【複眼 Opinion / 日本経済新聞6.6

12版オピニオン6】

パリ協定 米国離脱でどうなる


200近い国・地域が参加し、

地球温暖化対策の

新しい国際ルールを定める

パリ協定から米国が離脱を表明した。

今世紀後半に温暖化ガスの排出を

実質ゼロにすることを目指す

仕組みは、世界2位の二酸化炭素

排出国の離脱でどうなるのか。

トランプ米大統領の判断が

もたらすものは何か。


[アンカー]

中国が台頭

交渉で影響力

トランプ米大統領が掲げた

パリ協定離脱の[実害]はそれほど

大きくないのではないかー。


それが↓↓

◆米コロンビア大理学部長

ピーター・デメノカル氏

◆仏国際関係戦略研究所 主任研究員

エマニュエル・アッシュ氏

◆京大名誉教授 松下和夫氏

◆東大教授 有馬純氏

各氏のほぼ一致した見方だ。


多くの国・地域が協定の順守を表明し

化石燃料依存から脱却する流れが

もはや止められないところへ

来ているためだ。

ただ、パリ協定は先進国から

途上国まですべてが入れるよう

妥協を重ねたため、ガラス細工の

ようだ。資金支援の減少などが

引き金となり、途上国がドミノ的に

温暖化ガス削減目標を引き下げると

いった懸念は残る。資金以外の協力も

重要になるだろう。

今後の温暖化交渉で主導権を握るのは

どこか。歴史的には欧州連合が重要な

役割を果たしてきたが、最近の

中国の熱心さには目を見張るものが

ある。米国が孤立すればするほど、

温暖化に限らずあらゆる

国際交渉の場で中国の影響力が

増すのは間違いない。(安藤淳)