成虫のカミキリムシは相当食べてきたのだが、実はこれまでテッポウムシと言われる幼虫のカミキリムシを食べたことがなかった。

 虫の中でも特にうまい、トロのようと言われているので食べてみたいなと思っていた。

 テッポウムシは薪割りの時に出てくるといことで、薪割りさせてくれる方を探し、今日訪ねることができた。

 向かった地域は一時間に二本のバスしかなく、目の前で逃してしまって遅刻をしてしまい迷惑をかけてしまい申し訳なかった。

 

 薪割りは初めてやったが大変だった。まず斧は重いし、難しく自分はほんの数本しか割れなかった。すごく体力を使ったが何の食べられそうな虫も出てこなかった。ヤスデの仲間と思われるものは出てきたが、見た目で邪悪な味だと分かったのでそれは拾わなかった。


 その後途中から動くようになった電動薪割り機をお借りしたら一気に薪割りが楽になって、色々な幼虫が見つかった。

 案内してくださった方はご自宅まで乗せてくれ、そこでも薪を割っていただき、幼虫がそこでも数匹手入った。また小さいサルのコシカケ、キクラゲ、栽培されていた柑橘類もくださった。


 家に帰り幼虫を洗った。



 左上がゴミムシダマシ、その右がテッポウムシ(何の種類だろう?)、真ん中左がハナムグリ、真ん中右がクワガタ、一番下がタマムシだ。

 さて肝心の味だが、テッポウムシ、なぜだが言うほどの旨みは感じられなかった。食べられないことはないが、あえて食べたいと思わせる旨味はなかった。種類が違うのか、サイズが小さいのか、食べていた木が良くなかったのかもしれない。他の虫食をする人と異なり、生で食べたので、その点も風味の感じ方が違った理由かもしれない。トロを思わせるものは残念ながらなかった。自分の食べてきた虫の点数で言うと100点中50点だ。

 次に点が高いのはタマムシの幼虫だ。少し木風味の癖があるが不可な味ではない。それでも30点位に思う。タマムシの成虫は味がよかったのだが。やはり何を食べているかが大事だ。

 ゴミムシダマシは予想していた通りまずかった。家で数日野菜を食わせたら良くなるだろうが、朽ち木にいるものは期待できない。-30点だ。
 ハナムグリ、クワガタの幼虫ははっきりとまずくて吐いた。朽ち木をタンパク質に変換したにしてはいい味だが、人が感じる旨味はない。朽ち木の匂いもあった。それぞれ10点だ。今思い出すと葉を食っている芋虫よりはましな味だったかなと思う。ただもういいかな。
 こう見てみると、確かにテッポウムシは50点で、これらの中でも最も点数が高い。食べている木が良く、サイズが大きくなれば味は良くなるのだろうと想像できた。
 それにしても無茶苦茶な労力だった。自宅に帰ったら歩数計だけでも1万歩に達していた。腕には筋肉痛の兆候が感じられる。

 少し休んで夕方に買い物に。
 魚屋で大好きなメヒカリを見つけたので購入。135gで405円。

 味ももちろんすばらしい。やはりすでに流通ルートが出来ていて簡単に手に入り、虫よりずっと安く、イメージも良く、味も定評のある肉魚に現状では虫は敵わない。
 少し前に食用コオロギで起業した会社が倒産したというニュースがあったが、それも仕方ないだろう。細々と好奇心の強い人にだけ食べられていくのだろう。
 オレはパーフェクトローフードの原理から食べている。今はどうやって通年を通してうまい虫を手に入れられるか考えている。ミルワームやコオロギはペットショップで手に入るのだが味が微妙だ。妥協すべきなのだろうか・・