秋山 隆平
情報大爆発―コミュニケーション・デザインはどう変わるか


マーケティングのAISASモデルを提唱した電通インタラクティブ局の秋山 隆平さんの書籍。

○インターネットの普及により、ブログやポータルなどメディアの数が劇的に増えた。
 情報量が従来の410倍に増え、情報量が多すぎることによって迎えた「情報過剰時代」。
 そこでは、情報が多すぎるあまり飽和し、価値が下落する現象が発生する。
○現在の日本は、成熟期に達した商品が多く、機能や性能による差別がが難しくなっている。
 また差別化できたとしても、その情報が消費者の心に染み込んでいきにくい。

上記のような中でいかに消費者の注意を引くことができるかというアテンションに価値が置かれる
というアテンションエコノミーの時代になってきている。

そしてそこで企業はいかに潜在顧客とコミュニケーションをとっていくべきなのか、
広告代理店の意義というものは何なのかを具体例を出しながら様々なデータと共に
学術的に掘り下げている。

インターネット業界と広告業界で現在どのようなことが起こっているのかの全体像を1から理解できる本だと思います。

一回これを読んで全体像を理解した上で、次世代広告コミュニケーション 次世代広告テクノロジー Webキャンペーンのしかけ方。 広告のプロたちがつくる“つぎのネット広告” を読んで具体例を学び、もう一度この本を読むとより理解が増すと思います。

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以下、備忘録と考察。

【ブームの起こり方】
■雪だるま型  例 電車男、恋のマイアヒ
 ①ローカルインタラクション
 ②ローカルでの情報に流れが作られる。
  →どうやって作るのか?
 ③マスメディアによる増幅作用。
  権威付け。これは流行っているという事実。
 ④さらに②の増幅が起こる。

■ブロックバスター方式  例 ハリウッド映画
 ①マスメディアによる権威付け
  →シーディング?
 ②ローカルインタラクション
  →アルファブロガーによる増幅が可能?
 ③ローカルでの情報に流れが作られる。

※代理店の仕事は、雪だるまであれば③をいかに早く、適切に行うか。
 マスメディアによる増幅作用とはどのような手法があるか?CM以外では?
 ブロックバスターであれば、全体をプランニングするべき。

・ブランドに関するネット検索の3分の1は、消費者の見解サイトである。(WOMMA2006年7月)

【AISASモデルそれぞれの段階の消費への影響率調査】


aisas


日本新聞協会「2006年メディアと消費行動に関するインターネット調査」より

※認知・関心の定義とは?クチコミで認知を起こすことは?

【広告効果の捉え方】
■従来 GRP(延べ到達率)
 ○CM GRP=リーチ×フリクエンシー(接触回数)
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/nmg/20071010/137304/?P=2

■これから
 情報過剰時代においては、到達することと受容されることは違う。
 広告露出(到達)は、消費者の行動変化を保証しない。
 ・「リーチ」「CPM」「GRP」は重要だが、短期的な刈り取りばかりでは、ブランド育成ができなくなる。
 ・情報過剰時代に、訴求内容を絞り込んだ広告を大量に打ちすぎると、商品のライフサイクルを縮めたり、
  ブランドをコモディティー化させてしまったりする恐れがある。
 ↓
 ↓
 ①アテンション・マーケティング 【キーワードはキャッチ】
  情報を受け入れてもらうためのマーケティング
  →「注目率」「興味喚起率」によって測定

 ②ペネトレーション・マーケティング 【キーワードはマッチ】
  消費者の心に浸透させるためのマーケティング
  →これからの開発課題。「マインドシェア」「ブランドイメージ」「ブランド指名意向」では不十分。
   「検索率」「行動率」「情報共有率」を見る。求める「行動」は、企業やサービスによって様々。
  浸透:ワンウェイ広告→双方向広告→経験メディア(イベント、サンプリング)→クチコミ

【アテンションマーケティング】
 ・「テレビっ子」であった段階の世代が一斉に暇になるので、マスメディアの接触時間はまだまだ増える。
  ※果たしてそうか?団塊の世代のメディア接触率はどうなのか?
 ※Webで、どうアテンションを掴んでいくか。
 ・オンデマンド型のネット動画広告の最大の問題点は、フリークエンシーが伸びないこと。
  何回か見ると再生しなくなる。
  →マッチングした動画広告であれば、ペネトレーションするが。。。

【ペネトレーション・マーケティング】
 ①あなた目線の共感性
  ・企業が消費者をわかってくれているというパーソナライズの共感性。
  ・パーソナライズされた広告は「あなた」の購買理由をつくる。
 ②なかま目線の共感性
  ・企業と消費者が同じ方向を向いているという共感性。
  ・コーズマーケティング CSR、市民活動の支援
  ・コーマーケティング 企業と消費者の共同マーケ
 

【クロスコミュニケーション】
 アテンションマーケティングとペネトレーションマーケティングを効率よく組み合わせる。
 ※マスメディアで、幅広いメッセージを打ち、クラスターメディア、インタラクティブメディアで
  多様な情報チョイス(あなたの購買理由)を提供。
 ※個別のブログパーツ?
 ※ブランドサイトでの、情報設計、ユーザビリティ設計は重要。

【クチコミ】
 ・バズは、マスメディアに対する反応としても発生するが、消費者同士の間に情報格差があるときに、
  積極的に書き込まれる。