【読売新聞6.7 医療ルネサンス】より
No.6814
-- 見えない病気 --
「ヘルプマーク」普及に尽力
2年ほど前のある日。
三重県四日市市の
会社経営者・
小崎麻莉絵さん(34)が
電車の優先席に座っていると、
お年寄りに
「若いのによう座っとるな」と
言われた。
自分の病気を説明したが
けげんな顔をされた。
自分の会社の社員に
その出来事を話すと、
教えてくれたのが
「ヘルプマーク」だった。
赤地に白の➕と❤ が描かれている。
内臓疾患や
難病の患者、
義足や人工関節を使っている人などが
周囲から配慮や支援を受けやすいよう
2012年に東京都が作ったもので
小崎さんも利用することにした。
小崎さんは
「骨髄異形成症候群」。
血液が正常に造れず、
めまいや、息切れなどの症状が出るが
見た目だけで分かる病気ではない。
4年前の8月、
31歳の誕生日の前日に
診断を受けた。
医師に「余命は5年」と告げられ、
「すごいプレゼントですね」と
泣きながら言った。
両親に伝えると、
母は「死ぬわけない。
大丈夫」と励まし、
父は娘が好きな
甘い物を食べさせたかったのか、
シュークリームを買ってきてくれた。
入院と
自宅療養で奇跡的に病状が安定し、
約1年後の15年夏、
自らが
経営する名古屋市のIT関連会社へ復帰
以前は朝から晩まで
働きづめだったが、
勤務時間を短縮して
通勤ラッシュを避けるなど
体に負担の少ない働き方に変えた。
ヘルプマークを
教えてもらった当時、
地元では入手できなかったため、
自分で作った。
外出時に身に着けていると
「頑張れ」と話しかけてくれる人もいた
もっと広く知ってもらいたいと、
小崎さんは
マークの普及活動をする会を設立。
昨夏、友人らと1万人を超える
署名を集め、名古屋市長に提出した
同市は昨年10月から
カードタイプのヘルプマークを
配布し始め、
東海圏では
岐阜・三重・愛知の3県でも導入が
決まりました。
今年2月には三重県から、
マークを普及する大使にも任命された
マークは現在、
約20の都道府県で配布され、
徐々に導入が広がっているが、
一般的な認知度はまだ高くない。
今も講演やイベントなど
活動を続ける小崎さんは
「多くの人に理解してもらうには
つらさを深刻に訴えるよりも、
どんな助けがほしいか具体的に
伝えるなど、自分たちで歩み寄る
ことが大切」と感じている。
外見では
周囲に伝わりづらい様々な病気を抱え
日常生活に困難を感じている人は
少なくない。
「電車で隣に座る誰かが、
支援を必要としているかもしれない。
[ええ気分]で助けてもらえたら」。
小崎さんはそう願っている。
(このシリーズは全5回)
No.6814
-- 見えない病気 --
「ヘルプマーク」普及に尽力
2年ほど前のある日。
三重県四日市市の
会社経営者・
小崎麻莉絵さん(34)が
電車の優先席に座っていると、
お年寄りに
「若いのによう座っとるな」と
言われた。
自分の病気を説明したが
けげんな顔をされた。
自分の会社の社員に
その出来事を話すと、
教えてくれたのが
「ヘルプマーク」だった。
赤地に白の➕と❤ が描かれている。
内臓疾患や
難病の患者、
義足や人工関節を使っている人などが
周囲から配慮や支援を受けやすいよう
2012年に東京都が作ったもので
小崎さんも利用することにした。
小崎さんは
「骨髄異形成症候群」。
血液が正常に造れず、
めまいや、息切れなどの症状が出るが
見た目だけで分かる病気ではない。
4年前の8月、
31歳の誕生日の前日に
診断を受けた。
医師に「余命は5年」と告げられ、
「すごいプレゼントですね」と
泣きながら言った。
両親に伝えると、
母は「死ぬわけない。
大丈夫」と励まし、
父は娘が好きな
甘い物を食べさせたかったのか、
シュークリームを買ってきてくれた。
入院と
自宅療養で奇跡的に病状が安定し、
約1年後の15年夏、
自らが
経営する名古屋市のIT関連会社へ復帰
以前は朝から晩まで
働きづめだったが、
勤務時間を短縮して
通勤ラッシュを避けるなど
体に負担の少ない働き方に変えた。
ヘルプマークを
教えてもらった当時、
地元では入手できなかったため、
自分で作った。
外出時に身に着けていると
「頑張れ」と話しかけてくれる人もいた
もっと広く知ってもらいたいと、
小崎さんは
マークの普及活動をする会を設立。
昨夏、友人らと1万人を超える
署名を集め、名古屋市長に提出した
同市は昨年10月から
カードタイプのヘルプマークを
配布し始め、
東海圏では
岐阜・三重・愛知の3県でも導入が
決まりました。
今年2月には三重県から、
マークを普及する大使にも任命された
マークは現在、
約20の都道府県で配布され、
徐々に導入が広がっているが、
一般的な認知度はまだ高くない。
今も講演やイベントなど
活動を続ける小崎さんは
「多くの人に理解してもらうには
つらさを深刻に訴えるよりも、
どんな助けがほしいか具体的に
伝えるなど、自分たちで歩み寄る
ことが大切」と感じている。
外見では
周囲に伝わりづらい様々な病気を抱え
日常生活に困難を感じている人は
少なくない。
「電車で隣に座る誰かが、
支援を必要としているかもしれない。
[ええ気分]で助けてもらえたら」。
小崎さんはそう願っている。
(このシリーズは全5回)