秋に知人が亡くなりました。

 

 

60代のその女性は 数年前から 

90代のお父様と認知症を発症したお母さまの介護を

ひとりで頑張ってらっしゃいました。

元々ご両親と同居していらしたので

自然の流れで介護することになったのでしょうね。

車の運転はしない方なので 通院の付き添いなども

大変だったことでしょう。

本当に献身的に介護なさっていて みんな娘さんの体調を

心配していました。

 

 

 

お母さまのデイサービス利用の手続きをしても

本人が行きたがらないと ほとんど通っていないようでした。

ご両親の毎日3度の食事の支度に加えて

身のまわりのことすべてと

お風呂の介助もなさっていたようです。

 

 

 

お母さまは 少しの時間でも娘さんの姿が見えないと

不安になり、名前を呼びながら家じゅう探し回るとも

おっしゃっていました。

娘さんの心休まるときが あるのかと 

知り合いはみんな心配していました。

 

 

 

数年前、お父様が肺炎になり、

数か月の入院後お亡くなりになりましたが、

入院中もお亡くなりになった後も

お母さまには ”お父さんは入院中でコロナ禍だから

会えないの” と ずっとおっしゃっていたそうです。

それも 心の負担になっていたかもしれません。

 

 

 

お父様が亡くなったくらいの頃から

娘さんも体調不良だったようですが、

自分の体調は後回しで 頑張ってこられて

病院に行ったときには あと2年と余命宣告

されてしまったと。

 

 

 

娘さんは治療に専念するため 

お母さまを施設に預けることになり、

抗がん剤治療を始められました。

知り合い数人でサポートしていましたが、

私は家も遠いし 仕事もしているので

サポートの中心は 

70代のお仕事されていない方たちになり、

精神的サポートだけでなく 

みなさん持病もお持ちなのに大変だったと思います。

 

 

 

私とは たまにLINEのやり取りをしていましたが、

その時に ”医師任せの治療だけでなく 

まだまだ 自分でできることもありますよ。

お味噌汁にしょうがをすりおろして入れるのを

毎日続けてみてください” ということと

 ”常に身体を温めて” と送ると

”私に指図するな” ”宗教ですか?やめてください!”と

ひどくお怒りの返信がきました。

 

 

 

気休めのアドバイスでもなく

一日 一日を気分よく調子よく過ごす小さな積み重ねが

大切だと思うのですよ。

もう遅いとか あきらめて 自分では何もしないのは

違うと思う。

 

 

 

これ以上 わかり合うことは無いし、

お互い精神的にも良くないですね と

LINEをブロックしました。

 

 

 

春頃には 遺伝子レベルで自分に合う抗がん剤を

探していたようですが 夏には ホスピスに移り、

秋に お亡くなりになってしまったそうです。

最期まで 認知症のお母さまのことが 

いちばん気がかりだったようです。

 

 

 

LINEの怒りは 今思えば 抗がん剤治療の影響で

気が立っていたのかも知れないわね。

ご自分が信じた通りに治療なさったと

そう思うしかないわね。

 

 

 

親の介護をするとき 

親の希望はできる限り きいてあげたいと思うけれど

親を一番に考え過ぎて 介護する方まで

病んでしまっては 悲しい結果になってしまう。

親のわがままをどこまできいてあげるか 

本当に難しいと思います。

 

この秋モヤモヤしていたことの一つです。