃ納得できないよな。
俺、めっちゃ作ってたし。

そう言った。
やっぱり、無駄な時間は過してなかった。

彼は、その後は正直に話してくれた。
本当は、他に気になっている人がいるコト。
でも、やっぱり私の事を完全に忘れららないコト。
そんな中途半端な自分じゃ、私に会えないコト。

泣きながら聞いた。
普段なら話してくれたら聞きいれて
聞き分けのいい子だったけど
どんなに、みっともないと思われてもいい
彼に縋った。

でも、彼はゴメンって言って
抱き締めてくれるだけだった。


ここで抱き締めることは
本当は間違っていることを
彼は知ってたと思う。
私も甘えちゃいけないのは
わかっていた。


けど、それがお互いの気持ちだった。


彼もまだ完全に私を嫌いじゃなく
私は彼が大好きで
その時はお互いに、そうしたかった。


泣いた後は、普通の会話をした。


最近のこと、笑い話、仕事のこと。
本当に普通の話し。
でも、久しぶりの普通の話し。


そしたら、また涙が出てきた。


あぁ、私が求めてたのは
こういう幸せだったのにな。
こんな普通のコトだったのにな。


気付くと涙は大粒になってた。


なにかブレーキが外れたみたいに
わんわん泣いた。
泣きながら言った。

こんなに普通の話しするの久しぶり。
なんで…なんで今なんだろう。
もう、手遅れなのに。
なんで…。
わかってる。
今こんなに楽しく話してたって
これは和解じゃない。
あと何時間かしたら、ここを出なきゃいけなくて
もう、こんな風に会えなくなるのも
わかってる。


あとは、なんで…の繰り返し。
本当、みっともなかった。


泣き疲れたし、
彼も、そういえば体調不良だし
少し眠るコトにした。


私がねだったら
彼は、黙って腕まくらしてくれた。



もう、じゅーぶんだった。




帰り際、彼は
来てくれてありがとう。
と言ってくれた。

それから、
また落ち着いたらメシ食おう。
とも言ってくれた。

またねって言って別れた。


最後に抱き寄せてくれた彼の優しさ。
本当はダメなんだろうけど
私は、そんな優しい彼だから好きになった。



私は頑張った。

彼も、物凄く悩んで苦しんだと思う。

きっと、彼はこんなコトになる直前まで
私への思いを、必死に繋ぎとめようとしてくれてた。
けど、私はそれに気付かなかった。

彼も頑張った。


誰も悪くない。



もう、精一杯やった。

だから、泣くのは今日まで。

だから、今日はたくさん泣こう。








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