名門・霞ヶ関CC

[迫られる変革]

2020年東京五輪の

ゴルフ会場となる

霞ヶ関カンツリー倶楽部

(埼玉県川越市)が女性の正会員を

認めていないことに対し、

国際オリンピック委員会(IOC)が

[あらゆる差別を認めない五輪の

精神に反する]と改善を求めた。

大会組織委員会や

日本オリンピック委員会(JOC)からも

IOCの要求受け入れを

求められた霞ヶ関CCは7日にも

理事会を開いて対応を協議するが

[なぜ、今になって?]という

戸惑いの声も聞こえてくる。

IOCから組織委員会に

改善要求が届いたのは

先月27日。

正会員は男性のみで、

女性は週日会員や家族会員にしか

なれないのは

[IOCの精神に反する]とした。

小池百合子都知事や

丸川珠代五輪相もIOCに同調、

相次ぎ[違和感]を表明した。

霞ヶ関CCが

"女人禁制"なわけではない。

現在212人の女性会員が在籍。

倶楽部運営のための各委員会に

参加し、閑散期は日曜日も

プレーできる。

年間でプレーできないのは

30日程度だ。

ある女性会員も

[差別されている意識はない。

女性会員も活発に活動して

開かれているし、これでいいと

思っていた]と戸惑いを口にする。

霞ヶ関CCは過去に日本オープンが4回

日本女子オープンも1回開催された

名門コース。

1957年のカナダカップ

(現ワールドカップ)では

中村寅吉が小野光一とのペアで

団体と個人で優勝、

第1次ゴルフブームを巻き起こした。

世界のトップ選手が尊ぶコースの

歴史、レイアウトも申し分ない。

40年以上にわたって8月に

日本ジュニア選手権が行われ、

中高生ゴルファーには球児に

おける甲子園のような存在でもある。

多くのゴルフ場は

会員の社交場として歴史を紡いできた。

発祥の地とされる英国など

海外には男性オンリーだけでなく、

逆に女性会員限定のゴルフ場もある。

ただ

国際大会となれば話は別。

五輪憲章や14年にIOCが採択した

[五輪アジェンダ2020]では

完全な[男女平等]をうたい、

昨年のリオデジャネイロ大会で

112年ぶりに五輪に復活した

ゴルフも無縁ではいられなくなった。

実際、12年にはマスターズが

行われるオーガスタ・ナショナルGCに

ライス元米国務長官ら2人の女性が

初めて入会、14年秋には英国

セントアンドルーズが[門戸開放]を

決めた。その一方で、全英オープンを

16回開催しているミュアフィールドは

昨年、会員の投票で女性会員を認めないと

いう結論を下し、全英を主催する

ロイヤル・アンド・エンシェントクラブ

(R&A)はミュアフィールドを会場から

外すことを決定した。

今回の騒動で霞ヶ関CC側が

首をかしげているのは

[なぜ、このタイミングなのか]と

いうことだろう。

霞ヶ関CCは国際ゴルフ連盟(IGF)から

承認を受け、自前で十数億円かけて

五輪で使用される東コースを改造中。

IGFも既に10回以上視察に訪れ、

進捗状況をチェックするなど

準備は進んでいる。

(中文、省略)

事実上、他に選択肢がない中で

まずは霞ヶ関CCの対応が焦点。

理事会を開いて会員規定を定めた細則の

変更を議論するが、約1300人いる総会

にも諮るといい、反対意見が出ないとも

限らない。1日も早い事態収拾が

望まれます。

[日本経済新聞 吉良幸雄]