紡績街   摩擦で閑散   恨み節

【読売新聞 /  覇権 米中攻防】

中国を代表する

紡績業の街・浙江省紹興。

約4000人の紡績関連の

卸売業者が集まる

4階建の市場を訪れると、

バイヤーの姿はほとんどなかった。

暇をもてあました

店員たちが、

カードゲームに興じている。

「注文の減りが激しい。

2008年の

リーマン・ショックの時の方が

ましだった」。

スーツの生地を扱う

40代の女性店員が嘆いた。

紹興を直撃したのは、

米国が

中国製の繊維・アパレルなどに対し

9月に発動した制裁関税だ。

中国の繊維・アパレル業界は、

クリスマス商戦などを控えた

9~11月が一番のかきいれ時。

だが業者からは

「8月より注文が減った」

「利益は昨年の半分」といった

恨み節ばかりが漏れる。

中国側の業界リポートによると、

中国の繊維・アパレルの

6割は輸出向けで、

北米は最大の輸出先だ。

米国の統計では、

米国が中国から昨年輸入した

繊維・アパレルの総額は

387.3億㌦(約4兆3700億円)と、

関連製品の輸入全体の約37%を占める

生地や

アパレルの販売仲介業者の

ジャイ・ビンさん(33)は

危機感を隠さない。

「米中貿易摩擦は、

中国の紡績業を壊滅させる

爆弾の導火線だ」

米中貿易摩擦の影響が各地で

顕在化しつつある。