国宝 『菅浦文書』長浜の誇り
文化審答申 県内52年ぶり
中世村落の一級史料
【読売新聞3.10 滋賀県】
国の文化審議会が9日に
文部科学相に行った答申で、
県内から中世の自治組織『惣』の
様子が詳しくわかる古文書
『菅浦文書』
(重要文化財=長浜市・須賀神社所有)が
国宝に指定される見通しとなった。
正式に決まれば
県内の文化財では52年ぶりで
美術工芸品と
建造物を合わせて
56件(全国5位)になる。
また、
鎌倉時代に彫られた快慶作の
『木造阿弥陀如来立像』
(彦根市・円常寺所有)など
3件も新たに重文に指定される。
(渡辺征庸、三浦孝仁)
菅浦文書(1281通)は、
琵琶湖北岸の村落・菅浦
(長浜市西浅井町)の須賀神社に
伝わる鎌倉~江戸時代の古文書。
『菅浦与大浦下庄堺絵図』(1幅)と
ともに1976年に重文指定を受け
滋賀大学(彦根市)に寄託されている。
村で定めた『掟』が記されたり、
土地の帰属を巡る隣村との争論のため
菅浦の領域が絵図に詳しく
描かれていたりと、
文化財的価値に加え、
庶民が台頭した中世の村落を研究する
一級の史料として貴重とされる。
国宝指定の答申に、
長浜市や
約60世帯が暮らす
菅浦住民からは喜びの声が上がった。
菅浦自治会では、
菅浦文書に関する勉強会を
2012年から続けている。
同自治会の前田浩一会長(56)は
『現代に通じる先進的な
自治組織を先人たちが築いたことは
地元の誇り。うれしさと同時に
歴史を引き継ぐ重責を感じる』と話す
菅浦は14年に国の
重要文化的景観に選ばれるなど、
歴史と水辺が織り成す
独特の景観でも知られている。
集落の案内などを行う住民組織
『菅浦惣村の会』の
『大変な栄誉。
指定を機に訪れる人が増えれば。
菅浦の魅力をさらに
伝えていきたい』と期待を寄せた。
また、地域の歴史に詳しい
同市の太田浩司学芸員(56)は
『学術的に大きな影響を与えた
古文書。庶民の文書の
国宝指定は画期的』と意義を強調。
藤井勇治市町は
『菅浦の優れた
文化的価値を日本や世界に向けて
発信したい』と歓迎した。
重文に指定されるのは
木造阿弥陀如来立像のほか、
平安~明治時代の古文書
『長命寺文書』
(近江八幡市・長命寺所有)と、
中世の琵琶湖水運の歴史を伝える
『大津百艘船関係資料』
(大津市・個人所有)。
県教委によると、
県内の重文指定の美術工芸品は
605件になる。
木造阿弥陀如来立像は、
快慶が多く制作した
高さ80~100㌢の立像
『三尺阿弥陀』の中でも、
表情や体の表現が精彩に富むのが
特徴という。
長命寺文書は
4500通以上にもおよぶ古文書。
このうち室町時代の戦火で焼けた
堂塔の復興を呼び掛けるため、
僧侶が折り畳んで各地へ持参した
『参詣曼荼羅』は、
今も鮮やかに当時の境内の様子を
伝える。
大津百艘船は、
大津城主や江戸幕府に
琵琶湖での人や物資の輸送を
独占的に認められた集団で、
湖上水運の中心を担った。
関係資料は百艘船にまつわる
安土桃山~明治時代の文書や
記録、高札などで構成。
当時の水運の実態を知る資料と
なっている。
文化審答申 県内52年ぶり
中世村落の一級史料
【読売新聞3.10 滋賀県】
国の文化審議会が9日に
文部科学相に行った答申で、
県内から中世の自治組織『惣』の
様子が詳しくわかる古文書
『菅浦文書』
(重要文化財=長浜市・須賀神社所有)が
国宝に指定される見通しとなった。
正式に決まれば
県内の文化財では52年ぶりで
美術工芸品と
建造物を合わせて
56件(全国5位)になる。
また、
鎌倉時代に彫られた快慶作の
『木造阿弥陀如来立像』
(彦根市・円常寺所有)など
3件も新たに重文に指定される。
(渡辺征庸、三浦孝仁)
菅浦文書(1281通)は、
琵琶湖北岸の村落・菅浦
(長浜市西浅井町)の須賀神社に
伝わる鎌倉~江戸時代の古文書。
『菅浦与大浦下庄堺絵図』(1幅)と
ともに1976年に重文指定を受け
滋賀大学(彦根市)に寄託されている。
村で定めた『掟』が記されたり、
土地の帰属を巡る隣村との争論のため
菅浦の領域が絵図に詳しく
描かれていたりと、
文化財的価値に加え、
庶民が台頭した中世の村落を研究する
一級の史料として貴重とされる。
国宝指定の答申に、
長浜市や
約60世帯が暮らす
菅浦住民からは喜びの声が上がった。
菅浦自治会では、
菅浦文書に関する勉強会を
2012年から続けている。
同自治会の前田浩一会長(56)は
『現代に通じる先進的な
自治組織を先人たちが築いたことは
地元の誇り。うれしさと同時に
歴史を引き継ぐ重責を感じる』と話す
菅浦は14年に国の
重要文化的景観に選ばれるなど、
歴史と水辺が織り成す
独特の景観でも知られている。
集落の案内などを行う住民組織
『菅浦惣村の会』の
『大変な栄誉。
指定を機に訪れる人が増えれば。
菅浦の魅力をさらに
伝えていきたい』と期待を寄せた。
また、地域の歴史に詳しい
同市の太田浩司学芸員(56)は
『学術的に大きな影響を与えた
古文書。庶民の文書の
国宝指定は画期的』と意義を強調。
藤井勇治市町は
『菅浦の優れた
文化的価値を日本や世界に向けて
発信したい』と歓迎した。
重文に指定されるのは
木造阿弥陀如来立像のほか、
平安~明治時代の古文書
『長命寺文書』
(近江八幡市・長命寺所有)と、
中世の琵琶湖水運の歴史を伝える
『大津百艘船関係資料』
(大津市・個人所有)。
県教委によると、
県内の重文指定の美術工芸品は
605件になる。
木造阿弥陀如来立像は、
快慶が多く制作した
高さ80~100㌢の立像
『三尺阿弥陀』の中でも、
表情や体の表現が精彩に富むのが
特徴という。
長命寺文書は
4500通以上にもおよぶ古文書。
このうち室町時代の戦火で焼けた
堂塔の復興を呼び掛けるため、
僧侶が折り畳んで各地へ持参した
『参詣曼荼羅』は、
今も鮮やかに当時の境内の様子を
伝える。
大津百艘船は、
大津城主や江戸幕府に
琵琶湖での人や物資の輸送を
独占的に認められた集団で、
湖上水運の中心を担った。
関係資料は百艘船にまつわる
安土桃山~明治時代の文書や
記録、高札などで構成。
当時の水運の実態を知る資料と
なっている。