開幕まで3年  準備急ピッチ

東京五輪  官民投資10兆円

2020年東京五輪・パラリンピックの

開幕まで24日で残り3年となる。

競技会場やホテルの建設が

急ピッチで進み、官民の投資総額は

10兆円を越すとの試算もある。

企業は自動運転者や

次世代通信規格など五輪に向けて

新技術の開発にしのぎを削る。

前回の東京五輪は新幹線の開通や

カラーテレビの普及を促し、

敗戦の痛手から国民が立ち直る

契機となった。56年ぶりの

東京開催となるスポーツの祭典は

成熟社会ニッポンを変革する契機に

なるだろうか。

【NIKKEI / 日曜版 7.23】

新国立の工事進む

東京・神宮外苑の新国立競技場の

建設地。約11万平方㍍の敷地に

23基のクレーンが並び、

工事車両が行き交う。

作業員は常時約800人。

地下の土地を平らにする作業をほぼ

終え、8月には地下工事が始まる。

当初は15年10月に着工、

19年3月に完成するはずだった。

工費高騰で設計をやり直し、

着工が16年12月、完成予定が

19年11月にずれ込んだ。

この間降雨が少なく

[工事は順調に進んだ]

(大成建設JVの伊藤清仁統括所長)。

来年2月には

鉄骨と木材を組み合わせた

屋根の取り付けが始まる。

新国立の建設費用は1490億円。

バレーボール会場[有明アリーナ]も

工事が始まり、会場整備総額は

6350億円に上る。

ただ実は公共投資よりも

民間が設備に充てる金額がはるかに

大きい。

第一生命経済研究所によると

五輪を理由に本来予定される

設備投資に上乗せする官民の

投資総額は11兆6千億円。

政府の年間公共事業費の約2倍に

あたり、今後さらに上積みされる

可能性がある。

湾岸地区など都心を中心とする

再開発は5兆8千億円が見込まれる。

森ビルが

虎ノ門地区で進める再開発は

オフィスビルや住宅棟を備え、

総事業費は4千億円の見通し。

交通網整備には

少なくとも3兆7千億円を投じる。

JR東日本は20年春に

[品川新駅(仮称)]を暫定開業する。

羽田空港へのアクセスに優れ、

近隣の品川駅では27年開業の

リニア中央新幹線が乗り入れる

予定だ。競技会場の最寄りとなる

原宿駅など7駅でも

改良工事を進めている。

ホテルは

20年までに国内で6万室以上が開業し

日本経済新聞の試算で

総投資額は1兆円近い可能性がある。

森トラストは20年に米国大手の

最高級ブランドのホテルを都内2ヵ所

に開きます。

日本橋などで百貨店も相次ぎ改装。

みずほ総合研究所も五輪に伴う

民間投資総額を10兆円超と予測する。

1964年の東京五輪は

新幹線や首都高速道路の開通、

羽田空港の拡張とインフラが一斉に

整い、日本選手団の活躍が

敗戦からの復興を国民の心に刻んだ。

今回は

そこまでの高揚感はないかもしれないが

日本の技術力や高品質のサービスを

世界に問い直す場になる。

8Kや5Gが実現へ

20年大会に向けては

[8K]の本放送が18年に始まり

現行の100倍の速度となる

次世代通信規格[5G]も実現する

見通し。

日産自動車は一般道を含めた

自動運転の実用化を20年に

間に合わせようとしている。




[岩村高信、岩野孝祐]