覇権    米中攻防

中国・上海の中心部から車で

約40分。浦東新区の、

小さな商店や低層住宅が

立ち並ぶ地域に、

鉄条網で囲まれた一角がある。

正門では、

迷彩服姿の若い男が、

行き交う人々に目を光らせている。

施設名はどこにも記されていない。

ただ、

敷地内にあるビルの壁面に、

中国軍のスローガンが見えた。

「(共産)党の指導に従い、

戦闘に勝利できるよう、

優れた気風を育もう」ー 。

近くで商店を営む男性は

「軍の施設らしいが

どんな任務を担当しているのか

全くわからない」と話した。

敷地内には、

屋上に大きなアンテナが

少なくとも三つ設置された

十数階建てのビルもある。

これは

2013年2月、

米情報セキュリティー会社

マンディアントが、

米企業に対するサイバー攻撃への

関与が疑われた中国軍の

サイバー部隊(通称61398部隊)の

拠点だと指摘した建物だ。

14年5月、

米司法省は61398部隊に所属する

軍人5人を産業スパイとして起訴した

今もこのビルを拠点としているのかは

明らかでない。

中国軍のサイバー攻撃への関与を

中国政府は否定している。



【読売新聞3.17】