祈り  あすに向かい

東日本大震災  7年

【読売新聞3.12】

東日本大震災の発生から11日で

7年となり、各地で追悼式典が開かれた

震災による

死者・行方不明者は震災関連死も

含めて2万2000人を超え、

今なお避難している人は

約7万3000人に上る。

地震の起きた午後2時46分、

日本列島は犠牲者を悼む鎮魂の

祈りに包まれ、

人々は復興への決意を新たにした。


東京都千代田区の国立劇場では

政府主催の追悼式が開かれ、

秋篠宮ご夫妻が出席された。

地震発生時刻に合わせ、

安倍首相ら

三権の長、遺族ら計約820人が

黙とうした。

天皇陛下は定例検査で訪問中だった

皇居内の宮内庁病院で、

皇后さまと黙とうされた。

秋篠宮さまは

お言葉で

今も避難者が多くいることなどに触れ

『心が痛みます』と気遣われた。

また、

復興への歩みについて

『国民が心を一つにして

被災した地域や人々に末永く

寄り添っていくことが

大切でありましょう』と述べられた。

安倍首相は復興への決意を示した上

『貴重な教訓を胸に刻みながら、

英知を結集して

防災対策を不断に見直す』と述べた。

その後、

岩手、

宮城、

福島の被災3県の遺族代表が

追悼の言葉を述べた。

被災3県も祈りに包まれた。

このうち、

約190人が犠牲となった

仙台市・荒浜地区では

かつての住民らが海に向かって黙とうし

復興への願いを込めて風船1000個を

空へ放った。


◆秋篠宮さま  お言葉(全文)◆

2011年3月11日、

東北地方を中心に

東日本を襲った未曾有の地震と

それに伴う津波により

2万人を超える死者及び行方不明者が

生じました。

震災発生後、刻々と伝えられる

現地の状況と押し寄せてくる

津波の映像は、

7年を経た今でも

決して脳裏から離れるものではありません

ここに一同と共に、

震災によって亡くなった人々と

その遺族に対し、

深く哀悼の意を表します。

大地震からの7年間、

被災地において、人々は幾多の

困難を乗り越え、手を携えて、

復興に向けての努力を弛みなく

続けてきました。こうした努力を

支援するため、国や全国の自治体、

そして国内外の多くの人々が、

様々な形で力を尽くしてきました。

その結果、住宅の再建や

高台移転、産業の回復、

生活環境の整備、

防災施設の整備など

多くの進展が見られました。

また、原発事故により避難を

余儀なくされた地域においても、

帰還して生活を再開できる地域が

少しずつ広がってきております。

多くの悲しみや

困難の中にあった子どもたちも、

未来に向けてたくましく

成長しています。

しかし、その一方では、

今なお多くの被災者が、被災地で

また、避難先で、依然として

不自由な生活を続けている厳しい

現実があります。

とりわけ、

帰宅可能な地域が広がる中、

いまだに自らの家に帰還する見直しが

立っていない人々も多いこと、

基準に照らして放射線量の問題がない

場合であっても、

農林水産業などに

影響が残っていることを思うと、

心が痛みます。

さらに、避難生活が

長期化する中で、

高齢者を始めとする

被災者の心身の健康のことは、

深く心に掛かります。

困難な状況にいる人々、

一人ひとりが取り残されるなく、

健やかで平穏な生活を送ることが

できるよう、また復興の歩みが

着実に進展していくよう、

これからも国民が心を一つにして

被災した地域や人々に末永く

寄り添っていくことが

大切でありましょう。

東日本大震災の大きな犠牲の下で

私どもは日頃の防災訓練や

防災教育、そして過去の災害の記録と

記憶の継承がいかに大切であるかを

学びました。この教訓を決して忘れる

ことなく、私たち皆が防災、減災の

心を培うとともに、それを次の世代に

引き継ぎ、災害の危険から多くの

人々が守られることを心より

願っております。

今なお困難を背負いながらも、

復興に向けて日々努力を続けている

人々に思いを寄せ、

一日も早く安らかな日々が戻ることを

皆で祈念し、

御霊への追悼の言葉といたします。