直木孝次郎さん死去

古代史    平城宮跡保存に尽力

100歳

古代国家の形成過程の解明や

遺跡保存に尽くした日本史学者で

大阪市立大名誉教授の

直木孝次郎さんが2日、老衰で死去

100歳だった。

告別式は親族で済ませた。

喪主は長女、美穂子さん。

直木さんは兵庫県出身。

1943年、

京都帝大文学部卒。

海軍兵学校教官などを経て

大阪市立大や

岡山大、

相愛大などで教授を務めた。

天皇制や

古代氏続の研究を発展させたほか

古墳時代に大和地方から

河内地方への政権移動があったとする

「河内政権論」を提唱した。

著書に

「日本古代国家の構造」

「万葉集と古代史」

「直木孝次郎   古代を語る」

(全14巻)など。

文化財保存運動の先駆けでもあった

50年代から難波宮跡(大阪市)の

保存運動にかかわり、

平城宮跡(奈良市)では

2度にわたる破壊の危機に立ち向かった


平城宮跡で

近鉄の車庫建設が計画された

62年には、

着工寸前に

「世界的にも

固有の価値を誇るもの」と訴え

全国に広がる保存運動のきっかけを

作った。

近年も、

2008年に大阪府が

「財政再建プログラム試案」で

弥生文化博物館(和泉市)の

廃止方針を示した際には

「秦の始皇帝の焚書に比すべき

暴挙」と痛烈に批判するなど、

文化財を見守り続けた。

1987年には

歌会始の召人に選ばれた。

2000年に文化財保護に功績のあった

個人や団体に贈られる

和島誠一賞を、

04年には第11回井上靖文学賞を受賞

美穂子さんの夫は

歴史学者で奈良大名誉教授、

文化功労者の東野治之氏。


白石太一郎・大阪府立近飛鳥博物館

名誉館長(考古学)の話

「古代史の研究者でありながら

考古学者との連携をよく理解され

考古学の成果にもたえず

目を配られていた。

惜しい先生を亡くし、残念です」