鉄製甲の内側に鹿皮

古墳時代前期の古墳で初


【読売新聞10.10】

奈良県天理市の黒塚古墳

(3世紀後半)で出土した

鉄製の甲の内側に、

鹿の毛皮が貼りつけられていたことが

わかったと、県立橿原考古学研究所

(橿考研)が9日、発表した。

緩衝材や保温のためとみられ、

鉄製武具に鹿皮が貼りつけられたのを

確認した最古の例となるという。

黒塚古墳は

1997~99年に発掘調査され、

石室から、甲やよろいの部材となる

長さ約3㌢の薄い鉄板「小札」が、

少なくとも1100点出土した。

橿考研は、

甲に使われたとみられる

小札12点を顕微鏡で観察し、

毛皮がついているのを確認。

毛の特徴を調べた結果、

形状や太さなどから、

鹿の毛皮と判明した。


毛皮との一部は、

小札に開けられた複数の小さい

穴を通して革ひもでとじられていた。

鹿の毛皮がついた鉄製武具は、

古墳時代中期以降の古墳では

出土例があるが、

古墳時代前期の古墳では

初の確認事例という。

調査結果は、

橿考研が今月刊行した

報告書

「黒塚古墳の研究」

(八木書店刊)に掲載された。


橋本達也・鹿児島大教授(考古学)



「甲冑は

鉄の部分が注目されがちだが、

それ以外の

素材を明らかにした意義は大きい。

古墳時代の武具の実態を

考えるのに重要な成果だ」