『障害ないのに不妊手術』

70代男性

賠償求め、国提訴へ

【読売新聞3.26】

旧優生保護法の下、

知的障害者らが強制的に

不妊手術を受けていた問題で、

宮城県出身の70歳代男性

(東京都在住)が25日、

都内で記者会見し、

何ら障害がないにもかかわらず、

同意なく手術を

強いられたと明らかにした。

男性は国を相手取り、

損害賠償請求訴訟を

東京地裁に起こす予定で

『手術を受ける必要がなかった。

人生を返してほしい』と訴えた。

男性は家庭の事情で

同県内の児童自立支援関連施設に

通っていた。

知的障害などはなかったのに、

中学2年生だった14歳の頃、

理由を告げられないまま

職員に病院に連れていかれ、

手術を受けさせられた。

立てないほどの痛みが続き、

下腹部に2ヵ所の手術痕が残った。

後日、施設の先輩から

『子供を産めなくする手術だ』と

教えられたという。

その後上京し、

28歳の時に結婚したが、

子供には恵まれず

妻の親族からも

『なんで子供ができないの?』と

何度も聞かれたという。

結婚から約40年たった2013年、

白血病で余命わずかとされていた

妻と病室で2人きりになり、

『実は子供ができない手術を

受けていた』と告白した。

旧優性保護法では

『不良な子孫の出生防止』を

目的に、

知的障害者や

精神疾患患者らに

不妊手術を実施。

1949~96年に、少なくとも

2万4991人が手術を受け、

うち1万6475人は本人の同意が

なかったとされる。

宮城県内の60歳代女性が

今年1月、全国で初めて国に

損害賠償を求める訴訟を

仙台地裁に起こし、現在、

議員立法による救済が

検討されている。

男性が旧優性保護法の存在を

知ったのは、60歳代女性の

訴訟がきっかけ。

弁護士に相談して県に手術記録を

開示請求すると、

廃棄を理由に

『不存在』とされたが、

都内の産婦人科医に手術痕を

確認してもらい、

家族の証言などとともに

証拠として提出するという。