時代映す 皇位継承へ
19年4月30日退位 5月1日改元
儀式や元号、準備加速
【NIKKEI 12.2】
天皇陛下が
2019年4月30日に退位する日程が
1日の皇室会議を経て固まり、
200年ぶりの天皇の退位に向けて
節目を迎えた。安倍晋三首相は
会議を踏まえ『天皇陛下のご退位と
皇太子殿下のご即位が国民の祝福の
中でつつがなく行われるよう全力を
尽くしていく』との談話を発表。
政府は退位の儀式のほか、
新元号制定に関する準備を本格化する
国民理解を重視
天皇の代替わりは明治以降、
死去を前提とし、存命中の退位は
想定しなかった。
菅義偉官房長官は1日の記者会見で
『天皇陛下の退位は憲政史上初めての
ことだ。準備が必要な事項は退位後の
補佐組織やお住まい、元号改正など
多岐にわたる』と指摘した。
年明けにも自らをトップとする
準備組織を立ち上げる。
天皇の死去とともに皇位が継承された
昭和から平成への代替わりとは
異なり、新たな検討事項が多い。
退位の儀式は
江戸時代の光格天皇以来で、
宮内庁は古文献などを基に
どのような様式が現代の
天皇、皇室に合致するか模索している
『一連の儀式は
陛下が象徴としての役割を終え
皇太子さまが新しい天皇に
なったことを示す重要な場。
国民が理解しやすい形を
考える必要がある』(宮内庁幹部)
陛下の即位は1989年1月。
前年秋から続いた
昭和天皇の病状悪化による
自粛ムードが社会に停滞感を
漂わせていた。皇室の服喪期間があり
官房長官を委員長とした
『即位の礼準備委員会』が発足したのは
89年9月。90年11月12~15日、
陛下が即位を宣言し、
国内外の代表らが祝福する
『即位礼正殿の儀』や、
祝宴を開く
『饗宴の儀』などの即位に関連する
儀式が行われた。
陛下は退位の意向を示唆された
お言葉でこう述べられている。
『天皇が健康を損ない、
深刻な状態に立ち至った場合、
これまでにもみられたように
社会が停滞し、国民の暮らしにも
様々な影響が及ぶことが懸念されます』
天皇の死去で社会が停滞するのを
避けたいという思いが退位を望まれる
理由の一つだった。
陛下は常に国民の実生活を意識しながら
象徴の役割を果たしてこられてきた。
2012年、
宮内庁は近世以降続いていた
土葬の習慣を火葬に改め、
陵墓の規模を縮小するなど、
天皇の葬送を簡素化する方針を発表。
国民への負担を最小限にしたいという
考えからだ。
今回の皇位継承の儀式に関しても
簡素化を望まれているという。
宮内庁は陛下の意向を踏まえ、
できる限り簡素化する方向で
検討を進めている。
間もなく平成30年。
グローバル化やインターネットの
広がりで日本社会、皇室を取り巻く
環境は大きく変わっている。
皇太子さまは6月、
『陛下のお気持ちを十分に踏まえ
全身全霊で取り組んでまいりたい』と
陛下の活動を引き継ぐ決意を表明された
事業構想大学院大の
鈴木洋仁准教授(社会学)は
『皇太子さまは即位の日まで
国民との新しい関係をどのように
築くか準備する助走期間に入った』と
話す。そのうえで
『国民の側もどのような皇室が
望ましいかを示し、
皇室と国民がお互いに寄り添うのが
新しい時代の関係になるのではないか』
とみる。
19年4月30日退位 5月1日改元
儀式や元号、準備加速
【NIKKEI 12.2】
天皇陛下が
2019年4月30日に退位する日程が
1日の皇室会議を経て固まり、
200年ぶりの天皇の退位に向けて
節目を迎えた。安倍晋三首相は
会議を踏まえ『天皇陛下のご退位と
皇太子殿下のご即位が国民の祝福の
中でつつがなく行われるよう全力を
尽くしていく』との談話を発表。
政府は退位の儀式のほか、
新元号制定に関する準備を本格化する
国民理解を重視
天皇の代替わりは明治以降、
死去を前提とし、存命中の退位は
想定しなかった。
菅義偉官房長官は1日の記者会見で
『天皇陛下の退位は憲政史上初めての
ことだ。準備が必要な事項は退位後の
補佐組織やお住まい、元号改正など
多岐にわたる』と指摘した。
年明けにも自らをトップとする
準備組織を立ち上げる。
天皇の死去とともに皇位が継承された
昭和から平成への代替わりとは
異なり、新たな検討事項が多い。
退位の儀式は
江戸時代の光格天皇以来で、
宮内庁は古文献などを基に
どのような様式が現代の
天皇、皇室に合致するか模索している
『一連の儀式は
陛下が象徴としての役割を終え
皇太子さまが新しい天皇に
なったことを示す重要な場。
国民が理解しやすい形を
考える必要がある』(宮内庁幹部)
陛下の即位は1989年1月。
前年秋から続いた
昭和天皇の病状悪化による
自粛ムードが社会に停滞感を
漂わせていた。皇室の服喪期間があり
官房長官を委員長とした
『即位の礼準備委員会』が発足したのは
89年9月。90年11月12~15日、
陛下が即位を宣言し、
国内外の代表らが祝福する
『即位礼正殿の儀』や、
祝宴を開く
『饗宴の儀』などの即位に関連する
儀式が行われた。
陛下は退位の意向を示唆された
お言葉でこう述べられている。
『天皇が健康を損ない、
深刻な状態に立ち至った場合、
これまでにもみられたように
社会が停滞し、国民の暮らしにも
様々な影響が及ぶことが懸念されます』
天皇の死去で社会が停滞するのを
避けたいという思いが退位を望まれる
理由の一つだった。
陛下は常に国民の実生活を意識しながら
象徴の役割を果たしてこられてきた。
2012年、
宮内庁は近世以降続いていた
土葬の習慣を火葬に改め、
陵墓の規模を縮小するなど、
天皇の葬送を簡素化する方針を発表。
国民への負担を最小限にしたいという
考えからだ。
今回の皇位継承の儀式に関しても
簡素化を望まれているという。
宮内庁は陛下の意向を踏まえ、
できる限り簡素化する方向で
検討を進めている。
間もなく平成30年。
グローバル化やインターネットの
広がりで日本社会、皇室を取り巻く
環境は大きく変わっている。
皇太子さまは6月、
『陛下のお気持ちを十分に踏まえ
全身全霊で取り組んでまいりたい』と
陛下の活動を引き継ぐ決意を表明された
事業構想大学院大の
鈴木洋仁准教授(社会学)は
『皇太子さまは即位の日まで
国民との新しい関係をどのように
築くか準備する助走期間に入った』と
話す。そのうえで
『国民の側もどのような皇室が
望ましいかを示し、
皇室と国民がお互いに寄り添うのが
新しい時代の関係になるのではないか』
とみる。