外国人の口座売買横行

留学生や技能実習生

【日本経済新聞6.13】

外国人留学生や技能実習生による

銀行口座の不正売買が横行している。

生活費や帰国前の小遣いを稼ぐ目的が

多く、違法行為と知らないケースも。

売られた口座はインターネットバンキング

の不正送金や振り込め詐欺に悪用される

こともあり、捜査当局は技能実習生を

受け入れる企業などに注意を呼び掛け

ている。

警察庁によると、2015年に発覚した

ネットバンキングの不正送金事件で、

送金先口座の名義人2367人のうち

外国籍は約75%だった。

16年上期(1~6月)には

約9割に上昇。

名義人で最も多いのは中国人だが、

ベトナム人も急速に増えている。

背景にはアジアからの

留学生や技能実習生の増加がある。

日本学生支援機構によると、

16年5月1日時点の留学生は

23万9287人と前年比14.8%増。

中国人とベトナム人が

計15万2290人と全体の6割以上を

占めている。

法務省によると、技能実習生は

16年末、22万8588人だった。

口座売買は

犯罪収益移転防止法違反のほか

詐欺罪に問われる可能性がある。

西日本を中心に技能実習生の生活を

支援する女性は

[給与の振込先などの口座は

帰国後に不要になるため、

小遣い稼ぎで売る人がいる。

SNSの普及で売買しやすくなった上、

違法行為と知らない実習生らも多い]

と明かす。1件当たり10万円以上の

値が付くこともあるという。

警察当局は警戒を強める。

京都府警は12年、日本に住む外国人向けに

口座売買の防止を呼び掛ける

英語や中国語のパンフレットを作成。

愛知県警も昨年2月、中国語や

ベトナム語で同様の資料を作った。

外国人が通う語学学校や実習生を

受け入れる企業などに出向き注意を

呼びかける。

大阪府警も14年から、

留学生が多い専門学校などで

防犯教室を実施し、

口座売買の違法性に触れたり、

売られた口座がどのような犯罪に

使われるのかを説明したりしている。

府警幹部は

[留学生が違法行為と知らずに

口座を売るケースが少なくない。

実情を知ってもらい、

犯罪の抑止につなげたい]と話す。