坂野潤次さん死去

83歳

日本近代政治の流れ解明

明治憲法体制の確立や

日中戦争に至る過程など

日本近代政治の流れを解明した

歴史家で、

東京大学名誉教授の

坂野潤次さんが

10月14日、

進行性胃がんで死去した。

83歳だった。

葬儀は近親者で営んだ。

喪主は妻和子さん。

1937年、

横浜市生まれ。

東大生時代には

60年安保闘争に

全日本学生自治会総連合

(全学連)の幹部として加わった。

千葉大学助教授や

東京大学教授などを経て、

東京大学社会科学研究所所長も務めた。

東京大学を

退職後は千葉大学教授を務めた。

日本近代政治史を専門とし、

精密な史料分析に基づいて

独自の視点を提示した。

『明治憲法体制の確立』

『大正政変』

『近代日本の外交と政治』などの

著作では、

近代国家が展開していく過程を

各政治勢力が

影響しあうメカニズムとみなした。

幕末から

戦前にかけての政治の流れを

描く歴史叙述も得意とした。

97年に

吉野作造賞を受賞した

『近代日本の国家構想』は、

廃藩置県から

昭和の戦時体制の確立に至る間に

政治家や

思想家がいかに

多様な国家像を描き、

実現しようと競っていたかを論じた。

幕末から戦前までの

約70年間にさまざまな

立憲思想が広がり、

明治憲法の制定から

運用されていく

過程をたどった

『日本憲政史』では、

09年の角川源義賞を受賞した。


大学を退いた頃から、

日中戦争に至る

歴史の転換点に迫った

『昭和史の決定的瞬間』や、

激しく揺れ動く

『武士の革命』の実像を描いた

『未完の明治維新』といった

新書などの一般向けの

執筆活動も

精力的に続けていた。

今年9月には

『明治憲法史』を出版した。




【朝日新聞社】