さきごろ中国を訪れて面食らったことの

一つは『トイレ革命』だ。

朝に目を覚ましてテレビをつけると、

どこそこの村でこんなにきれいなトイレが

できて、村の人たちが喜んでいます、

といったリポートが目と耳に飛び込んで

くる。国営放送が連日、特集していたのだ

【日本経済新聞12.10 春秋】

◆きっかけは習近平国家主席の新たな

『重要指示』だという。

じつは習主席は2015年、主に

観光地のトイレ事情を良くするよう

『革命』を呼びかけた。

それから2年あまりの間に全国およそ

7万ヵ所で改修がすすめられた、

と伝えられている。そうした成果を

農村部にも広げよう、というのが

今回のキャンペーンらしい。

◆中国と並ぶ人口大国、

インドのナレンドラ・モディ首相は

習主席以上にこの問題に熱心といえる

かもしれない。就任して間もない14年の

独立記念日の演説で

『農村部では女性用トイレがないことも

珍しくない』などと語り、政権の重要課題

に位置付けた。

ことし9月には

『まずトイレだ。

寺院はその後だ』と訴えたことも。

◆習主席やモディ首相の旗振りには

政治的な思惑もうかがえるが、

トイレが世界の大問題なのは事実だ。

30年をメドとする国連の

『持続可能な開発目標』は、

重点17分野の一つとして

『安全な水とトイレをみんなに』と

掲げる。

政治家が何も言わなくても

洗浄機能つきトイレが

普及した日本のありがたさを、

いまさらに思う。