両陛下   最後の植樹祭へ

9日から  福島の復興  見届け



【読売新聞6.7】

天皇、皇后両陛下は

9日から3日間、

福島県を訪れ、

平成最後の全国植樹祭に臨まれる。

会場は

東日本大震災で被災した南相馬市。

津波で流された

海岸防災林の整備地に手ずから

植樹するほか、各地の復興の歩みを

見届けられる予定だ。


「両陛下が心を寄せられる

被災地の復興を象徴し、

国土緑化運動の原点に通じる式典になる」

県と植樹祭を共催する

国土緑化推進機構の

梶谷辰哉専務理事(66)はそう強調する

69回目となる植樹祭は、

戦後まもない1950年に始まる。

戦争や戦後の復興の資材確保で

樹木が過剰に伐採され、

荒れた国土を復活させる試みだった。

昭和天皇は、

前身となる

第1回大会から

崩御前年に体調を崩すまで、

十勝沖地震が発生した

68年を除いて

全て出席した。

後を継いだ天皇陛下も、

皇后さまと共に

29都道府県を欠かさず回り、

苗木を植えられてきた。

南相馬市の会場は、

高さ9㍍以上の津波で防災林がのまれた

両陛下が最後の植樹に臨まれるほか、

皇居の森で採った種から育てた苗木の

植樹も行われる。

この苗木は、

2012年に始まった、

津波で失われた緑を再生する

官民連携プロジェクトが育てた。

両陛下は同年、

専門家から海岸防災林の講義を受け

この試みに協力する意向を示された。

宮内庁を通じ、

防災林に適した

タブノキ、エノキなど

4種類約1万個の種子が提供された。

種子の一部は、

16年に植樹祭が

開かれた長野県で苗木に育てられ

昨年の開催地だった

富山県にリレーされた。

富山県がさらに育てた苗木は

今月10日、

両陛下に見守られるなか植樹され、

福島の沿岸を守っていくことになる。



両陛下は福島県内を巡り、

復興住宅の入居者との

懇談や犠牲者の慰霊にも臨まれる。


最終日の11日には、

相馬市原釜地区で、

犠牲者207人の名を刻んだ慰霊碑に

供花される。

震災2ヶ月後の2011年5月11日、

傘もささずに雨にぬれながら

黙礼された被災地だ。