移民や女性活用を

人手不足深刻な日本企業

◆オランダ・ランスタッド◆

ファン・デン・ブルックCEO

◇Interview ◇

人手不足が深刻化する中で

長時間労働を是正する難しい課題に

日本企業が向き合っている。

労働力人口は減り、人材を確保する

環境は厳しい。

日本の労働市場は海外の専門家に

どう映るのか。オランダの人材サービス

世界2位、ランスタッドHD の

ジャック・ファン・デン・ブルック

最高経営責任者(CEO)に聞いた。

ー日本の労働環境の現状をどう

見ますか。

[人口動態を見ても少子化高齢化により

労働力が低下している。

日本は特に減少の進行が早く、

非常に深刻だ。教育水準が高い女性の

活用が足りず、移民の受け入れも

少ない。長寿命であることを

考えると退職の年齢も早すぎると

見ている]

[オーストラリアやカナダは

労働力全体の一定割合を移民で

構成しようとミドルから

ハイレベルの人材を受け入れている。

日本にも良い政策だろう。

女性が仕事を始める障壁を下げることも

必要だ。収入による扶養の範囲など

制度を整えるのは比較的容易ではないか

20年後の日本を見据えたシナリオを

もって取り組む必要がある]

ー日本の終身雇用をどう見ていますか。

[仕事は内容によって無くなることもあり

企業が今後40年間の雇用を約束するのは

本来は難しい。若年層は入社した

会社で一生勤めようという人ばかり

ではない]

[欧州では会社に帰属せず仕事があれば

受けるフリーランスの活用が

進んでいる。オランダでは1割強の

労働者が個人事業主のような

働き方をしており英国では2割弱が

在宅勤務をしている。企業は

多様な働き方の機会を提供できれば

能力の高い人を惹き付けられる。

日本もそうすることで競争力が

上がっていく]

ー日本での人材サービスの需要は。

[良い人材の採用が難しい

《売り手市場》になった。ランスタッドは

欧州で採用のアウトソーシングを

引き受け、マーケットリーダーに

なっている。採用プロセスが複雑化する

日本も商機はある。米国では在籍者の

スキルアップや優秀な外国人の

招請など人事の課題に対応するために

人材サービス会社を活用するのが

一般的で、日本でもニーズが

出始めている]  (聞き手は岩野孝祐)



[ランスタッドHD]

オランダに本社を置き、世界39ヶ国・

地域で人材仲介、人材派遣などを

展開する。2016年12月期の売上高は

約2兆5千億円でスイスのアデコグループ

に次ぐ世界2位の人材サービス会社。

日本には99年に進出し、

11年にフジスタッフなどと

経営統合した。

ジャック・ファン・デン・ブルック

CEOは88年入社、14年から現職。